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餘波
読み方 | 割合 |
なごり | 76.5% |
よは | 17.6% |
あまり | 5.9% |
今は
餘波さへもない
其戀を
味つけうために!
卿の
溜息はまだ
大空に
湯氣と
立昇り、
卿の
先頃の
呻吟聲はまだ
此老の
耳に
鳴ってゐる。
北八は、にやり/\、
中流に
至る
頃ひ
一錢蒸汽の
餘波來る、ぴツたり
突伏して
了ふ。
危えといふは
船頭の
聲、ヒヤアと
肝を
冷す。
雫の
餘波、
蔓にかゝりて、
玉の
簾の
靡くが
如く、
頓てぞ
大木を
樹上つて、
梢の
閨を
探り
得しが、
鶴が
齊眉く
美女と
雲の
中なる
契を
結びぬ。