“徒労”のいろいろな読み方と例文
旧字:徒勞
読み方割合
とろう56.3%
むだ25.0%
ただ6.3%
だめ6.3%
とらう6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かつまたこの代赭色の海を青い海に変えようとするのは所詮しょせん徒労とろうおわるだけである。それよりも代赭色の海のなぎさに美しい貝を発見しよう。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
友達の好意は幸い徒労むだにならずに済んだ。健三の借り受けた四百円の金が、細君の父の手に入ったのは、それから四、五日経ってのちの事であった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「調べに行くんなら調査旅費を出させなさいな。いつかの川越みたいに、持ち出しの徒労ただ帰りじゃあ……」
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
けれども徒労だめだった。
乞食 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
しかし畢竟ひつきやう徒労とらうであつた。彼は作家としては出直すより外なかつた。世間人としては、余りに子供じみて、筆が利かなさすぎた。兄はそのやくざな弟をよく面倒を見てくれた。そして慰め励ました。
(新字旧仮名) / 徳田秋声(著)