“固”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もと56.7%
かた26.6%
かたま7.4%
こわ1.6%
かため1.2%
もとより0.9%
もとよ0.7%
まこと0.7%
かたく0.7%
がた0.7%
0.7%
0.5%
モト0.2%
かたくな0.2%
かたまり0.2%
かて0.2%
つき0.2%
もとも0.2%
モトヨリ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もとよりまとまった話の筋を読ませる普通の小説ではないから、どこで切って一冊としても興味の上においしたる影響のあろうはずがない。
そこで金太郎は體をかたく小さくして、道の白いながれの上へ、飛びこむやうな合に轉んでいつた。自轉車は三四米先へげ出された。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
勝手へ後姿になるに連れて、僧はのッそり、夜がかたまって入ったように、ぬいと縁側から上り込むと、表の六畳は一杯に暗くなった。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は新らしい編上靴を穿いた足首と、膝頭ひざがしらこわばらせつつ、若林博士の背後に跟随くっついて、鶏頭けいとうの咲いた廊下を引返して行った。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
この後あたりに散りゐたる人々みなこの處にあつまれり、これ四方に沼ありてそのかため強かりければなり 八八—九〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
此事もとより妄説まうせつなりと安斎先生の菅像弁くわんざうべんにいへり。(菅家聖庿伝暦といふ書の附録に、沙門師嵩が菅神渡唐記あり、其説孟浪に属す。)
やがて彼等はまた語り出した。それは「今度の事」に就いてゞ有つた。今度の事の何たるかはもとより私の知らぬ所、又知らうとする氣も初めは無かつた。
所謂今度の事:林中の鳥 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「英雄、医卜いぼくニ隠ルまことニ故有リ矣。医卜いぼくトハ素封無キ者ノ素封也。王侯ニ任ゼズ、自如トシテ以テ意ヲ行フベシ……エヘン——」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一 若き時は夫の親類友達下部しもべ等の若男わかきおとこには打解けて物語ものがたり近付ちかづくべからず。男女のへだてかたくすべし。如何なる用あり共、若男に文などかよわすべからず。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「なあに、がためるところけてせえけば大丈夫でえぢやうぶなものさ、田植たうゑまでるやうににはめてくのよ」亭主ていしゆ自分じぶんわん牛蒡ごぼうはさんでいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これと一場の戯言ぎげんなりとはいへども、この戯言はこれを欲するの念せつなるより出でし者にして、その裏面にはあながちに戯言ならざる者ありき。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
下宿に帰ってくると首筋の肉が棒のようにわばり、頭がギン、ギン痛んだ。私はようやく階段を上がり、そのまゝ畳のうえにうつ伏せになった。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
御経オンキヤウモンは手写しても、モトより意趣は、よくワカらなかつた。だが、処々には、かつ/″\気持ちの汲みとれる所があつたのであらう。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
(八) 子曰く、君子おもからざれば則ち威あらず、学べば則ちかたくなならず。忠信(の人)にしたしみ、己れにかざるひとを友とすることなかれ、あやまてば則ち改むるにはばかることなかれ。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
金剛石ダイヤモンドだって、高々人間が大事がってしまっておくもんだよ、よくかたまりだね。金と灰吹はたまるほど汚いというが、その宝を盗んで来るのは、塵芥溜ごみためから食べ荒しをほじくり出す犬と同一おんなじだね、小汚ない。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真間の根本にいるお侍さんで、あきねえをして居る、かて大丈夫でえじょうぶの人が山を見てえと云うんだがと頼むと、そんだら連れてうと斯ういうわけでおらハア先方むこうへ頼んで置いたから
辛未かのとひつじ、皇太子、使をまたして飢者を視しむ。使者かへり来て曰く、飢者既にまかりぬ。ここに皇太子おほいこれを悲しみ、則ちりて以て当処そのところほふりをさめしむ。つかつきかたむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
私の考えではそれはやはりもともとそれが訳されてあったように卵の字を襲用してこれを卵子と書けばよいと思い、私は早くからこれを実行している。それゆえ私の書いた書物には皆そう成っている。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
右ハ至情不止ニ出ルト雖モ、畢竟私憤ヲ以テ、大禁ヲ破リ、私義ヲ以テ、公権ヲ犯ス者ニシテ、モトヨリ擅殺センサツノ罪ヲ免レズ。
仇討禁止令 (新字新仮名) / 菊池寛(著)