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可怪
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おかし
ふりがな文庫
“
可怪
(
おかし
)” の例文
その様子がどうも
可怪
(
おかし
)
いので、お前は誰だと声をかけると、その男はいきなりに刀を引き抜いて番頭を目がけて斬ってかかりました。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そうだな! 血糊がべっとりついていたというのは
可怪
(
おかし
)
いな! こんな雨の中でも見えるほどに血が流れ出していたんでは
蒲団
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
「なにそン時こそ
些
(
ちっと
)
ばかし
可怪
(
おかし
)
な顔をしたッけが、半日も
経
(
た
)
てば、また平気なものさ。なンと、本田さん、ずうずうしいじゃア有りませんか!」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
譬
(
たと
)
ひ今は世に亡き人にもせよ、正に自分の恋人であればだけれども、
可怪
(
おかし
)
、
枯野
(
かれの
)
の妖魔が
振舞
(
ふるまい
)
、我とともに死なんといふもの、恐らく
案山子
(
かかし
)
を
剥
(
は
)
いだ
古蓑
(
ふるみの
)
の
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
尤
(
もっと
)
も、自殺にしても、青酸を入れたコップとかビンとかが無いのは
可怪
(
おかし
)
いとも言うことが出来ます。
流行作家の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
雪江が、何とも
可怪
(
おかし
)
な心地でその辺の様子を眺めてゐると、階下に人の足音が聞えた。
夜の奇蹟
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
成程
使者
(
つかい
)
が丁度向に行った頃が十二時時分であったろうから、主筆も編輯長もまだ出社せぬというのは、そうであろう。が、「その金は渡すこと相成り難く候。」とあるのは
可怪
(
おかし
)
い。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
しかもその声のうちには、僕をびっくりさせるような
可怪
(
おかし
)
な響きがあった。
世界怪談名作集:13 上床
(新字新仮名)
/
フランシス・マリオン・クラウフォード
(著)
『
可怪
(
おかし
)
いなあ。して用件は?』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
継子さんは
食卓
(
ちゃぶだい
)
の上にうつ伏してゐるので、初めはなにか考へてゐるのかと思つたのですが、どうも様子が
可怪
(
おかし
)
いので、声をかけても返事がない。
停車場の少女:――「近代異妖編」
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「(そうです。)は
可怪
(
おかし
)
い。近所に居ながら、知らんやつがあるか、
判然
(
はっきり
)
謂
(
い
)
え、
落籍
(
ひい
)
たのか!」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は酔客よりも寧ろ、そんな光景を平気で眺めてゐる親父を
可怪
(
おかし
)
く思つた。
るい
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
確かに夕方
離屋
(
はなれ
)
に引取った切りですが、仕事があると言ってネ? 灯が
点
(
つ
)
いてますか
点
(
つ
)
いてる、死ねば一番先に
貴方
(
あなた
)
が知るわけですね、
可怪
(
おかし
)
いなア、
併
(
しか
)
し
悪戯
(
いたずら
)
にしちゃこの夜中に少し念入りだ。
流行作家の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「なんだか様子が
可怪
(
おかし
)
いぞ!」
蒲団
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
少しく
可怪
(
おかし
)
いとは思ったが、柔かいのは
恐
(
おそら
)
く
粘土
(
ねばつち
)
であろうと想像して、彼は
先
(
ま
)
ずここに両足を踏み固めた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
まだ
可怪
(
おかし
)
かつたのは、
一行
(
いつかう
)
が、
其
(
それ
)
から
過般
(
いつか
)
の、あの、
城山
(
しろやま
)
へ
上
(
のぼ
)
る
取着
(
とつつき
)
の
石段
(
いしだん
)
に
懸
(
かゝ
)
つた
時
(
とき
)
で。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「この頃はここらに
可怪
(
おかし
)
なことが始まりましてね。労働者がみんな逃げ腰になって困るんですよ。」
麻畑の一夜
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いや、これは
可怪
(
おかし
)
いぞ。
一人
(
ひとり
)
ばかり
居
(
ゐ
)
ないのなら、
女
(
をんな
)
が
何
(
ど
)
うかしたのだらうが、
店
(
みせ
)
も
婆
(
ばあ
)
さんもなくなつた、とすると……
前方
(
さき
)
が
攫
(
さら
)
はれたのぢやなくつて、
自分
(
じぶん
)
が
魅
(
つま
)
まれたものらしい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おつや (小声に力を
籠
(
こ
)
めて。)でも、あの人はどうも
可怪
(
おかし
)
いわ。
太
(
た
)
ァちゃんが
無暗
(
むやみ
)
にあの人を怖がるのは、なぜだろうと思っていたんだが、あたしも今、急に怖くなったわ。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ハテ
可怪
(
おかし
)
な事をいうと思いながら、指さす方を見あげたが、私の眼には
何物
(
なんに
)
も見えない。
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
安政四年の正月から三月にかけて
可怪
(
おかし
)
なことを云い触らすものが出来たんです。
半七捕物帳:30 あま酒売
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
気をつけて見れば見るほどどうも
可怪
(
おかし
)
いようにも思われたので、私はいっそ本人に
対
(
むか
)
って
打付
(
うちつけ
)
に
問
(
と
)
い
糺
(
ただ
)
して、その疑問を解こうかとも思ったが、
可哀
(
かあい
)
そうだからお
止
(
よ
)
しなさいと妻はいった。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「まあ、黙って聞くが
可
(
い
)
い。それには又
種々
(
いろいろ
)
の
可怪
(
おかし
)
な話が絡んでいるのだ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
祖父
(
おじい
)
さんは少し酔っていたので、何か小唄を
謳
(
うた
)
いながらぶらぶら来ると、
路傍
(
みちばた
)
の樹の蔭から
可怪
(
おかし
)
な者がちょこちょこ出て来た。猿のような、
小児
(
こども
)
のような者で、
矢
(
や
)
はり
真直
(
まっすぐ
)
に立って歩いて行く。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
併
(
しか
)
しそれが
可怪
(
おかし
)
いじゃアないか、
其
(
そ
)
の奥様は大層継子を可愛がったと云うのに、どうして
其
(
そ
)
んな怖しい事を
巧
(
たく
)
んだのだろう」相手は私の無経験を
嘲
(
あざ
)
けるように
冷笑
(
あざわら
)
って「サアそこが女の
浅猿
(
あさまし
)
さで、 ...
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「もう五、六年まえから
可怪
(
おかし
)
いんですよ。」
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
怪
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
“可怪”で始まる語句
可怪気