“自”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みずか20.4%
おのずか19.0%
みづか12.1%
おのず11.8%
おの7.7%
おのづか6.2%
おのづ5.8%
みず5.6%
みづ2.0%
みづから1.9%
オノヅカ1.1%
みずから1.1%
0.8%
0.6%
うぬ0.5%
ひとり0.5%
0.3%
ひと0.3%
ミヅカ0.3%
オノズカ0.2%
おのれ0.2%
オノ0.2%
より0.1%
おのずから0.1%
おのづから0.1%
おわ0.1%
ひとりで0.1%
0.1%
われ0.1%
オノズ0.1%
オノヅ0.1%
ヒト0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
安「オヽ左様か、じゃアみずから稼いで苦しみ、金を貯めてなにかい身形を拵えて江戸へこうと云う訳か、どうも能く離縁が出たのう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
元義に万葉の講義を請ひしに元義は人丸ひとまろ太子たいし追悼の長歌を幾度も朗詠して、歌は幾度も読めばおのずから分るものなり、といひきといふ。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
然れども吾人、あに偏狭みづから甘んぜんや、凡そ道義を唱へ、正心せいしんを尊ぶもの、釈にも儒にもあれ、吾人いづくんぞ喜んで袂を連ねざらんや。
「平和」発行之辞 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
また上士のはいは昔日の門閥を本位に定めて今日の同権を事変と視做みなし、おのずからまた下士にむかって貸すところあるごとく思うものなれば
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
悶絶した尾張宗春が、おのずと蘇生したのである。茫然と四辺あたりを見廻した時、冷っこい物が手に触れた。気が付いて見ると一匹の小蛇!
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
六月十二日、予は独り新富座におもむけり。去年今月今日、予が手にたふれたる犠牲を思へば、予は観劇中もおのづから会心の微笑を禁ぜざりき。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
また夜更けに話すのと、白晝に話すのとは、おのづから人の氣分も違ふ譯ですから、勢ひ周圍にある天然をよそにする譯に行かないでせう。
小説に用ふる天然 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
小なる者は長添ながそえ山と為す、松倉伊賀の廃址はいしなり。山川の間人戸一千、士農あり、工商ありと。これ彼がみずから語れる故郷の光景なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
おゝ、自然しぜんてきたいして、みづから、罵倒ばたうするやうな木像もくざうでは、前方さき約束やくそくげんのも無理むりはない……駄物だもの駄物だもの駄物だもの
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みづからにても容されたのは、たれにも容されんのにはまさつてをる。又自ら容さるるのは、終には人に容さるるそれが始ぢやらうとふもの。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
日は仲春、空は雨あがりの、サワやかな朝である。高原カウゲンの寺は、人の住む所から、オノヅカら遠く建つて居た。唯凡タダオヨソ、百人の僧俗が、寺中ジチユウに起き伏して居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その時あたかも牡丹の花生けの傍に置いてあつた石膏せっこうの肖像を取つてその裏に「みずからだいす。土一塊牡丹生けたるその下に。年月日」
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
さるころはがきにて處用しよようと申こしたる文面ぶんめんおとことほりにて名書ながきも六ざうぶんなりしかど、手跡しゆせき大分だいぶあがりてよげにりしと父親ちゝおやまんより
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
がこころ寂び古びなばこのごときをさなき文はまた書かざらむ
慰めにも為りてやりたしと、人知らば可笑をかしかるべきうぬぼれも手伝ひて、おぬひの事といへば我が事のように喜びもしいかりもして過ぎ来つるを
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さんとしたおもてを——みだれ髪の毛を——大地に伏せてはいるけれど、心のうちには、何か寛々ひろびろとしたものがあった。ひとりでに可笑しくさえなる余裕があった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もと 虞初ぐしょりす〕といふに始り院本の名はきんに始まる事陶九成とうきゅうせいが『輟耕録てっこうろく』に「唐有伝奇。宋有戯曲渾詞説。金有院本雑劇其実一也。」〔とう伝奇でんきり。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
わしはひとりで合点しながら、その警察へでも出頭する気か、フラフラと立上って、歩き出そうとした。そして、ハッと我に返った。
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
萬法藏院の香殿・講堂・塔婆・樓閣・山門・僧房・庫裡、悉く金に、朱に、青に、晝よりイチジルく見え、ミヅカら光りを發して居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
子弟ノ衣食、オノズカ余饒ヨジョウアリ。臣ニ至リテハ、外ニ任アリ。別ノ調度ナク、身ニシタガウノ衣食、コトゴトク官ニ仰ゲリ。別ニ生ヲ治メテ以テ尺寸ヲ長ズルナシ。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その二枚なり三枚なりを斜に張ったり逆に張ったり、いろいろさまざまの張り方によって自由自在におのれの意志を先方へ伝えることが出来るのだそうです。
雑草一束 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
其波の青色の末が、オノづとし上る様になつて、頭の上まで拡がつて来てゐる空だ。其が又、ふりカヘると、地平をくぎる山の外線の、立ち塞つてゐる処まで続いてゐる。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
より四の橋いたる一の橋 明治四十一年十二月二十九日開通
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
去歳こぞの春すがもりしたるか怪しき汚染しみは滝の糸を乱して画襖えぶすま李白りはくかしらそそげど、たてつけよければ身の毛たつ程の寒さを透間すきまかこちもせず、かくも安楽にして居るにさえ、うら寂しくおのずからかなしみを知るに
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
立夫りつふの教にて、町屋村入口にて初て柳を見る。相州中人家柳を栽るを忌む。おのづから土地に少しと云ふ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ここにおいて文殊師利もんじゅしり維摩詰ゆいまきつに問う。我ら各自みなみな説きおわれり。仁者きみ、まさに説くべし。何等なにをかこれ菩薩、にゅう不二法門という。時に、維摩、黙然ことばなし。文殊師利嘆じて曰く善哉よきかな善哉。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それはひとりでに妾の口をほとばしり出でた言葉だったけれど、このとき云った、(どんなことをしてでも探しだしていただきたいわ)
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
身体強健、なおよくくわを執り、もっこにない、旦暮たんぼ灌漑かんがいしてずから楽んでおります。いわゆる老而益壮おいてますますさかんなると申すは、この人のいいでござりましょう。
禾花媒助法之説 (新字新仮名) / 津田仙(著)
婦人はとにもかくにも遣過やりすごせしが、又何とか思直おもひなほしけん、にはかに追行きて呼止めたり。かしら捻向ねぢむけたる酔客はくもれるまなこと見据ゑて、われひとかといぶかしさにことばいださず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
モトオノズカラ地獄ナシ
地獄 (新字旧仮名) / 神西清(著)
どうしても副産物が伴はるゝものとすれば、主産物との融合に努めて見ることも必要であり、又、その融合の程度によつて価値の増減もオノヅから生ずる訳である。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
統道眞傳卷首に聖人自然の眞道をアヤマる論と題し、劈頭先づ彼の自然觀を述べた句がある。——夫れ自然は始も無く終りも無し。ヒトハタラき他を俟つに非ず、自ら推して至るに非ず。
安藤昌益 (旧字旧仮名) / 狩野亨吉(著)