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徒労
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とろう
ふりがな文庫
“
徒労
(
とろう
)” の例文
旧字:
徒勞
かつまたこの代赭色の海を青い海に変えようとするのは
所詮
(
しょせん
)
徒労
(
とろう
)
に
畢
(
おわ
)
るだけである。それよりも代赭色の海の
渚
(
なぎさ
)
に美しい貝を発見しよう。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私を此のような
破目
(
はめ
)
に追いこんだ何物かに、私は烈しい怒りを感じた。突然するどい哀感が、胸に湧き上った。何もかも、
徒労
(
とろう
)
ではないか。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
『恋は、
戦
(
いくさ
)
ではないはずです。そんなお考えは持たぬがよい。
某
(
それがし
)
の気持が
徒労
(
とろう
)
になる。——又、そこもとの
厳父
(
げんぷ
)
、越前守殿の死もむだになる』
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この島へも、ドイツ側は上陸して、なるべく人目にたたないように城塞へ入り込み、いろいろ調べもしたが、ついに宝探しは
徒労
(
とろう
)
に終ったんだそうだ。
暗号音盤事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
清三は田舎の小学校の小さなオルガンで学んだ研究が、なんの役にもたたなかったことをやがて知った。一生懸命で集めた歌曲の譜もまったく
徒労
(
とろう
)
に
属
(
ぞく
)
したのである。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
これまた
止
(
や
)
むを得ざる
次第
(
しだい
)
なれども、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に明治年間にこの文字を記して二氏を論評したる者ありといえば、また
以
(
もっ
)
て後世士人の風を
維持
(
いじ
)
することもあらんか、
拙筆
(
せっぴつ
)
また
徒労
(
とろう
)
にあらざるなり。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「無用無用。何で来たか知らぬが取次はできぬ。おそらくはまた信長どのの使いで、説客に見えたのであろう。度々の
徒労
(
とろう
)
、むだなことだ、立ち帰れッ」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伊那丸よ——おまえのいま
望
(
のぞ
)
んでいることは
無益
(
むえき
)
であるぞ、
徒労
(
とろう
)
であるぞ、
幻滅
(
げんめつ
)
をもとめているにすぎないぞよ、そして、そんなことをしているまに、
留守
(
るす
)
の
小太郎山
(
こたろうざん
)
の
砦
(
とりで
)
は、
徳川家康
(
とくがわいえやす
)
におそわれて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さすれば、伊丹城へ使いを向けても、
徒労
(
とろう
)
というか」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
徒
常用漢字
小4
部首:⼻
10画
労
常用漢字
小4
部首:⼒
7画
“徒労”で始まる語句
徒労力