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みづから
ふりがな文庫
“
自
(
みづから
)” の例文
自
(
みづから
)
にても容されたのは、
誰
(
たれ
)
にも容されんのには
勝
(
まさ
)
つてをる。又自ら容さるるのは、終には人に容さるるそれが始ぢやらうと
謂
(
い
)
ふもの。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
今の青年で、世間より以外に
自
(
みづから
)
がある筈がないと言つてゐるものさへある。世間即ち自己であればそれで足りるやうな青年が多い。
解脱非解脱
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
刃
(
は
)
鈍
(
にぶ
)
る時は
貯
(
たくは
)
へたる
砥
(
と
)
をもつて
自
(
みづから
)
研
(
と
)
ぐ。此
道具
(
だうぐ
)
も
獣
(
けもの
)
の
皮
(
かは
)
を以て
鞘
(
さや
)
となす。此者ら春にもかぎらず冬より山に入るをりもあり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
然れども余は
自
(
みづから
)
左迄に藝術批判の眼識低き者とは思はず、人の呼んで先生を不眞面目なりとなす時、先生の眞面目を叫んで誇らんとするものなり。
貝殻追放:003 「文明一周年の辞」を読みて
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
芸術の影響に全然無頓着な人間でないと
自
(
みづから
)
を証拠
立
(
だ
)
てる丈でも三四郎は風流人である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
かうして判決はして置くが、此判決の儘には執行されないだらうと、裁判官
自
(
みづから
)
がある予想を打算して居たんだと云ふ疑惑が、続いて起つて来べき筈だ。君の疑問を推論して行けばだね。
逆徒
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
翁これを納めて、
二九三
祝部
(
はふり
)
らにわかちあたへ、
自
(
みづから
)
は一
疋
(
むら
)
一
屯
(
つみ
)
をもとどめずして、豊雄にむかひ、
二九四
畜
(
かれ
)
你
(
なんぢ
)
が
秀麗
(
かほよき
)
に
姧
(
たは
)
けて
二九五
你を
纏
(
まと
)
ふ。你又
畜
(
かれ
)
が
仮
(
かり
)
の
化
(
かたち
)
に
魅
(
まど
)
はされて
二九六
丈夫
(
ますらを
)
心なし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
それのみならず、孝経にも、
身体髪膚之
(
しんたいはつぷこれ
)
を父母に受く、
敢
(
あへ
)
て
毀傷
(
きしやう
)
せざるは孝の始なりとある。
自
(
みづから
)
、好んでその身体を、虱如きに食はせるのは、不孝も亦甚しい。だから、どうしても虱狩るべし。
虱
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
釋迦佛は誕生したまひて七歩し、口を
自
(
みづから
)
開
(
ひら
)
いて、
天上天下唯我獨尊
(
てんじやうてんかゆゐがどくそん
)
、三
界皆苦我當度
(
がいかいぐがたうど
)
。
之
(
こ
)
の十六字を
唱
(
とな
)
へ給ふ。今の月滿御前は、うまれ給ひてうぶごゑ(初聲)に南無妙法蓮華經と唱へ給ふ歟。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
來
(
く
)
る
可
(
べ
)
き
船
(
ふね
)
の
來
(
こ
)
ぬ
塲合
(
ばあひ
)
には、それを
以
(
もつ
)
て
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
の
運命
(
うんめい
)
を
卜
(
ぼく
)
し、
自
(
みづから
)
も
亦
(
ま
)
た
天運
(
てんうん
)
の
盡
(
つき
)
と
諦
(
あきら
)
めて、
其時
(
そのとき
)
は
最後
(
さいご
)
の
手段
(
しゆだん
)
、
乃
(
すなは
)
ち
海賊船
(
かいぞくせん
)
とか
其他
(
そのた
)
強暴
(
きようぼう
)
なる
外國
(
ぐわいこく
)
の
軍艦等
(
ぐんかんとう
)
に、
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
覺
(
さと
)
られぬが
爲
(
ため
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
急ぎ我首を取て、殺生関白の名を後代までさらし給ふべし、敵の首をとらん事は思ひもよらざる事也、此職に在ては、天下の邪法を正し給はんこそ、国たましゐの役なるべきに、
自
(
みづから
)
邪法を行ひ給ふ事
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
懼
(
おそろ
)
しき「
疑
(
うたがひ
)
」は、
噫
(
ああ
)
、
自
(
みづから
)
の身にこそ宿れ
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
彼の作こそは悉くわが空想の産みし所にして、描きたる人々の性格餘りに變化無しとの評ありし時われ
自
(
みづから
)
も亦頷きたり。
貝殻追放:008 「その春の頃」の序
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
彼は親友の前に
自
(
みづから
)
の影を
晦
(
くらま
)
し、その消息をさへ知らせざりしかど、陰ながら荒尾が動静の
概略
(
あらまし
)
を伺ふことを怠らざりき、こ
回
(
たび
)
その参事官たる事も
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
親をころしたるゆゑ
自
(
みづから
)
県
(
けん
)
にいたりて事の
由
(
よし
)
をつげたる事など○
広異
(
くわうい
)
記○
宣室志
(
せんしつし
)
を引てしるせり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
物数奇ならば当人の随意だが、もし必要に
逼
(
せま
)
られて、郊外に
自
(
みづから
)
を放逐したとすると、甚だ気の毒である。聞く所によると、あれ丈の学者で、月にたつた五十五円しか、大学から貰つてゐないさうだ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いと淡き今宵の月の色こそ、その哀にも似たるやうに
打眺
(
うちなが
)
めて、
他
(
ひと
)
の憎しとよりは
転
(
うた
)
た
自
(
みづから
)
を悲しと思続けぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
親をころしたるゆゑ
自
(
みづから
)
県
(
けん
)
にいたりて事の
由
(
よし
)
をつげたる事など○
広異
(
くわうい
)
記○
宣室志
(
せんしつし
)
を引てしるせり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
井元は日華洋行の營業成績が面白く無く、方々へ不義理が出來た上、最近不渡手形を出したのが世上の噂になると、根が善良過る位善良な人間だから、おもひつめて
自
(
みづから
)
命を絶つたのだ。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
此の集收むるところの作品の過半は今日までに發表したる余の作品中最も厭ふべく忌むべきものと
自
(
みづから
)
おもへるところのものにしていづれは昨日の事の悔まれぬはなきが中にもかゝる作品を
貝殻追放:009 「心づくし」の序
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
芭蕉
(
はせを
)
とは
草庵
(
さうあん
)
に芭蕉を
植
(
うゑ
)
しゆゑ人よりよびたる名の
后
(
のち
)
には
自
(
みづから
)
号
(
がう
)
によべり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
その中に書いてある事は自分が想像もしなかつた意外千萬なもので、殊に自分を驚かしたのは文中所謂青年文士の談話として、自分が廢嫡されるかどうかといふ問題を
自
(
みづから
)
論じてゐる事であつた。
貝殻追放:002 新聞記者を憎むの記
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
芭蕉
(
はせを
)
とは
草庵
(
さうあん
)
に芭蕉を
植
(
うゑ
)
しゆゑ人よりよびたる名の
后
(
のち
)
には
自
(
みづから
)
号
(
がう
)
によべり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
○さて
我
(
わが
)
駅中
(
えきちゆう
)
に稲荷屋喜右エ門といふもの、石綿を
紡績
(
はうせき
)
する事に
千思
(
せんし
)
万
慮
(
りよ
)
を
費
(
つひや
)
し、
竟
(
つひ
)
に
自
(
みづから
)
その術を得て火浣布を織いだせり。又其頃我が
近村
(
きんそん
)
大沢村の医師黒田
玄鶴
(
げんくわく
)
も同じく火浣布を織る術を
得
(
え
)
たり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
“自”を含む語句
自分
自然
自動車
自由
各自
自家
自己
自身
自暴自棄
自白
自然生
自惚
自宅
不自由
乗合自動車
耳面刀自
自若
自然薯
自儘
自鳴鐘
...