“弛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆる85.0%
たる7.6%
たゆ1.7%
ゆるみ1.4%
だる1.1%
たゆみ0.6%
0.6%
ユル0.6%
0.3%
たるみ0.3%
0.3%
ゆるむ0.3%
ゆるめ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それより目がどんよりとち込んで、ちからのないゆるみを帯びていること、ものを正視するに余りに弱くなっていることに感づいた。
(新字新仮名) / 室生犀星(著)
石橋を渡る駄馬の蹄の音もした。そして、満腹の雀はたるんだ電線の上で、無用なさえずりを続けながらも尚おいよいよふくれて落ちついた。
南北 (新字新仮名) / 横光利一(著)
八十八さか九十九折つづらおれ、木の根岩角いわかど躓き倒れ、傷つきてはまたち上がり、ち上がりてはまた傷つき、まずたゆまず泣血辛酸きゅうけつしんさん、かくして玉の緒も絶え絶えに
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
かかるうちにも心にちとゆるみあれば、煌々こうこう耀かがやわたれる御燈みあかしかげにはかくらみ行きて、天尊てんそん御像みかたちおぼろ消失きえうせなんと吾目わがめに見ゆるは、納受のうじゆの恵にれ、擁護おうごの綱も切れ果つるやと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そうして皆睡気を感じて寝台へ行く人が多くなった。ラシイヌも睡気を感じたので立ち上がって寝台へ行こうとした。不思議とどうにも体がだるい。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この時導者は汝のことばを明かならしめよといひ、臆せずたゆみなき手をもて我を墓の間におしやりぬ 三七—三九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
鼻緒のるんだ下駄は雪に埋って、指は紅く凍えて、見るからに血の枯れた白髪しらがは風に吹かれていたましげであった。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
スベテ一日モ、ユルガセアルベカラザルニ、千早金剛ノ膠着カウチヤク久シキコト、ソレ無策カ、過怠クワタイカ。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
糸が一ちょうするたびに、みなはハッときもをひやした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
(体)……すき……こり……たるみ
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
間もなく紙帳は、栞の手によって、空地へ釣られ、ところどころけ目を持ったその紙帳は、一杯に春陽を受け、少しるそうに、裾を地に敷き、宙に浮いた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
老子曰く、賢者位にるは特にく治平を保護す(この意に当るべき語老子に見えず。後の考を待つ)。故に古法を堅く遵守してかえって乱をかもさんとせば、その禁をゆるむるは賢者の常経じょうけいのみ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
持って来なければなりませんけれども我邦わがくにの牛肉屋は今日ほふったものをその日に売出す事もある位ですから買う人の方で肉をゆるめる必要が起ります。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)