“穿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
59.3%
うが27.9%
2.6%
1.7%
1.5%
ほじ1.2%
はき1.2%
ばき0.9%
はい0.6%
0.4%
すぼ0.4%
うがち0.2%
はく0.2%
はま0.2%
ほぢ0.2%
あなぐ0.1%
うがつ0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
つつ0.1%
つゝ0.1%
はか0.1%
ほじく0.1%
ほり0.1%
0.1%
ゑぐ0.1%
アナグ0.1%
0.1%
ウガ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然れども乳房にうばうの部のれ方少き土偶に限りて第二種を穿きたる樣に作り有るを見れば或は此方は男子用にして第一種は女子用ならんか。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
芝居の、黙阿弥もくあみもので見てもわかるが、っさりした散髪を一握り額にこぼして、シャツを着て長靴を穿いているのが、文明開化人だ。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
今日の金港堂は強弩きょうどすえ魯縞ろこう穿うがあたわざる感があるが、当時は対抗するものがない大書肆だいしょしであった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
その反対側には、水に穿うがたれて穴ぼこだらけの嶮しい岩岸がすっかり照らし出されて、ちらちらと川面に映り、矢のような奔流に千々に砕けている。
決闘 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ほとけつく真朱まそほらずはみづたまる池田いけだ朝臣あそはなうへ穿れ 〔巻十六・三八四一〕 大神朝臣
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その橋材の両端のツツラを通す穴の穿り方は、筏の材木の穴と同じであるらしいが、これも鉄線を代用する時代が来たらどう変るか分らぬ。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
家の裏口に出てカルサン穿きで挨拶する養子、帽子を振る三吉、番頭、小僧の店のものから女衆まで、ほとんど一目におげんの立つ窓から見えた。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
……そこらの山の中にもいそうな、ただのおさむらいが、袖なし胴着に、ふだん穿きのはかまをつけ、ちょこねんと、あぐらをくんでいるだけのお姿です。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
申分けが無いとなると、切腹するより他には無いのだが、同じ死ぬのならお前のドテッ腹へ風穴を穿けて、屍骸がせるまで血を流さした上で
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
女の胸には乳房がなかった。乳房のあるべき位置の辺りに、椀ほどの穴が穿いていた。げた朱塗りの椀のように、諸所に赤い斑点があった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
なんという名前であるか? ということなぞを穿ほじくりたいと思っていたのであろうが、武器を帯びない住民をらっして来たのであったから
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
有松氏の顔は名代の痘痕面あばたづらなので、その窪みに入り込んだ砂利は、おいそれととりばや穿ほじくり出す事が出来なかつたのだ。
小兒こども足駄あしだおもしたころは、じつ穿はきものなんぞ、とう以前いぜんになかつたのです。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
どういうはずか白足袋に穿はきかえ、机の上へ出しそろえて置いた財嚢かみいれ手巾はんけち巻烟草入まきたばこいれを、たもとなりふところなりにそれ/″\分配し
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
格子の音はカラカラと高く奥から響いたけれども、幸に吾妻下駄の音ではなくて、色気も忘れて踏鳴らす台所穿ばきおおき跫音あしおと
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
中に一人、黒の紋付羽織、白足袋穿ばき、顔こそ隠して見せないが、当世風の紳士姿は直に高柳利三郎と知れた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
卯平うへいがのつそりとしてはしつのは毎朝まいあさこせ/\といそがしい勘次かんじ草鞋わらぢ穿はいようとするときである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
裾短すそみじかに靴を穿はいて、何を見得にしたか帽子をかぶらず、だぶだぶになった茶色の中折、至極大ものを膝の上。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
左右が高くって、中心がくぼんで、まるで一間はばを三角に穿って、その頂点が真中まんなかつらぬいていると評してもよい。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうしておけば、一々ハッパ押えを、断崖の下まで吹き飛ばされないで済むし、ハッパ穴が五六尺の高い段の上に穿られても、上からハッパ押えを吊るしておけるのだった。
白露しらつゆがかかる景気の——その紅梅焼の店の前へ、おまいりの帰りみち、通りがかりに、浅葱あさぎの蛇目傘を、白い手で、菊を持添えながら、すっと穿すぼめて、顔を上げた
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼はその日役所の帰りがけに駿河台下するがだいしたまで来て、電車を下りて、いものを頬張ほおばったような口を穿すぼめて一二町歩いたのち、ある歯医者のかどくぐったのである。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この穿うがちたる所も一夜の雪にうづめらるゝことあればふたゝびうがつ事しば/\なり。
かれ宇陀うだ穿うがちといふ。
○かくていそぐほどに雪吹ふゞきます/\甚しく、かじき穿はくゆゑみちおそく日もすでくれなんとす。
○かくていそぐほどに雪吹ふゞきます/\甚しく、かじき穿はくゆゑみちおそく日もすでくれなんとす。
と、骨董好きが古渡こわたりの茶盌ちやわんでも見るやうな、うつとりした眼つきで自分の手首に穿はまつた手錠に見惚みとれてゐる。
紳士は気味が悪くなつた。手套てぶくろ穿はまつた掌面てのひらでそつと顔を撫でまはした。小僧はとうと切り出した。
さら土瓶どびんした穿ほぢくり、いぶし火鉢ひばち取分とりわけて三じやくゑん持出もちいだ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もう日が暮れたに太吉たきちは何故かへつて来ぬ、源さんも又何処どこを歩いてゐるかしらんとて仕事を片づけて一服吸つけ、苦労らしく目をぱちつかせて、更に土瓶どびんの下を穿ほぢくり
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
だがおよそ、こんな風にわれわれの理会力を逆立て、穿あなぐり考えて見ても結局、到底わからない、と溜息ためいきを吐かせるに過ぎない。
詩語としての日本語 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
人家じんかにちかきながれさへかくのごとくなれば、この二すぢながれ水源みなかみも雪にうづもれ、水用すゐよううしのふのみならず水あがりのおそれあるゆゑ、ところの人ちからあはせて流のかゝり口の雪を穿うがつ事なり。
老いたる僧官カルヂナアレ達は紫天鵝絨の袍のえりエルメリノの白き毛革を附けたるを穿て、埒の内に半圈状をなして列び坐せり。
にこの奥方なれば、金時計持てるも、真珠の襟留せるも、指環を五つまで穿せるも、よし馬車に乗りて行かんとも、何をかづべき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
はかま穿けないでセルのコートを着てゐるので尚更女振が違つて見えた。
孫だち (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
行くときは壁や障子を伝つて危気あぶなげに下駄を穿つつかけたが、帰つて来てそれを脱ぐと、モウ立つてるせいがなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
行くときは壁や障子を傳つてあぶな氣に下駄を穿つゝかけたが、歸つて來てそれを脱ぐと、もう立つてる勢ひがなかつた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それはなんのことかと思つたらば、京都にとまつてゐた私は、出がけに小雨に降られたので、宿の人の親切から、京阪出來の中齒の下駄を穿はかしてくれたのだつた。
三十五氏 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
「ハハハハ外面如菩薩、内心如夜叉。女は危ないものだ」と云いながら、老人は雁首がんくびの先で祥瑞しょんずいの中を穿ほじくり廻す。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
樹の下を、草を分けて参りますと、処々ところどころ窓のように山が切れて、其処そこから、松葉掻まつばかき、枝拾い、じねんじょ穿ほりが谷へさして通行する、下の村へ続いたみちのある処が、あっちこっちにいくらもございます。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
聞えよがしに苦笑しいしい、税関吏に穿じり返された荷物の始末をしている。嬢はじっとそれをながめていた。やっと後片付けも終ると、
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
内新好ないしんかうが『一目ひとめ土堤づゝみ』に穿ゑぐりしつう仕込じこみおん作者さくしや様方さまがた一連いちれんを云ふなれば、其職分しよくぶんさらおもくしてたふときは扇子せんす前額ひたひきたへる幇間だいこならんや。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
だが凡、こんな風にわれ/\の理会力を逆立て、穿アナグり考へて見ても結局、到底わからない、と溜息を吐かせるに過ぎない。
詩語としての日本語 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
なす(寝) いそはく(<イソふ) またく(<待つ) はやす(<ゆ) こらす(<懲る) うがつ(<穿く) わがぬ(<曲ぐ) おさふ(<圧す) たゝかふ(<叩く)
日本品詞論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
——孟獲、旗ノ下に、捲毛ケンモウ赤兎セキトノ馬ヲオドラセ、カシラ羽毛ウモウ宝玉冠ホウギョッカンヲ載キ、身に瓔珞ヨウラク紅錦コウキンノ袍ヲ着、腰ニ碾玉テンギョクノ獅子帯ヲ掛ケ、脚ニ鷹嘴ヨウシ抹緑マツリョクノ靴ヲ穿ウガツ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)