九十九折つづらをり)” の例文
私の通つた時には、その崖にはくるますら登る事が出來なかつた。九十九折つづらをりの急坂を登つて行くと、路に山茶花の花が散つてゐた。
ダラットにあと十六キロといふ、プレンといふ部落から曲りくねつた勾配になり、ランビァン高原への九十九折つづらをりのドライヴウ※イをトラックはぐうんぐうんとうなりながら登つた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
手置のよろしからぬ横町、不性なる裏通、屋敷町の小路などの氷れる雪の九十九折つづらをりある捏返こねかへせし汁粉しるこの海の、差掛りて難儀をきはむるとは知らず、見渡す町通まちとほり乾々干からからほしかたまれるにそそのかされて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
九十九折つづらをりになつたその急坂を小走りに走り降ると、坂の根にも同じ樣な村があり、普通の百姓家と違はない小學校なども建つてゐた。對岸の村は生須村、學校のある方は小雨こさめ村と云ふのであつた。
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
九十九折つづらをりけはしき坂を降り來れば橋ありてかかる峽の深みに
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)