“貪”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
むさぼ88.9%
むさ7.2%
どん1.1%
0.7%
むさぼり0.7%
たん0.4%
とん0.4%
むざ0.4%
0.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“貪”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語30.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.8%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
むさぼり求めるこころ、すなわち貪慾どんよくの心を離れた慈悲のこころをほかにして、どこにも「菩薩の道」はないのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
菜穂子はこんどは我知らずむさぼるような眼つきで、その青年の震える肩を見入りながら、その傍を大股にゆっくり通り過ぎた。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
時間から云って、平常より一時間以上もおくれていたその昼食は、ぜんむさぼる人としての彼を思う存分に発揮させた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
世には有りもせぬ失恋を製造して、みずからいて煩悶はんもんして、愉快をむさぼるものがある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ひんすればどんすという言葉がありますねえ。」青扇はねちねちした調子で言いだした。「まったくだと思いますよ。清貧なんてあるものか。金があったらねえ。」
彼は昔の彼ならず (新字新仮名) / 太宰治(著)
と貧すればどんすの例にもれず少からず心が動いて、その日はお使者に大いに愛嬌あいきょうを振りまき、確答は後日という事にして、とにかくきょうのお土産の御礼にそちらの御主人の宿舎へ明日参上致します
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
奈何どうだらうな、重兵衛さん。三国屋に居ると何の彼ので日に十五銭宛られるがな。そすると月に積つて四円五十銭で、わしは五十銭しか小遣が残らなくなるでな。すこし困るのぢや。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
奈何だらうな、重兵衞さん。三國屋に居ると何んのので日に十五錢宛られるがな。そすると月に積つて四圓五十錢で、私は五十錢しか小遣が殘らなくなるでな。些し困るのぢや、私は神樣に使はれる身分で、何も食物の事など構はんのぢやが、稗飯ひえめしでも構はんによつて、もつと安く泊める家があるまいかな。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
その人は改善の人たれとこひねがひしを、貫一は今この家のぬしとなれるに、なほ先代の志をひるがへさずして、ますまさかんに例のむさぼりを営むなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
むさぼりの心を悔いてうちあへぎ、
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
なほ准南子には、障氣は暗多く、嵐氣は聾多く、林氣𤸇りう多く、木氣多く、岸下の氣しゆ多く、石氣力多く、嶮岨の氣えい多く、谷氣多く、丘氣狂多く、陵氣たん多く、衍氣仁多く、暑氣えう多く、寒氣壽多くなどと説いて居る。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
仏教では、自分の内部、および外界に在る三毒(とんしん)が、これらの不平、不安、失望、恨み等……の悩みを惹き起すことを見破っております。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
なに? 廻船問屋? フム、此頃まで株式仲間と組んで、江戸大阪の廻船に、不当の利潤をむざぼり、今は入牢吟味中の増田屋惣兵衛の娘か、——そのような者の娘なら、定めし着類持物に贅を尽して居るであろう、——その帯を解けッ、——何を遠慮する、若い女とて、御布令の前に容捨がなろうか、肌に着く物まで
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
当方でなく、対象が脆く自分の思ふまゝになる、と言ふのが本義なので、るが語原とすれば、ぼろいの意は訣つても、ぼろくそは解釈がつかぬのである。
方言 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)