“戦”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
おのの27.0%
いくさ25.0%
そよ19.7%
たたか7.5%
たたかい5.7%
わなな3.0%
ふる2.5%
をのゝ1.7%
をのの1.2%
たたかひ1.0%
いく1.0%
たゝかひ0.7%
おのゝ0.6%
せん0.5%
そよぎ0.4%
わなゝ0.4%
たゝか0.4%
たゝかい0.2%
0.2%
たたかっ0.1%
おの0.1%
おののき0.1%
おび0.1%
たたこ0.1%
たゝかつ0.1%
をの0.1%
ソヨ0.1%
ヲノノ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
儀右衛門はそこでハッとなり、鋭い苦痛を思って、いた。彼は夜具に触れる衣擦れにも、めいた熱っぽさを覚えるのだった。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
二つにはさわぎに馴れきって、英国の商人たちのように business as usual と悟りすましていたのであった。
三浦右衛門の最後 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
青い海のような空に、月が出て、里川縁の柳の木の枝についている細かな葉が、風にいで、うす闇の間から、蝙蝠が飛び出て来る。
単純な詩形を思う (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そんなに、おをいわれるとります。は、良心が、不正さないために、いましたばかりです。」と、若者えました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その兵七百余騎志を合わせ、決死を以て当手に向わば、当手の兵大半は討たれるであろう。関東討伐、朝権恢復、このを以て決しはせぬ。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
花で夜更しをして、今朝また飲んだ朝酒のいのさめかかって来た浅井は、れたような肉のくような薄寒さに、目がさめた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
すぎる」と一語かにし得たばかり。妻は涙の泉もたかだ自分の顔を見て血の気のないをわなわなとわしている。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そしてその興味が、それでもなほ一方に起る恐怖ともつれ合つて彼をかせてゐた。しかし峠の茶屋にさしかゝつた時彼女は云つた。
私は、目がいて四辺が暗くなる様な気がすると、忽ち、いふべからざる寒さが体中をかせた。皆から三十間も遅れて、私も村の方に駈け出した。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あしたのでわたくしが勝つことがいゝのか、山烏がかつのがいゝのかそれはわたくしにわかりません、たゞあなたのお考のとほりです
烏の北斗七星 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
さのすんだ今こそ昔通りの生活をあたりまへだと思つてゐるけど、戦争中はこんな昔の生活は全然私の頭に浮んでこなかつた。
続戦争と一人の女 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
『生命のはたゞ無益に戦ふばかりではいけぬ、汝は知られぬ神の前にひざまづくことをも知らねばならぬ』
愛は、力は土より (新字旧仮名) / 中沢臨川(著)
し桔梗の方としては、父の恨みを報いた以上夫に何の含むところもあるべき等がなく、今は却って己れの犯した恐ろしい罪業にいていたであろうから
平岡の言葉は言訳と云はんより寧ろ挑の調子を帯びてゐる様にこえた。襯衣股引けずにすぐ胡坐をかいた。しくせないので、胸毛が少しゝゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
天若し晴れたらんには夜の二時といふに船を出さんとの約束なれば、夢も結ぶか結ばざるに寐醒めて静かに外のさまを考ふるに、雨の音は猶止まず、庭樹のに風さへ有りと知らる。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
それと心着けば、天窓より爪先まで氷を浴ぶる心地して、歯の根も合はずきつゝ、不気味にへぬ顔をげて、手燭の影に血の足痕仰見る時しも、天井より糸を引きて一疋の蜘蛛垂下
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
謀叛えありて鎌倉討手佐々木三郎兵衛入道西念としば/\ひて落城せり。
それはの跡の景色か、花園の春の景色か。それを見せられた娘は、われとわが心の底に潜んで居た何物かを、探りあてたる心地であった。
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
潜水夫が嫌になったとは、何ちゅう情ない奴ちゃ。鶴富組の御主人も言うたはったが、今に日本がアメリカやイギリスとってみイ。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
爾うすると賊軍方の者が夜は其処て、昼はいからとて塾に来て寝て居た者があったが、から構わない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人人のおそれのく対象物の相違が、こんなに違ったまま世の中が廻っていて、——プロペラの廻転を停めるように、私は一度、ぴたりと停った世の中というものを見てみたい。
そのかげろうのといっしょに光君の心もかるくうれしさにおののいて居る。夢のように、いつの間にか今日の名残の春鶯囀も終って、各々の前には料紙、硯石箱が置かれた、題は「花の宴」
錦木 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
村の人は村の人できよときよとして唯恐怖にえてゐた。
田舎からの手紙 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
義竜は弘治二年の春、庶腹の兄弟喜平次孫四郎の二人を殺し、続いて父道三鷺山うて父をしてからは、美濃の守護として得意の絶頂に立っていたが
赤い土の壺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
薩長藩閥て十四年に政府を退き、改進党の評議員となつて、自由民権を唱へなすつた名誉の歴史を、何と御覧なさるでせう、——其れがです、藩閥政府の未路の奴等に阿媚して
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
如何なる霊筆を持てるものも、誰かは彼の様なる自然の大威力に圧せられてはその腕のかざるべき、と。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
新鮮ニ葦ハゲリ。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
郎女は刹那、思ひ出して帳台の中で、身を固くした。次にわぢ/″\ときが出て来た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)