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おのづ
ふりがな文庫
“
自然
(
おのづ
)” の例文
丑松は仙太を
背後
(
うしろ
)
から
抱〆
(
だきしめ
)
て、誰が見ようと笑はうと
其様
(
そん
)
なことに頓着なく、
自然
(
おのづ
)
と
外部
(
そと
)
に表れる深い
哀憐
(
あはれみ
)
の
情緒
(
こゝろ
)
を寄せたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
潜
(
くゞ
)
りしとか申程に
賤
(
いや
)
しく見えし
由
(
よし
)
然
(
さ
)
すれば
貴公樣
(
あなたさま
)
などは御
體
(
なり
)
は見惡ふ
入
(
いら
)
せられても
泥中
(
でいちう
)
の
蓮華
(
はちす
)
とやらで御人品は
自然
(
おのづ
)
から
瓦
(
かはら
)
と玉程に違ふを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
申上
(
まをしあ
)
げたて。……なれども
唯
(
たゞ
)
差置
(
さしお
)
いたばかりでは
鷺
(
さぎ
)
が
翼
(
つばさ
)
を
開
(
ひら
)
かぬで、
人
(
ひと
)
が
一人
(
ひとり
)
乗
(
の
)
る
重量
(
おもみ
)
で、
自然
(
おのづ
)
から
漕
(
こ
)
いで
出
(
で
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
自然
(
おのづ
)
と何処かに
稜角
(
かど
)
あるは問はずと知れし胸の中、若しや源太が清吉に内〻含めて為せし歟と疑ひ居るに極つたり。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
自然
(
おのづ
)
と
外部
(
そと
)
に表れる苦悶の情は、頬の色の若々しさに交つて、一層その男らしい
容貌
(
おもばせ
)
を
沈欝
(
ちんうつ
)
にして見せたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
雲霧
自然
(
おのづ
)
と消え行けば、岩角の苔、樹の姿、ありしに変らで
眼
(
まなこ
)
に遮るものもなく、たゞ冬の日の暮れやすく彼方の峯に
既
(
はや
)
没
(
い
)
りて、梟の
羽翥
(
はばたき
)
し初め、空やゝ暗くなりしばかりなり。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
『あツ、』と
叫
(
さけ
)
んで、
背後
(
うしろ
)
から
飛蒐
(
とびかゝ
)
つたが、
最
(
も
)
う
一足
(
ひとあし
)
の
処
(
ところ
)
で
手
(
て
)
が
届
(
とゞ
)
きさうに
成
(
な
)
つても、
何
(
ど
)
うしても
尾
(
を
)
に
及
(
およ
)
ばぬ……
牛
(
うし
)
は
急
(
いそ
)
ぐともなく、
動
(
うご
)
かない
朧夜
(
おぼろよ
)
が
自然
(
おのづ
)
から
時
(
とき
)
の
移
(
うつ
)
るやうに
悠々
(
いう/\
)
とのさばり
行
(
ゆ
)
く。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
噫
(
あゝ
)
、生徒の顔も見納め、教室も見納め、今は最後の稽古をする為に
茲
(
こゝ
)
に立つて居る、と
斯
(
か
)
う考へると、
自然
(
おのづ
)
と丑松は胸を踊らせて、熱心を顔に表して教へた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
平日
(
ふだん
)
ならば南蛮和尚といへる諢名を呼びて戯談口きゝ合ふべき間なれど、本堂建立中朝夕顔を見しより
自然
(
おのづ
)
と
狎
(
な
)
れし馴染みも今は薄くなりたる上、使僧らしう威儀をつくろひて
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ふけ行くまゝに霜冴えて
石床
(
せきしやう
)
いよ/\冷やかに、
万籟
(
ばんらい
)
死して落葉さへ動かねば、
自然
(
おのづ
)
と
神
(
しん
)
清
(
す
)
み
魂魄
(
たましひ
)
も氷るが如き心地して何とはなしに物凄まじく、尚御経を細〻と誦しつゞくるに
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
正しく論じたらば、惜福が必らずしも消極的ならず、分福が必らずしも積極的では有るまいが、
自然
(
おのづ
)
と惜福と分福とは相對的に消極積極の觀をなして居る。惜福は既に前に説いた如くである。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
主人
(
あるじ
)
が浮かねば女房も、何の罪なき
頑要
(
やんちや
)
ざかりの猪之まで
自然
(
おのづ
)
と浮き立たず、淋しき貧家のいとゞ淋しく、
希望
(
のぞみ
)
も無ければ
快楽
(
たのしみ
)
も一点あらで日を暮らし、暖味のない夢に物寂た夜を明かしけるが
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
“自然”の解説
自然(しぜん、el: φύσις la: natura en: nature)について解説する。
(出典:Wikipedia)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“自然”で始まる語句
自然薯
自然石
自然木
自然生
自然界
自然淘汰
自然物
自然法爾
自然現象
自然霊