美佐子は今朝からときどき夫に「どうなさる?やっぱりいらっしゃる?」ときいてみるのだが、夫は例の孰方つかずなあいまいな返辞をするばかりだし、彼女自身もそれならどうと云う心持もきまらないので、ついぐずぐずと昼過ぎになってしまった。一時ごろに彼女 …
著者 | 谷崎潤一郎 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「大阪毎日新聞 夕刊」1928(昭和3)年12月3日~1929(昭和4)6月17日
「東京日日新聞 夕刊」1928(昭和3)年12月3日~1929(昭和4)6 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約3時間43分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約6時間12分(300文字/分) |