“九十九折”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つづらおり70.6%
つづらをり11.8%
つゞらをり5.9%
つづらおれ2.9%
つづらを2.9%
つゞらおり2.9%
つゞらをれ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……(焼撃やきうちをしたのも九十九折つづらおりの猿が所為しわざよ、道理こそ、柿の樹と栗の樹は焼かずに背戸へ残したわ。)……などと申す。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私の通つた時には、その崖にはくるますら登る事が出來なかつた。九十九折つづらをりの急坂を登つて行くと、路に山茶花の花が散つてゐた。
われ、かく思ひて其の夜すがら三坂峠を越え行くに、九十九折つゞらをりなる山道は、聞きしに勝る難所なり。山気漸く冷やかにして夏とも覚えず。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
八十八さか九十九折つづらおれ、木の根岩角いわかど躓き倒れ、傷つきてはまたち上がり、ち上がりてはまた傷つき、まずたゆまず泣血辛酸きゅうけつしんさん、かくして玉の緒も絶え絶えに
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
私は炎暑のため衰弱し切つた體を物憂さうに持扱ひながら、僅に温泉の附近の山道を散歩してゐると、眞青な白茅に蔽はれた駒ヶ岳の背を九十九折つづらをりの山徑を傳うて登つてゆく人の姿が數へられる。
箱根の山々 (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
山又山の九十九折つゞらおりの道が絶えまするから、心ならずもまず此処こゝに逗留致さんければ相成りません、なれども本来もと/\修行の身の上でございますから、雪も恐れずに立とうと思うと
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
川上かはかみ下流かりうえぬが、むかふの岩山いはやま九十九折つゞらをれのやうなかたちながれは五しやく、三しやく、一けんばかりづゝ上流じやうりうはう段々だん/″\とほく、飛々とび/″\いはをかゞつたやうに隠見いんけんして、いづれも月光げつくわうびた、ぎんよろひ姿すがた
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)