自室へや)” の例文
見送っていた法外先生と千浪は、ほっと溜息を残してしょんぼりと、うながし合って梯子段を、二階の自室へやへ帰って行こうとしている。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
平常ふだんから邪険な、変った人でございますので、逆らわないに限ると思いまして、心ならずもそのまま自室へやへ下って、先にやすんだのでございます……それが、もう今朝は、こんなことになりまして……
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
いつものように、吉良の就寝を見て、自室へやへ引きとろうとしていた糸重だった。軽くあらそった衣紋の崩れをなおして、夜着の裾のほうに、遠くすわっていた。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
おのれは、すとんと初太郎の部屋の縁へ降り立って、帯を解いてよ、二階の干台に長く二本に掛けてあるやつをするする引き下ろしてこっそり自室へやへ飛び帰ったに違えねえ。
自室へやへかつぎこまれるとまもなく、意識をとり戻したが、おのが不覚をふかく恥じるとともに、なにか考えるところがあるかして、駈けつけたお蓮様をはじめ介抱の弟子たちへ
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
このすさまじい道場の物音に、身をふるわせて自室へやにつっぷしていた萩乃。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)