“歯痛”のいろいろな読み方と例文
旧字:齒痛
読み方割合
しつう60.0%
はいた40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
聞いて見ると、この歯医者の先生は、いまだかつて歯痛しつうの経験がないのだそうである。それでなければ、とてもこんなに顔のゆがんでいる僕をつかまえて辣腕らつわんをふるえる筈がない。
田端日記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
歯痛しつうおのずからおさまったので、秋におそわれるような寒い気分は、少し軽くなったけれども、やがて御米が隠袋ポッケットから取り出して来た粉薬を、ぬるま湯にいてもらって、しきりに含嗽うがいを始めた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
士行氏は二者ふたつとも気に入らなかつた。国子さんには什麽どんなに言つたか知らないが、フロツクコートを見た時には、急に歯痛はいたでも起きたやうに、泣き出しさうな顔をして頼んだ。
「歯が悪かったのだね。そして、よく頬に歯痛はいた止めの貼り薬をしていたと云うじゃないか」
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)