“衣擦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きぬず88.9%
きぬずれ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
儀右衛門はそこでハッとなり、鋭い苦痛を思って、ふるおののいた。彼は夜具に触れる衣擦きぬずれにも、けだものめいた熱っぽさを覚えるのだった。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
やがて廊下を隔てた隣の間でも、ドシ/\と男の足音がしたり、静かな話声がしたり、衣擦きぬずれの音がしたりして段々客があるらしい。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
そう思って、彼は軽い失望を感じながら、きびすを返そうとした時だった。階段の上から、軽い靴音と、やさしい衣擦きぬずれの音と、流暢りゅうちょう仏蘭西フランス語の会話とが聞えて来た。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
階段の上から、軽い靴音と、やさしい衣擦きぬずれの音と、流暢な仏蘭西フランス語の会話とが聞えて来た。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)