トップ
>
娼婦
>
しょうふ
ふりがな文庫
“
娼婦
(
しょうふ
)” の例文
もとより長き
放埒
(
ほうらつ
)
に、貧しく乏しくなりはしても、玉より輝く美容のために身を粉にしても、
入揚
(
いれあ
)
ぐる
娼婦
(
しょうふ
)
の数も
稀
(
すくな
)
くないのでした。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
桂子にはとにかく、まじめになりたいという気持が感じられるが、その四、五人の女たちは、全く典型的な
娼婦
(
しょうふ
)
のように私には思われた。
野狐
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
それら
寡婦
(
かふ
)
のうち衣食に窮するままに、辺境守備兵の妻となり、あるいは彼らを
華客
(
とくい
)
とする
娼婦
(
しょうふ
)
となり果てた者が少なくない。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
徳川氏の
覇業
(
はぎょう
)
江戸に成るや、
爰
(
ここ
)
に発芽せし文華をして
殊
(
こと
)
に芸術の方面において、一大特色を帯ばしめたる者は
娼婦
(
しょうふ
)
と俳優なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
無学な漁夫と
税吏
(
みつぎとり
)
と
娼婦
(
しょうふ
)
とに
囲繞
(
いにょう
)
された、
人眼
(
ひとめ
)
に遠いその三十三年の生涯にあって、彼は比類なく深く善い愛の所有者であり使役者であった。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
そう云って、
嫣然
(
えんぜん
)
と笑いながら、青年の顔を
覗
(
のぞ
)
き込む瑠璃子夫人の顔には、女王のような威厳と
娼婦
(
しょうふ
)
のような
媚
(
こび
)
とが、二つながら交っていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
だから源之助が田之助を学ぶのは、極めて当然なことで、その前の岩井半四郎と田之助の
娼婦
(
しょうふ
)
式な役柄の方面が、彼に力強く保たれたのである。
役者の一生
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
「そうかしらん? 僕にはどうも
娼婦
(
しょうふ
)
型の女は別れ易くって、母婦型の女は別れにくいような気がするんだが、そう思うのは身勝手かしらん?」
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
今でも
西蔵
(
チベット
)
その他の未開国には一婦多夫と女の家長権とが古代の
俤
(
おもかげ
)
を
遺
(
のこ
)
している。文明国においても
娼婦
(
しょうふ
)
や
妓女
(
ぎじょ
)
のたぐいは一種の公認せられた一婦多夫である。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
しかもあんなふうに使用するとは!……それは炎を発してる流星だ! ユダヤの
娼婦
(
しょうふ
)
たるイゾルデ姫だ。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
羅は十四になって、良くない人に誘われて
遊廓
(
ゆうかく
)
へ遊びにいくようになった。ちょうどその時金陵から来ている
娼婦
(
しょうふ
)
があって、それが郡の中に家を借りて住んでいた。
翩翩
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
それがマタ・アリを大々的に利用したのだ。
娼婦
(
しょうふ
)
型の美女が、微笑するスパイとして国境から国境を動きまわる。戦時である。歴史的な
揷
(
そう
)
話にまでなってしまった。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
雪子夫人は、お
饒舌
(
しゃべり
)
をしたあとで、
娼婦
(
しょうふ
)
のように、いやらしいウインクを見せたのだった。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
薔薇
(
ばら
)
色と
緋
(
ひ
)
色との色合いをした魂で、火よりもいっそう熱く、
曙
(
あけぼの
)
よりもいっそう新鮮であった。アスパジアは女の両極を同時に有する女性であった。
娼婦
(
しょうふ
)
にして女神であった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
夏子は
娼婦
(
しょうふ
)
の様なことを云って、蘭堂が
肯
(
うなず
)
くのを見ると、そそくさと湯殿へ立去った。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
下級の
花街
(
はなまち
)
に
馴染
(
なじみ
)
の女があり、その女にかよいつめているが、単にいろ恋ではなく、女を使ってその町の
娼婦
(
しょうふ
)
たちに金を貸し、これまた法外な高利を取りあげている、ということであった。
醜聞
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私は再び
隠遁
(
いんとん
)
に帰りたくなりました。どれだけの周囲が自分に許さるるかは、その人の器の大小によるのでありますまいか、キリストはサマリヤの
娼婦
(
しょうふ
)
にもただちに近づいて説教しました。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
素人の
娼婦
(
しょうふ
)
! 一軒を持っている娼婦! それは全く独特のものであった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
「エイ、
娼婦
(
しょうふ
)
みたいな
真似
(
まね
)
をするな」
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
瑠璃子の処女の
如
(
ごと
)
く
慎
(
つつま
)
しく
娼婦
(
しょうふ
)
の如く大胆な
媚態
(
びたい
)
に、心を奪われてしまった勝平は、自分の答が
何
(
ど
)
う云うことを約束しているかも考えずに答えた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
余はかかる暗黒時代の恐怖と悲哀と疲労とを暗示せらるる点において、あたかも
娼婦
(
しょうふ
)
が
啜
(
すす
)
り泣きする忍び
音
(
ね
)
を聞く如き、この
裏悲
(
うらがな
)
しく
頼
(
たよ
)
りなき色調を忘るる事
能
(
あた
)
はざるなり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
つまりナオミは私に取って、最早や貴い宝でもなく、有難い偶像でもなくなった代り、一
箇
(
こ
)
の
娼婦
(
しょうふ
)
となった訳です。そこには恋人としての清さも、夫婦としての情愛もない。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
縦令
(
たとい
)
その人が政治にかかわっていようが、生産に従事していようが、
税吏
(
みつぎとり
)
であろうが、
娼婦
(
しょうふ
)
であろうが、その粗雑な生活材料のゆるす限りに於て最上の生活を目指しているのである。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
パリーの女はみな
娼婦
(
しょうふ
)
でよからぬ母親で、できるだけ子供を産まないし、子供を産んでもその世話をせず、家に打ち捨てておいて、自分は芝居や遊び場所に出入りしてるのであった。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ローマが
娼婦
(
しょうふ
)
を玉座にのぼしたように、パリーは
浮気女工
(
うわきじょこう
)
を玉座にのぼしている。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
私も
嫉妬
(
しっと
)
を起して、他の男たちと夜の町にとびだし、よからぬ場所に泊り、
娼婦
(
しょうふ
)
と共に寝たこともあるが、そんな場合、私は桂子の肉体を思って、どうしても、その他の女に触れる気になれない。
野狐
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
英領植民地のシンガポーアの、マレーストリートとバンダストリートとの二街に、赤色
煉瓦
(
れんが
)
の三階建ての長屋が両側二町余にわたって続いていた。その長屋は全部日本人の
娼婦
(
しょうふ
)
のいる家であった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
そう言っている母の言葉や、アクセントは、
平生
(
いつも
)
の母とは思えないほど、
下卑
(
げび
)
ていて
娼婦
(
しょうふ
)
か何かのように
艶
(
なまめ
)
かしかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
葉子は自分の不可犯性(女が男に対して持ついちばん強大な
蠱惑
(
こわく
)
物)のすべてまで惜しみなく投げ出して、自分を倉地の目に
娼婦
(
しょうふ
)
以下のものに見せるとも悔いようとはしなくなった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
まず
娼婦
(
しょうふ
)
が土方女に
接木
(
つぎき
)
してできたというくらいのところだった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
清浄によって
娼婦
(
しょうふ
)
たる貴婦人——忠実なるあまり友人を
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そして、それが
娼婦
(
しょうふ
)
と
淫売婦
(
いんばいふ
)
とに限られてあった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
“娼婦”の意味
《名詞》
娼婦(しょうふ)
性サービスの提供で稼ぐ女性。
(出典:Wiktionary)
“娼婦”の解説
娼婦(しょうふ、en: prostitute)は、性的サービスを提供することによって金銭を得る女性のこと。男性の場合は男娼という。
(出典:Wikipedia)
娼
漢検準1級
部首:⼥
11画
婦
常用漢字
小5
部首:⼥
11画
“娼婦”で始まる語句
娼婦型