“歯切”のいろいろな読み方と例文
旧字:齒切
読み方割合
はぎし27.3%
はぎしり27.3%
はぎ18.2%
はぎれ18.2%
はがみ9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正木博士の口をアングリと開いて、呆気あっけに取られている顔を見下しつつ、ギリギリと歯切はぎしりをして、唇を震わした。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
蚊がぶうんとうなって、歯切はぎしりもどこかでする。あかりの暗い、鬱陶うっとうしかるべき蚊帳の内も、主人あるじがこれであるから、あえて蒸暑くもないのであった。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ハイフェッツは技巧征服的で、エルマンも昔のつやはない。この曲はやはり、纏綿てんめんたる歌に満ちた演奏で、そのくせ歯切はぎれの良いものでなければいけない。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
レコードではビクターにバックハウスの歯切はぎれの良い技巧的に美しいのが入っている(JD一一六二—五)。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
梓は歯切はがみをして、と寄って、その行為おこないなじったが、これに答えた警官のことばは、極めて明瞭に、且つ極めて正当なものであった。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)