“衣裳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いしょう80.5%
いしやう7.5%
なり3.1%
いしよう1.3%
きもの1.3%
イイシャン0.6%
おめし0.6%
きぬ0.6%
べべ0.6%
みけし0.6%
みなり0.6%
めし0.6%
めしもの0.6%
コスチウム0.6%
トアレット0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また『春色梅暦』では、丹次郎たんじろうたずねて来る米八よねはち衣裳いしょうについて「上田太織うえだふとりの鼠の棒縞、黒の小柳に紫の山まゆ縞の縮緬を鯨帯くじらおびとし」
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
事定りてのち寺に於て稽古けいこをはじむ、わざじゆくしてのち初日をさだめ、衣裳いしやうかつらのるゐは是をかすを一ツのなりはひとするものありてもの不足たらざるなし。
見るに衣裳なり見苦みぐるしけれども色白くして人品ひとがら能くひなまれなる美男なればこゝろ嬉敷うれしくねやともなひつゝ終に新枕にひまくらかはせし故是より吉三郎もお菊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そこで少女をとめにふさはしい髮飾かみかざりや衣裳いしようをさせましたが、大事だいじですから、いへおくにかこつてそとへはすこしもさずに、いよ/\こゝろれてやしなひました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
「無駄づかい、無駄づかいも、衣裳きもの道楽とか、演劇しばい道楽とか、そんな道楽なら、たいしたこともないが、いけないのだ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
殊に手なぞは子供のように、指のつけ根の関節が、ふっくりした甲にくぼんでいる。なりは銀の縁をとった、蘭花の黒緞子の衣裳イイシャンに、同じ鞘形の褲子クウズだった。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
……そこでわしも衣裳おめし代えじゃ。アッハッハッ、忙がしい
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
娼婦たはれめ衣裳きぬを纒へる哲学者鸚鵡眼をとぢもの思ひをる
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
百草の花のとじめと律義りちぎにも衆芳におくれて折角咲いた黄菊白菊を、何でも御座れに寄集めて小児騙欺こどもだまし木偶でく衣裳べべ、洗張りにのりが過ぎてか何処へ触ッてもゴソゴソとしてギゴチ無さそうな風姿とりなり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
即ち衣裳みけしを脱きて飢者に覆ひてのたまはく、安くせよ。則ち歌よみて曰く
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
贅沢な衣裳みなりとどことなく鷹揚なようすを見ても下町の大賈おおどこの箱入娘だということが知れる。
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「失礼ですけど、そのお衣裳めし、結構な地色ですことね」
野萩 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「綺麗なお部屋もおいしいご馳走も、清らかなお衣裳めしものも差し上げましょう」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あゝ まぼろしのピン 衣裳コスチウムよりぬきとり
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
「あなたはあんまり『衣裳トアレット』のことを考へすぎてよ、アデエル。花は着けてもいゝけれど。」そして私は、花瓶から薔薇を一輪とつて、彼女の飾帶かざりおびに留めてやつた。