“へや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヘヤ
語句割合
70.6%
部屋22.1%
1.3%
部室0.8%
室内0.8%
自室0.7%
居室0.6%
0.4%
0.2%
寝室0.2%
住室0.2%
病室0.2%
子舎0.1%
船室0.1%
0.1%
客間0.1%
室中0.1%
室処0.1%
室屋0.1%
寄宿室0.1%
浴場0.1%
独房0.1%
監房0.1%
空房0.1%
繍房0.1%
衾幄0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まもなくうちから持って来た花瓶にそれをさして、へやのすみの洗面台にのせた。同じ日においのNが西洋種のらんはちを持って来てくれた。
病室の花 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
和尚おしょうさんのお部屋へやがあんまりしずかなので、小僧こぞうさんたちは、どうしたのかとおもって、そっと障子しょうじから中をのぞいてみました。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
既にして導かれてロオザがへやに入るに、こゝも幌を垂れて日光を遮りたれば、外より入るものはその暗きに驚かんとす。
昨夜さくやも、一昨夜いつさくやも、夕食ゆふしよくてゝのち部室へやまど開放あけはなして、うみからおくすゞしきかぜかれながら、さま/″\の雜談ざつだんふけるのがれいであつた。
室内へやのどこやらに、白っぽい気がただよいそめて、今にも牛乳屋の車がガラガラ通りそう、お江戸は今、享保きょうほう何年かの三月十五日の朝を迎えようとしている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
平常ふだんから邪険な、変った人でございますので、逆らわないに限ると思いまして、心ならずもそのまま自室へやへ下って、先にやすんだのでございます……それが、もう今朝は、こんなことになりまして……
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
彼女あれは眠っている、眠っている、死んだのではない! わしは居室へやに行って呼んで見よう、美しいものよ、眼をさませ! わしだ、コノール王だ! と言って見よう。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
晩になって竇は、へやあかりを消して、また彼の夢のことを思ったが、夢の国の路は遠くていくことができなかった。竇はただ悔み歎くのみであった。
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
五日したらまた来るといった五通神の来るのをおそれて、その夜は婢や媼を内室の中へ寝かさずに外のへやへやって、ただ一人でに向って悲しそうにして待っていた。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
私の寝室へやの入口一パイに立塞たちふさがって、二人の談判に耳を傾けていたが……むろんデッキ野郎の癖に、わざわざ親方の私の処へ押しかけて来る兼の利いた風な態度を憎んで
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おれは釈放されて、自分の住室へやへ帰って来たのだ。そしてもう一度市街の雑鬧ざっとうや、店屋の明るい電飾が見られるからだになったのである。今夜は久しぶりにゆっくりと晩餐を使おう。
ピストルの蠱惑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
瞑ればまこと吾が病室へや
孤閨瞋火 (新字旧仮名) / 山口芳光(著)
なかばまで言切らぬ内、文三は血相を変てツと身を起し、ツカツカと座舗ざしきを立出でて我子舎へやへ戻り、机の前にブッ座ッて歯を噛切くいしばッての悔涙くやしなみだ、ハラハラと膝へこぼした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
こう腹をめて見ると、サアモウ一刻も居るのが厭になる、借住居かとおもえば子舎へやが気に喰わなくなる、我物でないかと思えばふちの欠けた火入まで気色きしょくに障わる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
夫人ふじん少年せうねんとをその船室キヤビンおくつて、明朝めうてうちぎつて自分じぶん船室へやかへつたとき八點鐘はつてんしよう號鐘がうしようはいと澄渡すみわたつて甲板かんぱんきこえた。
弦月丸げんげつまる出港しゆつかうのみぎりに檣燈しやうとう微塵みじんくだけたのをて『南無阿彌陀佛なむあみだぶつこのふねにはみいつてるぜ。』とつぶやいた英國エイこく古風こふう紳士しんし甲板かんぱんから自分じぶん船室へやまんとて昇降口しようかうぐちから眞逆まつさかさま滑落すべりおちてこし
侍女達は引込んで往ったが、間もなく数十人の侍女がへやの中へいっぱいになるように出てきて、それが幕を張り席をこしらえはじめた。杜陽は心配そうな眼をしておずおずとそれを見ていた。
陳宝祠 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
客間へやの装飾は、日本、支那、西洋と、とりあつめて、しかも破綻はたんのない、好みであった、室のすみには、時代の紫檀したんの四尺もあろうかと思われる高脚たかあしだいに、木蓮もくれん木瓜ぼけ椿つばき
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
深緑のカアテンをかけた窓のほかは白い壁にもドアの内側にも一面に鏡が仕掛けてあって、室中へやのものがてしもなく向うまで並び続いているように見える——西洋式の白い浴槽ゆぶね
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
願わくはこの功徳もて後身世々わがある所の室処へや光明照耀日光のごとく、身にれて出ん事をと念じた。
ボートルレはしばらく掛ってその鍵を破り、室屋へやの中へ入った。少年は手探りで父の寝台へ進んだ。父は安らかに眠っている。少年は静かに父を呼んだ。
「銀子さん」と梅子は語をぎつ「其頃私は貴女あなたかつての傷心なげきに同情しましたの、何時でしたか、貴女は夜中に私の寄宿室へやいらしつておつしやつたことがありませう、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
犯人はまず化粧部屋の戸をあけ、つづいて浴場へやのガラス戸をあけ更に流し場を通つて、初江の浸つている浴槽のそばまで行つたのだ。
殺人鬼 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
移り来し明るき独房へや金網あみあれど冬陽さしゐてまるき日が見ゆ
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
俺は監獄で……と戯奴ヂヤオカアが面をしかめる……俺は監獄であまり監房へやの臭気が陰気なので、汚ない亜鉛の金盥に水を入れて、あの安石鹸をとかしては両手で掻き立て掻き立て
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
同囚のわれになぐさむるすべなくて別れし友の空房へやのぞき見つ
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
そこで老婆は一杯の茶をもらって、それを飲んでから秀英の繍房へやへ往った。秀英はその時楼の欄干にもたれてうっとりとしていた。それは昨日見た若い秀才の顔を浮べているところであった。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そこで夫婦は衾幄へやを同じゅうすることになったが、それは月の世界が必ずしも空に在るときめられないように思われるものがあった。そして合卺ごうきんの後には、ひどく心の満足をおぼえた。
嬌娜 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
夫人は襖をあけないで次のへやから小さな声で「芳一、芳一」と呼んださうです。
父八雲を語る (新字新仮名) / 稲垣巌(著)