“埋没”のいろいろな読み方と例文
旧字:埋沒
読み方割合
まいぼつ92.9%
うづも7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
是には幸いにしてまだ有形無形の史料が、必ずしも埋没まいぼつしきってはいない。ただ統一時代における我々の関心が、法外に乏しかったのである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
幸福な融和よりも、窒息ちっそくしそうな埋没まいぼつしか、私にはあたえられない。歓びとともにその幻影に自分の核までを解消してしまう力が、私には欠けているのだ。
軍国歌謡集 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
学校から帰へつて、蓮華寺の二階へ上つた時も、風呂敷包をそこへ投出はふりだす、羽織袴を脱捨てる、直に丑松は畳の上に倒れて、放肆ほしいまゝな絶望に埋没うづもれるの外は無かつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
毎年まいとし降る大雪が到頭たうとうやつて来た。町々の人家も往来もすべて白く埋没うづもれて了つた。昨夜一晩のうちに四尺あまりも降積るといふ勢で、急に飯山は北国の冬らしい光景ありさまと変つたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)