“自然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しぜん54.7%
ひとりで17.4%
おのず8.9%
じねん6.8%
おのずから4.2%
おのづ2.5%
おのづから1.3%
ひとり0.8%
おまえ0.4%
しねん0.4%
じぜん0.4%
スポンテニアス0.4%
ナツール0.4%
ネイチュア0.4%
ネーチュール0.4%
レアール0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
になると、屋根れました。は、ときどき、それらのうつりかわる自然して、ぼんやりながめましたが
ちょうと三つの石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
M先生の歿後、思いがけなく自然に地位の押し進められていることは、自分の才分に自信のない笹村にとって、むしろ不安を感じた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
其の代りに、つい二三十年前のような詩的の旅行は自然と無くなったと申して宜しい、イヤ仕様といっても出来なくなったのであります。
旅行の今昔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これと云う句切りもなく自然りて、いつの間にか消えるべき現象には、われもまたを縮め、いて、心細さの細さが細る。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一家く離散して、その跡は今や坂川牛乳店の荷車置場になっている。長唄の師匠と牛乳商自然なる世の変化を示しているのも不思議である。
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
丑松は仙太を背後から抱〆て、誰が見ようと笑はうと其様なことに頓着なく、自然外部に表れる深い哀憐情緒を寄せたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
女なれば髪の毛をむならんと毛をにからみてりしに、自然ふところに入りて手にとゞまらず。とかくしてりをはり、わづかすこしの毛はやうやくとりとゞめつ。
とはたうとして自然く——なるるがく、つて、晃々つた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さて、死切ったらしいで四十二つときは、氣持からむるやうに、自然きさッしゃらう。るに、翌朝、あの新郎殿ひにとてするころは、んでゐる。
対岸の支那領に属する地は赭色をした自然の禿山であるのに香港側はく人為で飾られた山だ。人間が自然を改造し得た偉観を見ると肩身の広くなる心地がする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
なおこれらの元素は必ずしも不変なものではなくて、たとえば放射性物質のごとく、時とともに自然崩壊変遷する可能性を持つものと想像する。
自然が元素を分離した。すなわち、地を天(空気)と水から分ち、精微な空気(エーテル)を粗鬆な(普通の)空気から取り分けた。『重量のない』火は最高の天の区域に上昇した。
自然よ! と眼をあげた刹那、映じた風景は、むろん異国的ではありながら、その未生前とでもいいますか、どこかで一回はめたことがあるという感懐が、肉体をれさせるほど
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
やれ自然がどうだの、石狩川は洋々とした流れだの、見渡すかぎり森又た森だの、堪ったもんじゃアない! 僕は全然まいッちまいました。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
即ち或る人々は、俳句を以て単に象徴主義の徹底した表現と解しており、自然に於ける真実のえ、物如の智慧深い描写をすることで、表現の本意が尽きると考えている。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)