“瓔珞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ようらく75.7%
やうらく17.6%
えうらく2.7%
くびたま1.4%
やぐら1.4%
ヨウラク1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のみならず高い天井などからは、瓔珞ようらくを垂らした南京龕ナンキンずしなどが、これも物々しく下げられてあるので、見る人の眼を奪うには足りた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「眼ばかりぢやねえ、寶冠の瓔珞やうらくから、襟も肩もぐつしよりだ。頭の上から涙を流すのは、佛樣にしても可怪をかしくはないか、八」
靜岡しづをかから、すぐに江尻えじり引返ひきかへして、三保みほ松原まつばら飛込とびこんで、天人てんにん見參けんざんし、きものをしがるつれをんなに、羽衣はごろも瓔珞えうらくをがませて、小濱こはま金紗きんしやのだらしなさを思知おもひしらさう、ついでに萬葉まんえふいんむすんで
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
われは手に瓔珞くびたまを捧げて、心にこれをマリアに與へんことを願ひぬ。マリアの顏の紅をせしは、我心をはかり得たるにやあらん、覺束おぼつかなし。
そこには躑躅つつじが咲き残り、皐月さつきが咲き、胸毛の白い小鳥は嫩葉わかばの陰でさえずっていた。そして、松や楢にからまりついた藤は枝から枝へつるを張って、それからは天神てんじん瓔珞やぐらのような花房はなぶさを垂れていた。
藤の瓔珞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
孟獲、旗ノ下に、捲毛ケンモウ赤兎セキトノ馬ヲオドラセ、カシラ羽毛ウモウ宝玉冠ホウギョッカンヲ載キ、身に瓔珞ヨウラク紅錦コウキンノ袍ヲ着、腰ニ碾玉テンギョクノ獅子帯ヲ掛ケ、脚ニ鷹嘴ヨウシ抹緑マツリョクノ靴ヲ穿ウガツ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)