“そなた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ソナタ
語句割合
其方58.1%
16.9%
其女10.5%
和女6.5%
彼方1.6%
足下1.6%
0.8%
和郎0.8%
其許0.8%
某女0.8%
楼主0.8%
貴方0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三人かくはたちならびしが、いまだものいわむとする心も出でず。呆れて茫然と其方そなたを見たる、楓の枝ゆらゆらと動きて、大男の姿あり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夙起はやおきの癖故にそなたまでを夙起はやおきさしてなお寒き朝風につれなくそでをなぶらする痛わしさと人をかばう御言葉、しんぞ人間五十年君に任せて露おしからず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「政子か。ここへかけるがよい。……何、べつにこれまで呼ぶ程の用でもないが、誰もおらぬ所のほうが、其女そなたもよかろうと思うてな」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うるほせしが此方に向ひてコリヤ娘必ず泣な我も泣じ和女そなたそだて此年月よき婿むこ取んと思ふ所へ幸ひなるかなと今度の婚姻無上こよなき親娘おやこが悦びを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
妻と来て、お許に来て、今日けふくつろぐと、子らもゐて。茶寮にはのはひり、石いくつ水うつあひだ、彼方そなた見て、もの言ひてます物ごしのあはれ、よくぞ似る妻が母刀自、子らにもけだし。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
引受ひきうけアノ一てつなる親父殿どのに罪なき足下そなた打擲たゝかれ廿餘年の奉公を贅事むだにしていとまを引され夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いま餘波なごりさへもないそのこひあぢつけうために! そなた溜息ためいきはまだ大空おほぞら湯氣ゆげ立昇たちのぼり、そなた先頃さきごろ呻吟聲うなりごゑはまだこのおいみゝってゐる。
ロレ ロミオよ、てござれ、てござれよ、こりゃ人目ひとめおそはゞかをとこ。あゝ、そなた憂苦勞うきくらう見込みこまれて、不幸ふしあはせ縁組えんぐみをおやったのぢゃわ。
引摺ひきずり込み結納ゆひなふまでも取交とりかはせしぞ息子せがれこゝろかなうたる者にてあらばとはいふたれど惡ひ病があつてもいと我々夫婦は決して云ぬに和郎そなたは左樣な女兒むすめとも知ずにえん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
も見ずして我家へかへり向ふの始末斯々かう/\はなしてあせぬぐひけり夫婦は聞て先は安堵あんど此事一子せがれに云ん物と思へど未だ暇にとぼしく咄しもせねば和郎そなたまづ一子せがれとくと此よし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……おくよ、其許そなたまへむすめうて、婿むこがねパリスどのゝふか心入こゝろいれほどらせて、よいかの、つぎ水曜日すゐえうびには……いや、ちゃれ、けふは何曜日なにえうびぢゃ?
ひとつ、某女そなたが兄半兵衛と共に参って、そこのかたくなな敵の城門を叩いてみるのだ。よいかの。真心をこめて訪れるのだ。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
楼主そなたの心入れは重々かたじけないが、さればというてこのまま手を引いてしもうてはこっちの心が一つも届かぬ。商売は商売。人情は人情じゃ。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
治平殿貴方そなたも心得てなすったので有ろうが、君も前橋では立派な商人あきゅうどじゃと云う事だが、実に此の上ない不品行な事じゃアないか
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)