“没”のいろいろな読み方と例文
旧字:沒
読み方割合
ぼっ31.6%
な25.3%
い10.1%
ぼつ7.6%
かく6.3%
なくな5.1%
なく2.5%
おわ1.3%
う1.3%
うず1.3%
うづ1.3%
き1.3%
しず1.3%
はま1.3%
みまか1.3%
イ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「見よ、見よ。凶雲(きょううん)没(ぼっ)して、明星(みょうじょう)出づ。白馬(はくば)翔(か)けて、黄塵(こうじん)滅(めっ)す。——ここ数年を出でないうちじゃろう。青年よ、はや行け。おさらば」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は狐仙(こせん)だよ。百年前、お前さんのお祖父(じい)さんに可愛がられてたが、お祖父さんが没(な)くなったので、私もとうとう身を隠してしまった。
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
それ故蛇を殺すにはなるべく多くの細片に切り剉(きざ)めばことごとく継ぎ合うに時が掛かる、その内に日が没(い)るから死んでしまうそうじゃ。
百樹(もゝき)曰、唐土(もろこし)にも弘智(こうち)に似(に)たる事あり。唐の世の僧義存(ぎそん)没(ぼつ)してのち尸(しかばね)を函中(はこのなか)に置(おき)、毎月其徒(でし)これをいだし爪髪(つめかみ)の長(のび)たるを剪薙(はさみきるを)常(つね)とす。
そうなると、その大※(いりやま)の頂上(いただき)が、全く鼻翼(こばな)の裾(すそ)に没(かく)れてしまって、そこと鼻筋の形とが、異様に引き合い対照を求めて来る。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
新吉お賤の逃去りましたのは固(もと)より不義淫奔(いたずら)をしていて名主様が没(なくな)ると、自分達は衣類や手廻りの小道具何や彼(か)やを盗んでいなく成ったに相違ない。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
早くお没(なく)なりになり、お母様も直ぐ死んでおしまいになったので、まだ小さい政子さんはたった一人ぼっちの可哀そうな子供になってしまいました。
いとこ同志 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「君子は世を没(おわ)るも」云々は『論語』衛霊公(えいれいこう)篇に君子を規定する他の四章と相並んでいる独立の章であって、『春秋』の述作と関係があるというごとき痕跡(こんせき)は全然ない。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
あの颺々(ようよう)として芸術三昧(ざんまい)に飛揚して没(う)せた親友の、音楽が済み去ったあとで余情だけは残るもののその木地(きじ)は実は空間であると同じような妙味のある片付き方で終った。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ただただ鑿(のみ)をもってはよく穿(ほ)らんことを思い、鉋(かんな)を持ってはよく削らんことを思う心の尊(たっと)さは金にも銀にも比(たぐ)えがたきを、わずかに残す便宜(よすが)もなくていたずらに北邙(ほくぼう)の土に没(うず)め
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
鉋(かんな)を持つては好く削らんことを思ふ心の尊さは金にも銀にも比(たぐ)へ難きを、僅に残す便宜(よすが)も無くて徒らに北邙(ほくばう)の土に没(うづ)め、冥途(よみぢ)の苞(つと)と齎し去らしめんこと思へば憫然(あはれ)至極なり、良馬主(しゆう)を得ざるの悲み
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
手触れ得ず十字燐光、 大盗は礼して没(き)ゆる。
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
普通に『前漢書』列伝李広善く射る、出猟し草中の石を見て虎と思い射て石に中(あ)て矢をい没(しず)む、見れば石なり。
野辺へ出てあちらへ走りこちらへ走り、時には水の中に没(はま)り込んで濡れ鼠になったその着物を脱いで乾かし、自分は裸体(はだか)で走って居る子供を折々見るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
悼(いた)はしや花瀬は、夫の行衛(ゆくえ)追ひ駆けて、後(あと)より急ぐ死出(しで)の山、その日の夕暮に没(みまか)りしかば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
きらめきて没(イ)りし日を 思ふなり
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)