“穿”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
59.8%
うが27.7%
2.6%
1.6%
1.6%
ほじ1.2%
はき1.1%
ばき0.9%
はい0.7%
0.3%
(他:22)2.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“穿”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸45.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語19.1%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行5.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
盲縞めくらじまの腹掛け、股引ももひきによごれたる白小倉の背広を着て、ゴムのほつれたる深靴ふかぐつ穿
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一人ひとりかみの二三ずんびたあたまして、あしには草履ざうり穿いてゐる。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
やま穿うがつたこのながれ天道様てんたうさまがおさづけの、をとこいざなあやしのみづ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二子の文を論ずるや、その趣相ること遠けれど、約していへば、逍遙子はくものを容れ、露伴子は能くものを穿うがつ。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
こぶしむねつていのるかとおもへば、すぐゆびあな穿つたりしてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こぶしむねっていのるかとおもえば、すぐゆびあな穿ったりしている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
諸君はこの個我の宿中に穴を穿けたいとは思はぬのか、自然の向う側を見たいとは思はぬのか! 自然とは、調和とは、一体何か。
それにも増して、刀身へ穴でも穿けるかのように、その刀身を見詰めているのは、おきのように熱を持った薪左衛門の眼であった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大太刀をさしたわらじ穿きの男が、前栽せんざいがきをたてとして、後ろ向きにつッ立っていたのであった。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
モヨ子の外出穿きの赤きコルク草履ぞうりが正しく並びおり、そのかたわらより蝋燭ろうそく滴下したたり起り
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「そら仕樣がおまへんがな。字を覺えてかしこなるんやもん。」と、重吉は鉈豆の煙管の詰まつたのを穿ほじりながら言つた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
喜「ン畜生変な物を飲ましやアがって、横ッぱらえぐるように、鳩尾骨みぞおち穿ほじるような、ウヽ、あゝ痛え」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お千が穿はきものをさがすうちに、風俗係は、内から、戸の錠をあけたが、軒を出ると、ひたりと腰縄を打った。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小兒こども足駄あしだおもしたころは、じつ穿はきものなんぞ、とう以前いぜんになかつたのです。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
金銀をちりばめた大小、雪駄穿ばき、白足袋で、色の白いい男の、年若な武士で、大小などはにきらきらして
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
中に一人、黒の紋付羽織、白足袋穿ばき、顔こそ隠して見せないが、当世風の紳士姿は直に高柳利三郎と知れた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
裾短すそみじかに靴を穿はいて、何を見得にしたか帽子をかぶらず、だぶだぶになった茶色の中折、至極大ものを膝の上。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
れから雪駄をふところに入れて、下駄を穿はいて傘をさして鉄砲洲てっぽうずまでかえって来た。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
左右が高くって、中心がくぼんで、まるで一間はばを三角に穿って、その頂点が真中まんなかつらぬいていると評してもよい。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
梃でも動かない玉石へ、ハッパ穴を穿つてゐるのだつた。
万福追想 (新字旧仮名) / 葉山嘉樹(著)
白露しらつゆがかかる景気の――その紅梅焼の店の前へ、おまいりの帰りみち、通りがかりに、浅葱あさぎの蛇目傘を、白い手で、菊を持添えながら、すっと穿すぼめて、顔を上げた
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分は身を穿すぼめるようにして、露次の中に這入った。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紳士は気味が悪くなつた。手套てぶくろ穿はまつた掌面てのひらでそつと顔を撫でまはした。小僧はとうと切り出した。
と、骨董好きが古渡こわたりの茶〓ちやわんでも見るやうな、うつとりした眼つきで自分の手首に穿はまつた手錠に見惚みとれてゐる。
さら土瓶どびんした穿ほぢくり、いぶし火鉢ひばち取分とりわけて三じやくゑん持出もちいだ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もう日が暮れたに太吉たきちは何故かへつて来ぬ、源さんも又何処どこを歩いてゐるかしらんとて仕事を片づけて一服吸つけ、苦労らしく目をぱちつかせて、更に土瓶どびんの下を穿ほぢくり
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
だがおよそ、こんな風にわれわれの理会力を逆立て、穿あなぐり考えて見ても結局、到底わからない、と溜息ためいきを吐かせるに過ぎない。
詩語としての日本語 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
老いたる僧官カルヂナアレ達は紫天鵝絨の袍のえりエルメリノの白き毛革を附けたるを穿て、埒の内に半圈状をなして列び坐せり。
にこの奥方なれば、金時計持てるも、真珠の襟留せるも、指環を五つまで穿せるも、よし馬車に乗りて行かんとも、何をかづべき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
はかま穿けないでセルのコートを着てゐるので尚更女振が違つて見えた。
孫だち (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
行くときは壁や障子を伝つて危気あぶなげに下駄を穿つつかけたが、帰つて来てそれを脱ぐと、モウ立つてるせいがなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
行くときは壁や障子を傳つてあぶな氣に下駄を穿つゝかけたが、歸つて來てそれを脱ぐと、もう立つてる勢ひがなかつた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それはなんのことかと思つたらば、京都にとまつてゐた私は、出がけに小雨に降られたので、宿の人の親切から、京阪出來の中齒の下駄を穿はかしてくれたのだつた。
三十五氏 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
「ハハハハ外面如菩薩、内心如夜叉。女は危ないものだ」と云いながら、老人は雁首がんくびの先で祥瑞しょんずいの中を穿ほじくり廻す。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
樹の下を、草を分けて参りますと、処々ところどころ窓のように山が切れて、其処そこから、松葉掻まつばかき、枝拾い、じねんじょ穿ほりが谷へさして通行する、下の村へ続いたみちのある処が、あっちこっちにいくらもございます。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
聞えよがしに苦笑しいしい、税関吏に穿じり返された荷物の始末をしている。嬢はじっとそれをながめていた。やっと後片付けも終ると、
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
内新好ないしんかうが『一目ひとめ土堤づゝみ』に穿ゑぐりしつう仕込じこみおん作者さくしや様方さまがた一連いちれんを云ふなれば、其職分しよくぶんさらおもくしてたふときは扇子せんす前額ひたひきたへる幇間だいこならんや。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
だが凡、こんな風にわれ/\の理会力を逆立て、穿アナグり考へて見ても結局、到底わからない、と溜息を吐かせるに過ぎない。
詩語としての日本語 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
なす(寝) いそはく(<イソふ) またく(<待つ) はやす(<ゆ) こらす(<懲る) うがつ(<穿く) わがぬ(<曲ぐ) おさふ(<圧す) たゝかふ(<叩く)
日本品詞論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
――孟獲、旗ノ下に、捲毛ケンモウ赤兎セキトノ馬ヲオドラセ、カシラ羽毛ウモウ宝玉冠ホウギョッカンヲ載キ、身に瓔珞ヨウラク紅錦コウキンノ袍ヲ着、腰ニ碾玉テンギョクノ獅子帯ヲ掛ケ、脚ニ鷹嘴ヨウシ抹緑マツリョクノ靴ヲ穿ウガツ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
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