“はま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハマ
語句割合
34.4%
20.9%
10.4%
6.1%
4.9%
横浜4.3%
4.0%
3.1%
3.1%
刃交1.2%
0.9%
0.6%
穿0.6%
葉巻0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
破魔0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
適当0.3%
陥没0.3%
陷沒0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その錯覚さっかくは、次の驚きで、瞬間にケシ飛ばされた。鉄棒のはまっている石倉の採光窓さいこうまどの外へ、白い女の顔が、落ッこちたように隠れた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
右は湖水の三津みつはま、左は叡山延暦寺えいざんえんりゃくじへの登り坂。人々の着ているみのは、吹きおろす風、返す風に、みな針鼠はりねずみのようにそよぎ立った。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それだのに早くから文学にはまって始終空想のうちつかっていたから、人間がふやけて、秩序だらしがなくなって、真面目になれなかったのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
着いたな、と思って、馬車の外側に垂れている幕を上げて見ると、間口にずっとガラス戸のはまっている宿屋の前に停っていた。
香油 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
又、萬有のすぐれてめでたき事もくうにはあらず又かのうつ蘆莖あしぐきそよぎもくうならず、裏海りかいはまアラルのふもとなる古塚ふるづかの上に坐して
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
警察屯所から命令されて来た犯人の顔を、直接見て知っているのは、田辺刑事だけで、横浜はまの警察屯所にも一人もいなかったからである。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見給え、ちょうどスープ鍋が半分ほどスポリとはまるようになって上の方に小さなあながポツポツいている。形状は先ず太鼓胴たいこどうで深さが非常に深い。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
鉄砂の破片が、顔一面に、そばかすのようにはまりこんだ者は爆弾戦にやられたのだ。挫折や、打撲傷は、顛覆された列車と共に起ったものだ。
氷河 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
「いずくへ? とは、はて知れたこと。隠密に出るのだ。あんまり、柄にはまった役割りでもねえがの。」
口笛を吹く武士 (新字新仮名) / 林不忘(著)
二度目の気合をうけると、彼はまだ一太刀の刃交はまぜもせぬうちに、タラタラと鬢や額の根から冷たいあぶらの汗。面は蒼白。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さアお座敷へお出でなさいよと云われた日にゃア仕方がない、いかに小主水の花魁でも斯うなったら何うも仕様があるまい、事がグレはまとなった時は馬鹿を見るのがおいら一人だ
をひかれたさうですが、よくかははまらないで、はしたすかりましたよ。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
手套てぶくろ穿はまつた掌面てのひらでそつと顔を撫でまはした。小僧はとうと切り出した。
愛想あいそよくいつもにこにこして、葉巻はまきのたばこを横にくわえ、ざるをうって不平ふへいもぐちもなかった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「今年は、めた水にたたとしだのう、こないだも工女が二人河へはまって死んだというのに、また、こんなことがある」「南無阿弥陀仏なむあみだぶつ。南無阿弥陀仏」「オイ何だい、情死しんじゅうかね」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
白糸は猿轡さるぐつわはまされて、手取り足取り地上に推し伏せられつ。されども渠は絶えず身をもだえて、えさんとしたりしなり。にわかに渠らの力はゆるみぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたくしは其時揃ひの法被はつぴをきた馬丁の一人が、わたくしの家の生垣の裾に茂つてゐた笹の葉を抜取つて馬にはませてゐたのと
冬の夜がたり (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
もしや、河にでもはまったのじゃねえか、人に斬られたのじゃあるまいかと、そればかりが苦に病まれて、この頃は、仕事にも張合いが出ない。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マーキュ へん「くろねずみ」とりゃ夜警吏よまはり定文句きまりもんくぢゃが、もしも足下きみが「黒馬くろうま」なら、「ぬま」からではなく、はて、恐惶おほそれながら、足下きみくびッたけはまってゐるこひ淵樣ふちさまから引上ひきあげてもやらうに。
野辺へ出てあちらへ走りこちらへ走り、時には水の中にはまり込んで濡れ鼠になったその着物を脱いで乾かし、自分は裸体はだかで走って居る子供を折々見るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
城下ちかいを為すの恥を思わず、かえって忠貞をとらえて忌疑きぎを抱く。白映ペートルさかいを議す長崎の港、聖東ワシントン地をる下田のはま
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
此処こゝこして来ましたのはぜん申上げました右京様の御家来藤原喜代之助で、若気わかげの至りに品川のあけびしのおあさと云う女郎にはまり、御主人のお手許金てもときんつかい込み、屋敷を放逐ほうちく致され
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
はま眞砂まさご乾上ひあがときは、たのしさうにも雲雀ひばりのやうに
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
気は心だからあの児へ何かお歳暮をやらなくちゃあ……女の子達には出ず入らずで一様に羽子板がいいけれど、腕白わんぱくにはやはり破魔はまの弓かしら?
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それに願掛がんがけが利くだねえ、亭主が道楽ぶって他の女にはまってうちけえらぬ時は、女房が心配しんぺえして、何うか手の切れる様にねげえますと願掛すると利くてえ、妙なもので
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それは生国魂いくたま神社の境内の、さんがんでゐるといはれてこはくて近寄れなかつたくすの老木であつたり、北向八幡の境内の蓮池にはまつた時に濡れた着物を干した銀杏いちやうの木であつたり
木の都 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)
そうして痛い腹をかかえながら、膏汗あぶらあせになって歩いたくらいである。鶏冠山けいかんざんを下りるとき、馬の足掻あがきが何だか変になったので、気をつけて見ると、左の前足の爪の中に大きな石がいっぱいにはまっていた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうとすれば汚れの着きにくい服の色といい好みといい、丁度その職業にシックリと適当はまるものである。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
よろしい、わたしいまじつもっにっちもさっちもかん輪索わな陥没はまってしまったのです。もう万事休矣おしまいです覚悟かくごはしています。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
よろしい、わたしいまじつもつにつちもさつちもかん輪索わな陷沒はまつてしまつたのです。もう萬事休矣おしまひです覺悟かくごはしてゐます。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)