“自”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
みずか20.0%
おのずか19.2%
おのず12.3%
みづか11.8%
おの8.1%
おのづか6.5%
おのづ6.0%
みず4.9%
みづ2.1%
みづから1.6%
(他:57)7.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“自”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語10.9%
文学 > 日本文学 > 詩歌5.6%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆4.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
臍帯纏絡の変状は、御米が井戸端で滑って痛く尻餅しりもちいた五カ月前すでにみずかかもしたものと知れた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ある者は天をあおいで云う「あらずあらず。リチャードは断食だんじきをしてみずからと、命の根をたたれたのじゃ」と。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ひどく不器用な手振りでいながら、仕舞の心得があるとみえて、おのずから足の踏みようは確かだと老妓が感心したことがある。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まあ先をおきください。しまいまでお聴きくだされば、またおのずかわたしとは違ったお考が出るかもしれません」
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
丹青たんせい画架がかに向って塗抹とまつせんでも五彩ごさい絢爛けんらんおのずから心眼しんがんに映る。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なぜならば詩は文学であり、言語を用いる表現である故に、おのずから音楽と異なる独自のものが、別に特色さるべき筈である。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
そして別にさううまくならなくても、みづから楽しみ得さへすれば、社交ダンスの目的は終るのだから、それだけでもいゝのだ。
私の社交ダンス (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
強制きようせいせられて爲方しかたなしやつてゐるのと、みづかすゝんでやつてゐるのとちがふわけであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
今日も浅草へ行ったらどうかなるだろうという料簡りょうけんあんに働らいて、足がおのずとこっちに向いたのである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それにもかかわらず、感にえぬおもむきは少しも胸を刺さずに、四十四年の春はおのずから南向の縁から明け放れた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
是等の必要品に於て必らずおのづから給せらるゝところあるべし、之に加ふるに、主は常に彼と共にありて、勇気を与へ、力を与へ
主のつとめ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
せい王の顧命こめいそう子の善言に至つては、賢人のぶんおのづかまさに此の如くなるべきのみ。
知らぬうちとて、黙思逍遙の好地と思ひしところ、この物語を聞きてよりは、おのづからに足をそのあたりに向けずなりにき。
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
かくの如く路地は一種云ひがたき生活の悲哀のうちおのづから又深刻なる滑稽の情趣を伴はせた小説的世界である。
路地 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
第二条 心身の独立を全うし、みずから其身を尊重して、人たるの品位をはずかしめざるもの、之を独立自尊の人と云ふ。
修身要領 (新字旧仮名) / 福沢諭吉慶應義塾(著)
この機会きかいに乗じてみずから自家じかふところやさんとはかりたるものも少なからず。
すると按摩あんまわれながらちからのほどを、みづからこゝろみたことがないとふ。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みづからくま張殺はりころしたと名乗なのるのと、どちらが点首うなづかれるかはろんおよばぬ。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼の作こそは悉くわが空想の産みし所にして、描きたる人々の性格餘りに變化無しとの評ありし時われみづからも亦頷きたり。
いと淡き今宵の月の色こそ、その哀にも似たるやうに打眺うちながめて、ひとの憎しとよりはうたみづからを悲しと思続けぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
亀屋の亭主ていしゅに心そえられたるとは知らでみずから善事よきこと考えいだせしように吉兵衛に相談すれば、さて無理ならぬ望み
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
愛児を失ったホーキン氏はみずから一隊を引率し、海岸に添って南の方へ飛ぶようにして、下って行った。
この「とる」と「みる」との二つの観念の間に加つて来、又オノヅカら生じるものがあつて、唯とる・みるとの機械的な接合ではない。
日琉語族論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
この神と詞霊とはオノヅカら別であり、詞霊が進んで、八意思兼となつたとは言へないのである。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
読みさしてゆとりあるまのうらぎやが楽しみとふみは読みける
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
清明さやけかるけだし稀なりがためと草のいきれを汗してあるけり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
撮影さつえい技量ぎれうでは分が露骨ろこつにうまいなとおもはせられたからである。
そして、せう病膏肓やまひこうこうに入つたかなとやましくなると、なあに運動うんどうのためだといふ風に分で分にいひわけしてゐた。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
寝転んで、ほんを読んでいる間もふと、ニタリと、悪魔的な微笑ほほえみがひとりでにくちの辺へのぼってくる——
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——木牛流馬もくぎゅうりゅうばは入神の自動器械で、人の力を用いずひとりでに走った。「戎州志じゅうしゅうし
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うぬぼれ過ぎた為めに飛んだ失敗を演じる例は、世に間々ままあることですけれど、これはまた自ぼれのなさ過ぎた為の悲劇です。
日記帳 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
私は母から見れば妙な子と云われてもしかたがない、って云う事はうぬぼれのつよい自分でも知って居る。
妙な子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
萬法藏院の香殿・講堂・塔婆樓閣・山門僧房・庫裡、悉く金に、朱に、青に、晝よりイチジルく見え、ミヅカら光りを發して居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
しづかに しづかに雲はおりて來る。萬法藏院の香殿・講堂・塔婆・樓閣・山門・僧房・庫裡、悉く金に、朱に、青に、晝よりイチジルく見え、ミヅカら光りを發して居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
その二枚なり三枚なりを斜に張ったり逆に張ったり、いろいろさまざまの張り方によって自由自在におのれの意志を先方へ伝えることが出来るのだそうです。
雑草一束 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おのれ凍てて硬ばりし雪か岩角の犬羊歯を打てばしやきりしやきり白き
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
だが、凡夢は常に枕を襲うが、神夢はただ枕辺には下りて来ない。ましてや苦悩のからは、鶏がかえるがごとく、ひとりでには割れない。
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平素いつも威望ゐぼうと、蒼白な其時の父の顔の厳粛さがひとりでに群集の同情に訴へたのである。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
この已来このかた秋稼しうかに至り風雨ついでしたがひて五穀豊かにみのれり。此れすなはち誠をあらはし願をひらくこと、霊貺りやうきやう答ふるが如し。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
小説の語は張衡ちょうこうが『西京賦せいけいふ』に「小説九百本自虞初」〔小説 九百、もと 虞初ぐしょりす〕といふに始り院本の名はきんに始まる事陶九成とうきゅうせいが『輟耕録てっこうろく』に「唐有伝奇。宋有戯曲渾詞説。金有院本雑劇其実一也。」〔とう伝奇でんきり。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
其波の青色の末が、オノづとしあがるやうになつて、あたまの上までひろがつて来てゐる空である。
其波の青色の末が、オノづとし上る様になつて、頭の上まで拡がつて来てゐる空だ。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「——安禅アンゼン必ズシモ山水ヲモチイズ。心頭シントウ滅却メッキャクスレバ火モオノズカラ涼シ。カツ
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
カイニ映ズ 碧草ヘキソウオノズカ春色シュンショク
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たてつけよければ身の毛たつ程の寒さを透間すきまかこちもせず、かくも安楽にして居るにさえ、うら寂しくおのずからかなしみを知るに
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「程谷駅中より左に折れ、金沢道にかかる。肩輿二を倩ひ、三里半の山路屈曲高低を経歴す。左右瞿麦なでしこ百合の二花紅白粧点す。能見堂眺望不待言。樹陰涼爽可愛。立夫りつふの教にて、町屋村入口にて初て柳を見る。相州中人家柳を栽るを忌む。おのづから土地に少しと云ふ。」立夫は枳園のあざなである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
我ら各自みなみな説きおわれり。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それはひとりでに妾の口をほとばしり出でた言葉だったけれど、このとき云った、(どんなことをしてでも探しだしていただきたいわ)という言葉が、後になってまさか大変な妾への重荷になろうとは露ほども気がつかなかった。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
より四の橋いたる一の橋 明治四十一年十二月二十九日開通
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
より一ノ橋いたる赤羽橋 明治四十二年六月二十二日開通
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
かしら捻向ねぢむけたる酔客はくもれるまなこと見据ゑて、われひとかといぶかしさにことばいださず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
モトオノズカラ地獄ナシ
地獄 (新字旧仮名) / 神西清(著)
どうしても副産物が伴はるゝものとすれば、主産物との融合に努めて見ることも必要であり、又、その融合の程度によつて価値の増減もオノヅから生ずる訳である。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)