“可怪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おか61.7%
おかし13.0%
をか11.7%
あやし4.5%
をかし4.5%
あや3.9%
をかしい0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それが可怪おかしいんで、せっかく穴は拵えたが、あんまり小さくて、泥棒が入れなかったそうですよ。間抜けな話じゃありませんか」
その様子がどうも可怪おかしいので、お前は誰だと声をかけると、その男はいきなりに刀を引き抜いて番頭を目がけて斬ってかかりました。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「八つ折に疊んで、長い間持つて歩いたんだらう。折目がひどく痛んで、變な匂ひまで附いてゐるが、——可怪をかしいのは日附だよ」
人の形が、そうした霧のなかに薄いと、可怪あやしや、かすれて、あからさまには見えないはずの、しごいてからめたもつれ糸の、蜘蛛の幻影まぼろしが、幻影が。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「眼ばかりぢやねえ、寶冠の瓔珞やうらくから、襟も肩もぐつしよりだ。頭の上から涙を流すのは、佛樣にしても可怪をかしくはないか、八」
そんな工合で、その辺から誰かがひょっこり出て来たからとて、それは少しも可怪あやしく思われるような事もないのであった。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
とはつたけれども、黒猫くろねこはざらにある、べつ可怪をかしいともおもはなかつたのが、きずてからたまらなくになりした。しかも、たれたをとこ齒向はむいて、ウヽとつめぐのでない。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)