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餘波
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なごり
ふりがな文庫
“
餘波
(
なごり
)” の例文
新字:
余波
今
(
いま
)
は
餘波
(
なごり
)
さへもない
其
(
その
)
戀
(
こひ
)
を
味
(
あぢ
)
つけうために!
卿
(
そなた
)
の
溜息
(
ためいき
)
はまだ
大空
(
おほぞら
)
に
湯氣
(
ゆげ
)
と
立昇
(
たちのぼ
)
り、
卿
(
そなた
)
の
先頃
(
さきごろ
)
の
呻吟聲
(
うなりごゑ
)
はまだ
此
(
この
)
老
(
おい
)
の
耳
(
みゝ
)
に
鳴
(
な
)
ってゐる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
こは彼翁の娘なりき。少女はチプリイの酒を汲みて我に與へぬ。我がこれを飮みて、少女が
壽
(
ことほぎ
)
をなしゝとき、その頬にはサロモ王の
餘波
(
なごり
)
の血こそ上りたれ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
宵々
(
よひ/\
)
の
稻妻
(
いなづま
)
は、
火
(
ひ
)
の
雲
(
くも
)
の
薄
(
うす
)
れ
行
(
ゆ
)
く
餘波
(
なごり
)
にや、
初汐
(
はつしほ
)
の
渡
(
わた
)
るなる、
海
(
うみ
)
の
音
(
おと
)
は、
夏
(
なつ
)
の
車
(
くるま
)
の
歸
(
かへ
)
る
波
(
なみ
)
の、
鼓
(
つゞみ
)
の
冴
(
さえ
)
に
秋
(
あき
)
は
來
(
き
)
て、
松蟲
(
まつむし
)
鈴蟲
(
すゞむし
)
の
容
(
かたち
)
も
影
(
かげ
)
も、
刈萱
(
かるかや
)
に
萩
(
はぎ
)
に
歌
(
うた
)
を
描
(
ゑが
)
く。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あとも先もなければ何の事とも思はれず、又物爭ひの
餘波
(
なごり
)
では無きか、いつも言ふ通り年寄りの一徹に遠慮なき小言などを、心に懸けては一日の辛棒もなるまじく
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
云
(
いふ
)
一
言
(
こと
)
が此世の
餘波
(
なごり
)
涙
(
なみだ
)
に
濕
(
しめ
)
る
枕邊
(
まくらべ
)
は雨に
亂
(
みだ
)
れし
糸萩
(
いとはぎ
)
の
流
(
なが
)
れに
沈
(
しづ
)
むばかりなり然ば
男乍
(
をとこなが
)
らも吉兵衞は
狂氣
(
きやうき
)
の如く
歎
(
なげ
)
きつゝ
斯
(
かく
)
まで妻の
顏
(
かほ
)
痩
(
やせ
)
て昔に
變
(
かは
)
る
哀
(
あは
)
れさよと
落
(
おつ
)
る涙を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
お
品
(
しな
)
は
手桶
(
てをけ
)
の
柄
(
え
)
へ
横
(
よこ
)
たへた
竹
(
たけ
)
の
天秤
(
てんびん
)
へ
身
(
み
)
を
投
(
な
)
げ
懸
(
か
)
けてどかりと
膝
(
ひざ
)
を
折
(
を
)
つた。ぐつたり
成
(
な
)
つたお
品
(
しな
)
はそれでなくても
不見目
(
みじめ
)
な
姿
(
すがた
)
が
更
(
さら
)
に
檢束
(
しどけ
)
なく
亂
(
みだ
)
れた。
西風
(
にしかぜ
)
の
餘波
(
なごり
)
がお
品
(
しな
)
の
後
(
うしろ
)
から
吹
(
ふ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
靄
(
もや
)
の
中
(
なか
)
を、
此
(
こ
)
の三
人
(
にん
)
が
來
(
き
)
て
通
(
とほ
)
りすがつた
時
(
とき
)
、
長
(
なが
)
いのと
短
(
みじか
)
いのと、
野墓
(
のばか
)
に
朽
(
く
)
ちた
塔婆
(
たふば
)
が二
本
(
ほん
)
、
根本
(
ねもと
)
にすがれた
尾花
(
をばな
)
の
白
(
しろ
)
い
穗
(
ほ
)
を
縋
(
すが
)
らせたまゝ、
土
(
つち
)
ながら、
凩
(
こがらし
)
の
餘波
(
なごり
)
に
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
見
(
み
)
えぬ
物
(
もの
)
の
限
(
かぎ
)
りあればにや
今日
(
けふ
)
珍
(
め
)
づらしく
鳶
(
とび
)
なきて
雨
(
あめ
)
の
餘波
(
なごり
)
に
軒
(
のき
)
ばの
露
(
つゆ
)
に
照
(
て
)
る
日
(
ひ
)
あたらしく
玉
(
たま
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
下に置き小娘に向ひ
斯
(
かく
)
廣
(
ひろ
)
き家に唯一人立ち
働
(
はたら
)
き給ふは昔しの
餘波
(
なごり
)
痛
(
いたま
)
しく思ふなり殊に病人の有る樣子に
見受
(
みうけ
)
しが
其方
(
そなた
)
の父なるか母は
在
(
いま
)
さずや其方名は何んと申す
今宵限
(
こよひかぎ
)
りの宿ながら聞まほしと云ひければ娘は
忽
(
たちま
)
ち
涙
(
なみだ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
錦
(
にしき
)
に
面影
(
おもかげ
)
を
留
(
と
)
めた
風情
(
ふぜい
)
は、
山嶽
(
さんがく
)
の
色香
(
いろか
)
に
思
(
おもひ
)
を
碎
(
くだ
)
いて、
戀
(
こひ
)
の
棧橋
(
かけはし
)
を
落
(
お
)
ちた
蒼空
(
あをぞら
)
の
雲
(
くも
)
の
餘波
(
なごり
)
のやうである。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
餘波
(
なごり
)
いかにと訪ふ人もなく、哀れに淋しき主從三人は、
都會
(
みやこ
)
ながらの山住居にも似たるべし
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
船
(
ふね
)
のある
事
(
こと
)
……
帆柱
(
ほばしら
)
に
卷着
(
まきつ
)
いた
赤
(
あか
)
い
雲
(
くも
)
は、
夕日
(
ゆふひ
)
の
餘波
(
なごり
)
で、
鰐
(
わに
)
の
口
(
くち
)
へ
血
(
ち
)
の
晩御飯
(
ばんごはん
)
を
注込
(
つぎこ
)
むんだわね。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
姉なる人が全盛の
餘波
(
なごり
)
、延いては
遣手新造
(
やりてしんぞ
)
が姉への世辭にも、
美
(
み
)
いちやん人形をお買ひなされ、これはほんの手鞠代と、呉れるに恩を着せねば貰ふ身の有がたくも覺えず、まくはまくは
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
姉
(
あね
)
なる
人
(
ひと
)
が
全盛
(
ぜんせい
)
の
餘波
(
なごり
)
、
延
(
ひ
)
いては
遣手新造
(
やりてしんぞ
)
が
姉
(
あね
)
への
世辭
(
せじ
)
にも、
美
(
み
)
いちやん
人形
(
にんげう
)
をお
買
(
か
)
ひなされ、これはほんの
手鞠代
(
てまりだい
)
と、
呉
(
く
)
れるに
恩
(
おん
)
を
着
(
き
)
せねば
貰
(
もら
)
ふ
身
(
み
)
の
有
(
あり
)
がたくも
覺
(
おぼ
)
えず、まくはまくは
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
浮世
(
うきよ
)
の
欲
(
よく
)
を
金
(
かね
)
に
集
(
あつ
)
めて、十五
年
(
ねん
)
がほどの
足掻
(
あが
)
きかたとては、
人
(
ひと
)
には
赤鬼
(
あかをに
)
と
仇名
(
あだな
)
を
負
(
おほ
)
せられて、五十に
足
(
た
)
らぬ
生涯
(
しようがい
)
のほどを
死灰
(
しくわい
)
のやうに
終
(
おは
)
りたる、それが
餘波
(
なごり
)
の
幾万金
(
いくまんきん
)
、
今
(
いま
)
の
玉村恭助
(
たまむらけうすけ
)
ぬしは
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
餘
部首:⾷
16画
波
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
“餘”で始まる語句
餘
餘程
餘所
餘計
餘裕
餘念
餘地
餘儀
餘人
餘燼