“娼婦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうふ71.4%
しやうふ8.6%
おんな5.7%
あそびめ2.9%
たはれめ2.9%
ふんばり2.9%
カメリヤ2.9%
コケット2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もとより長き放埒ほうらつに、貧しく乏しくなりはしても、玉より輝く美容のために身を粉にしても、入揚いれあぐる娼婦しょうふの数もすくなくないのでした。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
元来××番館はその始めアメリカの娼婦しやうふが住んでゐた建物なので、他のんな室よりも湯殿が立派な構造を示してゐた。
アリア人の孤独 (新字旧仮名) / 松永延造(著)
階下したは小さなカッフェになっていて、曖昧な娼婦おんな達や、それらに飼われている情夫おとこ達がそこに集まって花牌はなをひいていた。
碧眼 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
それから彼の下高井の大尽の心地こゝろもちを身に引比べ、しまひには娼婦あそびめとして秘密に売買されるといふ多くの美しい穢多の娘の運命なぞを思ひやつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
娼婦たはれめ衣裳きぬを纒へる哲学者鸚鵡眼をとぢもの思ひをる
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
かねてうわさの、宿場しゅくば娼婦ふんばりと寝たんべい。唯おくものかと、その奥様ちゅうがや、梅雨つゆぶりのやみ夜中よなかに、満水の泥浪どろなみを打つ橋げたさ、すれすれの鉄橋を伝ってよ、いや、四つ這いでよ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは淫蕩である、それは娼婦カメリヤの顔である。フランスの娼婦の無恥な顔である。おお、もうてんで隠そうともせず、両の目を開いている。
一擒一縦いっきんいっしょう! 子供と油断したが、これは天性の娼婦コケットである。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)