“愛嬌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あいきょう87.6%
あいけう10.7%
あいきやう0.9%
あいきよう0.3%
チャーム0.3%
ユーマー0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女はさっそく隣近所に蕎麦(そば)を配るし、なにしろ美人で愛嬌(あいきょう)がいいので、源右衛門も奇異の感よりはむしろ最初から好意をよせていた。
徳永と長谷川はウイスキイで元気を附けたらしく意外に平気な様子で遣つたが、近江の処女然と顔を赤くして居たのは愛嬌(あいけう)であつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)
蘿月(らげつ)は色の白い眼のぱつちりした面長(おもなが)の長吉(ちやうきち)と、円顔(まるがほ)の口元(くちもと)に愛嬌(あいきやう)のある眼尻(めじり)の上(あが)つたお糸(いと)との、若い美しい二人の姿(すがた)をば、人情本(にんじやうぼん)の作者が口絵(くちゑ)の意匠(いしやう)でも考へるやうに
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
お俊は両親の紳士を伴へるを見るより、慌忙(あわただし)く起ちて来(きた)れるが、顔好くはあらねど愛嬌(あいきよう)深く、いと善く父に肖(に)たり。高島田に結(ゆ)ひて、肉色縮緬(にくいろちりめん)の羽織に撮(つま)みたるほどの肩揚したり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ふとくすぐられるような弛(ゆる)びを覚えて、双方で噴飯(ふきだ)してしまうようなことはこれまでにめずらしくなかったが、このごろの笹村の嫌厭(けんえん)の情は妻のそうした愛嬌(チャーム)を打ち消すに十分であった。
黴 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
何も怕れぬといふ概の逞しさに充ちて居りながら気障な度強さもなく、仲々物解りの好い苦労と滋味に富み、素樸な愛嬌(ユーマー)や抒情味も深く、文壇臭みを脱したいつも懐しみのあるものであつた。
浪曼的時評 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)