“はめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
羽目46.2%
破目33.6%
板目4.2%
破滅4.2%
3.5%
羽目板1.4%
1.4%
嵌目0.7%
0.7%
機会0.7%
端目0.7%
0.7%
0.7%
結果0.7%
運命0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
羽目はめには、天女——迦陵頻伽かりょうびんが髣髴ほうふつとして舞いつつ、かなでつつ浮出うきでている。影をうけたつかぬきの材は、鈴と草の花の玉の螺鈿らでんである。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私を此のような破目はめに追いこんだ何物かに、私は烈しい怒りを感じた。突然するどい哀感が、胸に湧き上った。何もかも、徒労とろうではないか。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
角を家の板目はめにつきかけた事も、一度や二度ではない。その上、ひづめの音と、鳴く声とは、うすい夜の霧をうごかして、ものものしく、四方あたりに響き渡つた。
煙草と悪魔 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「では、すぐそこに。ああ、おなつかしい! こんな破滅はめでねえならば、たった一目でも」
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのころ、神月に送った手紙の束が、別荘の大谷石の壁暖炉の、はめこみになったところに放りこんであることを知っていたが、どんなに頼んでも、返してくれなかった。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
打つ墨縄の曲ることはあれ万が一にも後れを取るようなことは必ず必ずないと思えど、年が年中長屋の羽目板はめの繕いやら馬小屋箱溝はこどぶの数仕事
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
混堂ゆやつゞきて厨処だいどころあり、かまどにも穴ありて地火を引て物をにることたきゞに同じ。次に中のあり、ゆかの下より竹筩たけつゝを出し、口には一寸ばかりあかゞねはめて火をいださしむ。
もし怪しい奴とにらまれて、町奉行の手にでも引渡されたら……そして、どうしても密事を吐かねばならぬような嵌目はめおちいったら……
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
兄に打明けて、兄から同情と激励げきれいの言葉でも受けようと思っていたのに、かえってこちらの勇気をくじかれたばかりか、あんな一時のがれの嘘まで吐かなければならぬ嵌目はめおちいってしまった。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
探偵は死骸の着物の衣嚢から何やらしなびた様な物を取り出した、熟く見ると彼の松谷秀子が左の手にはめて居た異様な手袋である
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
頓て其の手を見ると、着物の怪しさを忘れて仕舞った、左右とも手袋をはめては居るが左の手には異様な飾りが附いて居る、細かな金の鎖を網に編み、所々へ真珠を繋いで有って
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「それほどまでに思っていらしったものが、一体まあどうして別れなければならない機会はめになったのでしょう、何かそれには深い仔細があったのでしょうが。」
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この横光氏が、日本というものについての複雑きわまる質問に、彼の標準による作家らしさ、手際よさで答えなければならない端目はめにおかれたのである。焦慮察すべきものがある。
見るに身は細引ほそびきにて縛られ口には猿轡をはめてあり友次郎は見も悼ましくまづしばりし繩を解捨ときすて猿轡さるぐつわをものくるにとく手遲しとお花は友次郎に抱付いだきつき流石さすがに餘處を兼しか聲をも立ず泣けるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
外部そとには穏やかな日が、障子にはめめた硝子越ガラスごしに薄く光っていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
持ち込んできたかも解らないですが、これが表沙汰になると、どんな結果はめになるかも解りませんから、廷章の方へ、じかにわたりをつけようじゃありませんか
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
贈太政大臣信長の婿たる此の忠三郎がよし無き田舎武士いなかざむらい我武者がむしゃ共をも、事と品によりては相手にせねばならぬ、おもしろからぬ運命はめに立至ったが忌々いまいましい、と胸中のうつをしめやかにらした。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)