“痛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いた57.1%
いて8.9%
いたみ7.1%
3.9%
3.6%
ひど3.0%
いと2.7%
2.4%
いたま1.8%
いつ1.5%
したた0.6%
いたく0.6%
いため0.6%
いたわ0.6%
0.6%
イタ0.6%
えて0.3%
つら0.3%
いさ0.3%
いたは0.3%
いたん0.3%
いだ0.3%
いてえ0.3%
いみじ0.3%
うず0.3%
えた0.3%
したたか0.3%
0.3%
つう0.3%
つつ0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのひかりの中にかすかに人らしい姿すがたえたので、保名やすなはほっとして、いたあしをひきずりひきずり、岩角いわかどをたどってりて行きますと
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
多「危ねい所をお救い下さいやして、何処のお人だか有難うがんした、あゝいてい、頭が割れる程たれた、丁度二十七ちやんした」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
し一方が余の見立通り老人は唯一突にていたみを感ずる間も無きうちに事切れたりと見定むるとも其一方が然らずと云わば何とせん
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「……ウッ……つつつ……」とあけを片手に抱きしめながら、硝煙しょうえんを離れた姿は、ドンと、仰むけに地ひびきをうった。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とたんに棚に頭をごつんとぶちつけ、た! と仰天したやうな悲鳴を発して頭を抱へると、胴を丸くし首をちぢめて一散に走り出した。
青春の天刑病者達 (新字旧仮名) / 北条民雄(著)
粗末な造作なので、私のゐる部屋の上に當る寢室では、三人の兄弟が半分怒つたり、半分ふざけてゐるらしく、どすん/\とひどい足音を響かせた。
小さき影 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
「わたしな、数字みただけで頭がいとうなるんで。県立の試験やこい、だれがうけりゃ。その日になったら、わたし、病気になってやる」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
と、ちとめる容子ようすを見せた。それに対し秀吉が、どこかへ入湯でもしては——とすすめると、彼は、ほろ苦い笑みを口辺にゆがめた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は予期していたことにつかったような気がして、いたましく思い、どうぞ無事でいてくれればよいがと、心に念じていました。
むかでの跫音 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
これに気を得ていさみをなし、二人の書生は腕を叩きこぶしふるうて躍懸おどりかかれば、たれぬさきに、「あいつ、」「おいて。」と皆ばたばた。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼はつひに堪へかねたる気色けしきにて障子を推啓おしあくれば、すずしき空に懸れる片割月かたわれづき真向まむきに彼のおもてに照りて、彼の愁ふるまなこは又したたかにその光を望めり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
丁度活動写真を見詰みつめる子供のように、自分は休みなく変って行く時勢の絵巻物をば眼のいたくなるまで見詰めていたい。
銀座 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いためしとてつゑすがりて參りし處惡い駕籠舁かごかきどもに付込れ當底たう/\あざむかれ乘て參りたるが今頃いまごろは此熊谷土手の中程なかほどにて路金も女も定めしとられ給ひしならんアヽ思ひ出しても可愛かあいさうな事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けれども余りにいたわしい。ひとえに獣にとお思いなすって、玉のごときそのお身体からだを、砕いて切ってもてたいような御容子ごようすが、余りお可哀相かわいそうで見ておられん。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
てえか、そんでもたえしたこともねえから心配しんぺえすんなよ」おつぎははらはれたきたな卯平うへい白髮しらがへそつとあてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ヨキ文章ブンショウユエ、ワカ真実シンジツ読者ドクシャ、スナワチチテ、キミガタメ、マコト乾杯カンパイイタイッ! トビアガルホドノアツキ握手アクシュ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
液汁みづしたばかりにやちつたえてえとも、そのけえしすぐなほつから」勘次かんじはおつぎを凝然ぢつてそれからもういびきをかいて與吉よきちた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
が、そうは思ったものの、自分の今の場合、折角探しあてた宝をむざ/\他人に遊ばれるのは身を斬られるようにつらい。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
商「エーイ主人がね此方こっひえようとすう、てもえ此方ほっひけようとする時にほろがりまして、主人の頭とうわしの頭とぼつかりました処が、石頭ゆいあさまいさかった事、アハアしべてえや」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
六条河原にしてこと/″\く生害に及びなんとなり、益田少将此事をよくしれり、いたはしき事のいたりいたはしきは、此上あるべからず、かやうなる憂事を聞なば、身もあられん物か
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
で、いよいよ移居ひっこしを始めてこれに一朝ひとあさ全潰まるつぶれ。傷もいたんだが、何のそれしきの事にめげるものか。もう健康な時の心持はわすれたようで、全く憶出おもいだせず、何となくいたみなじんだ形だ。
「じゃ、じゃ、じらえだが、いだぐしたが。」
鹿踊りのはじまり (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
不意をくらってまなこくらみ「いてえ。」と傷をおさえしが、血をて、「えッ非道ひどいことを。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
をんなの徳をさへかでこの嬋娟あでやかに生れ得て、しかもこの富めるにへる、天のめぐみと世のさちとをあはけて、残るかた無き果報のかくもいみじき人もあるものか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
四月になったから大きな声をして時鳥がくというのは表面の意味で、そのうらには「うずき来て根太ねぶと」——ねぶとは腫物はれもの——という滑稽こっけいが含まれています。
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
ぢいえたくしてんだつけな、そんぢや先刻さつきくすりつてもらあとこだつけな」おつぎは卯平うへい手先てさきにしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いでや、彼はくるしみてその長きひげをばしたたかひねりつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それで、今夜も、出席しなさるように、自分から申し出て居られたんじゃが、夕方ごろから、持病の胃がくので、失礼する、玉井によろしゅう、と、お言付ことづけがあったんじゃ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
侍士へ申のべけるに然らば此段申上べしと云て侍士は立歸たり因て名主用右衞門は不思議ふしぎの事に思ひひそかに心つうしてぞ居たりける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
古手拭ふるてぬぐいで、我が鼻を、頸窪ぼんのくぼゆわえたが、美しい女の冷い鼻をつるりとつまみ、じょきりと庖丁でねると、ああ、あつつ焼火箸やけひばしてのひらを貫かれたような、その疼痛いたさに、くらんだ目が、はあ
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あっ。……ア。……そう首を締めちゃアしゃべれといっても、何もしゃべれやしねえじゃねえか。もう何でもいっちまうから、手をゆるめてくんねえ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)