“固”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
もと56.7%
かた25.9%
かたま7.6%
こわ1.8%
かため1.0%
もとより1.0%
かたく0.8%
がた0.8%
まこと0.8%
0.8%
(他:12)2.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とにかく会見は満足のうちに済んだ。兄は暑いので脳にこたえるとか云って、早く大阪を立ち退く事を主張した。自分はもとより賛成であった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ユーゴーの攻撃のごときはもとより歴史的にああいう必要もあったのでしょうが、私のように解釈したらあれほど議論をする必要もなかろうと思います。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「論理と数理」の論文において触れた如く、私は推論式というものが、もと、真の矛盾的自己同一論理の形式でなければならないと考えるのである。
デカルト哲学について (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
しばらくたびをしたとおもうと、ちょうは、はるかしたくろ屋根やねかたまったまちたのであります。
ちょうと怒濤 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこで金太郎は體をかたく小さくして、道の白いながれの上へ、飛びこむやうな合に轉んでいつた。自轉車は三四米先へげ出された。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
段々だん/\集注しふちゆうしてかたまつて、仕舞しまひてつぼうやうにならなくては駄目だめだとつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それは、多分に彼の変態性の欲望が原因したのであったが、職業とする所の趣味道楽が、ひどくかたまったことも一部のいんをなしていた。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
男の子は男同志で、舞台を駈廻り、女の子は女らしく、かたまって縄飛びをしていた。——そして、黒吉は、相変らず小屋の隅に、ぽつんと独りだった。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
勝手へ後姿になるに連れて、僧はのッそり、夜がかたまって入ったように、ぬいと縁側から上り込むと、表の六畳は一杯に暗くなった。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それを見ると福太郎も真似をするかのように唾液つばを飲み込みかけたが、下顎が石のようにこわばっていて、舌の尖端さきを動かすことすら出来なかった。
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私は新らしい編上靴を穿いた足首と、膝頭ひざがしらこわばらせつつ、若林博士の背後に跟随くっついて、鶏頭けいとうの咲いた廊下を引返して行った。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ただ、何が何やら解らないまま一句一句に学術的な権威をもって、急角度に緊張しつつ迫って来る、若林博士の説明に脅やかされて、高圧電気にかけられたように、全身をこわばらせていた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
雪のかこみが、たやすく得べきにあらざる勝利かちをノヴァーラ人に與ふるなからんため糧食かてを身のかためとなせといへ —六〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この後あたりに散りゐたる人々みなこの處にあつまれり、これ四方に沼ありてそのかため強かりければなり 八八—九〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あゝ重ねて虐政を忍ばずばウンガリアは福なる哉、取卷く山をかためとなさばナヴァルラは福なる哉 一四二—一四四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
もとより山水にふけるへきあり、ゆゑに遊心いうしんぼつ々たれども事にまぎれはたさず。
もとより山水にふけるへきあり、ゆゑに遊心いうしんぼつ々たれども事にまぎれはたさず。
もとより不学ふがくのすさみなれば要跡えうせきもれたるもせつ誤謬あやまりたるもあるべし。
其日 菅神を亭子院にめして事のよしを内勅ないちよくありしに 菅神かたくしたまひしにゆるし玉はざりけり。
其日 菅神を亭子院にめして事のよしを内勅ないちよくありしに 菅神かたくしたまひしにゆるし玉はざりけり。
一 若き時は夫の親類友達下部しもべ等の若男わかきおとこには打解けて物語ものがたり近付ちかづくべからず。男女のへだてかたくすべし。如何なる用あり共、若男に文などかよわすべからず。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
音を聞くだけでも、いかに腕強い上手な船頭かがわかるように思われたが、やがて岸へ漕ぎ着けて降りて来た者を見ると、船頭ではない、二人とも旅がためした身拵みごしらえの、どこにもすきのないような武士だった。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、一応の証拠がためをなすまでの時日をした。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なあに、がためるところけてせえけば大丈夫でえぢやうぶなものさ、田植たうゑまでるやうににはめてくのよ」亭主ていしゆ自分じぶんわん牛蒡ごぼうはさんでいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「英雄、医卜いぼくニ隠ルまことニ故有リ矣。医卜いぼくトハ素封無キ者ノ素封也。王侯ニ任ゼズ、自如トシテ以テ意ヲ行フベシ……エヘン——」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
子爵品川弥次郎の徒をして、回想せしめば、まこと今昔こんじゃくの感に堪えざるものあらん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
茶博士たるもの、まことに是の如くなるべき也。
(新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
これと種々なる原因の存するものなるべしといえども、製作品の不斉一ふせいいつなると、品質の粗悪なるとは、けだしその主なるものなるべきなり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
これと一場の戯言ぎげんなりとはいへども、この戯言はこれを欲するの念せつなるより出でし者にして、その裏面にはあながちに戯言ならざる者ありき。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
と此小説ハつまらぬ事を種に作ッたものゆえ、人物も事実も皆つまらぬもののみでしょうが、それは作者も承知の事です。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と答えた。しかし別段に嬉しいとも思わなかった。ようやく安心したとまではもとより行かなかった。自分の鉱山における地位はこれでやっときまった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかし表へ飛び出す訳にも行かず、寝る勇気はなし、と云って、下へ降りて、車座の中へ割り込んで見る元気はもとよりない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今度の事の何たるかはもとより私の知らぬ所、又知らうとする氣も初めは無かつた。
所謂今度の事:林中の鳥 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
下宿に帰ってくると首筋の肉が棒のようにわばり、頭がギン、ギン痛んだ。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
其の仲の兄もまた亡せたれば、孤身るところなく、つい皇覚寺こうかくじに入りて僧とり、を得んがため合淝ごうひに至り、こうじょえいの諸州に托鉢たくはつ修行し、三歳の間は草鞋そうあい竹笠ちくりゅうき雲水の身を過したまえりという。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
(八) 子曰く、君子おもからざれば則ち威あらず、学べば則ちかたくなならず。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
金剛石ダイヤモンドだって、高々人間が大事がってしまっておくもんだよ、よくかたまりだね。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真間の根本にいるお侍さんで、あきねえをして居る、かて大丈夫でえじょうぶの人が山を見てえと云うんだがと頼むと、そんだら連れてうと斯ういうわけでおらハア先方むこうへ頼んで置いたから
つかつきかたむ。数日之後ひをへて、皇太子近習者つかまつるものを召して、かたりて曰く、先の日、道に臥せる飢者は、其れ凡人ただびとあらじ、必ず真人ひじりならむ。使を遣して視しめたまふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
私の考えではそれはやはりもともとそれが訳されてあったように卵の字を襲用してこれを卵子と書けばよいと思い、私は早くからこれを実行している。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
だから、刀自たちはモトより若人らも、つくねんと女部屋の薄暗がりに、明し暮して居るのではなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
御経オンキヤウモンは手写しても、モトより意趣は、よくワカらなかつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
右ハ至情不止ニ出ルト雖モ、畢竟私憤ヲ以テ、大禁ヲ破リ、私義ヲ以テ、公権ヲ犯ス者ニシテ、モトヨリ擅殺センサツノ罪ヲ免レズ。
仇討禁止令 (新字新仮名) / 菊池寛(著)