“貴方”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あなた88.2%
あんた8.8%
あん0.5%
ムッシュウ0.5%
おうち0.3%
あな0.3%
あなたがた0.3%
おこと0.3%
きさま0.3%
こなた0.3%
そなた0.3%
ヴォルゲボーレン0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「まあ、宇佐美さん、断然久し振りねエ、何んという風の吹き廻しでしょう、近頃は貴方の禿げ振りを夢に見て仕様が無いのよ」
青い眼鏡 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
何や……怪我貴方は何やかて、美津さんは天人や、その人の夫やもの。まあ、二人して装束をお見やす、を並べたようやないか。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「よろしおす。傘屋におした所で何の役にも立ちよらんが、貴方さんやと拍子木にも値打が出ますやろからな。」
こっちへお寄り下さい、貴方、私は眼が霞んで物の見分けもつかぬ上に、耳鳴りがしてお話もよく聞き取れません。どうぞ、ずっとへいらして下さい、そこに椅子がありましょう。
自責 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「恥かしいですけど、お茶はあんまりしてませんの。是非教わろうと思てるんですけど。——ところで、話ちがいますけど、貴方キネマスターで誰がお好きですか?」
秋深き (新字新仮名) / 織田作之助(著)
そんな事は貴方た男だから女だからのって事はありゃあしません。
千世子(三) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
聞き寛々と御逗留遊ばさるべし貴方には江戸表不案内と申事なれば爰にひあり私し兄江戸馬喰町二丁目に武藏屋長兵衞と申て當時旅宿を致して居るにより是へ先御落着ありて寛々江戸見物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
貴方弥之さんではござんしないか」
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
藤八はオヽ吃驚する貴方が歸つた其跡に落して置た此三徳中は六三略の卷ドリヤ/\讀で聞せやう皆の
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
乳母 はれま、結構なお教訓ぢゃ、すがら此處居殘っても、聽聞がしたいわいの。てもま、學問いものぢゃな! 殿さん、貴方さしますことをさまにしましょ。
治平殿貴方も心得てなすったので有ろうが、君も前橋では立派な商人じゃと云う事だが、実に此の上ない不品行な事じゃアないか
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
法水さん、貴方——いや閣下! この事件の恐竜と云うのは、とりもなおさず貴方のことだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)