“灯”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
38.5%
あかり25.8%
とも8.5%
ともしび8.4%
あか4.4%
ともし3.6%
3.1%
2.8%
あかし1.4%
とう1.3%
(他:21)2.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“灯”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語20.5%
文学 > 日本文学 > 詩歌7.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)7.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
ひとからつめともすようだといわれるのも構わずに、金ばかりめた当時は、どんなに楽しかったろう。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夜汽車で新橋へ着いた時は、久しぶりに叔父夫婦の顔を見たが、夫婦とものせいか晴れやかな色には宗助の眼に映らなかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その立廻りですもの。あかりが危いからわき退いて、私はそのたびに洋燈ランプおさえ圧えしたんですがね。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
言いかけて四辺あたりを見まわしたまいし。小親の姿ちらりと動きて、ものの蔭にぞなりたる。ふッとあかりを吹消したまい、
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
高津の宮の鳥居を出ると、坂下に、駕鉄かごてつという油障子がともっている。もう自分だけ浮かれ機嫌になっている狂風が、
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かじかむ手、白い息、みずからとも燈明とうみょうの虹の中に彼はふと耳をすまして、頼春頼春、と二た声ばかり呼んだ。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雨に風に散りおくれて、八重に咲く遅きを、夜にけん花の願を、人の世のともしびが下から朗かに照らしている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
帆村の命は、乱暴者のトラ十の前に、今や風前のともしび同様である。彼の命と、貴重なX塗料とが同時に失われそうになってきた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
……深々とやわらかなソファはいい坐り心地だったし、客間の夕闇のなかにはあかりがいかにも優しげにまたたいていた。
イオーヌィチ (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
横堀を越えて寺町の区域をぬけると、もう大阪らしい町家の賑わいは影を滅して、幾万坪ともない闇に、数えるほどな遠いあかり。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
裸脱はだぬぎの背に汗を垂々たらたらと流したのが、ともしかすかに、首を暗夜やみ突込つっこむようにして、
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
座敷の中央に端然と花村親子が坐っていて、一個の短檠たんけいに細々と鯨油のともしがともっている。如来衛門は平伏した。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
つい今先刻さっき、吾輩がここを出かける時まで空室あきべやであった、あの六号の病室にアカアカと電燈がいている。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
枕許には、水差しと湯呑、それに、有明の行燈あんどんが一つ、一本燈芯で、薄明くいてゐるといつた寸法でした。
とたんに、かれの白足袋たびが、そばに置いた手雪洞てぼんぼりを踏みつけ、一道のかげが天井へれたかと思うと、
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
屋根裏からは何の物音も聞えて来ないが、梯子段の上り口にかげがゆらめいているのを見れば、人がいることは確かである。
暗いみあかしの光りの代りに、其頃は、もう東白みの明りが、部屋の内の物の形を、おぼろげにあらわしはじめて居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
部屋へやあかしける途端とたんに、入口いりぐちとびらをコト/\とかるたゝくものがある。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
窓という窓がすっかり閉ってしまうと、室内には桃色のネオンとうが一つ、薄ボンヤリと器械の上を照らしていた。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
運河は矢鱈やたらと曲り、曲り角の高い壁に折折をりをり小さな瓦斯がすとうの霞んでる所もある。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
普通なみの小さきものとは違いて、夏の宵、夕月夜、ひともす時、黄昏たそがれには出来いできたらず。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ほんのりと、庭の燈籠とうろうと、室内にもわざと遠くにばかりひともさせたのが、憎い風情であった。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そのほとんど狼の食いちらした白骨のごとき仮橋の上に、陰気な暗い提灯の一つに、ぼやりぼやりと小按摩がうごめいた。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わけて、こがらしの吹きすさぶ夜は、大岳たいがくの木の葉が、御簾ぎょれんのあたりを打ッて、ともしのささえようすらないのであった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうしてへやの中にとぼれている丸硝子ガラスの行燈の、薄黄色い光りで向うを見ますと、妾は自分の眼を疑わずにはおられませんでした。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
秀三郎は、いかけたタバコをポンと地下室の向うに抛って、薄暗の中にポーッと赤い火のとぼるのを見乍ら、卓子に手をついて、ウン、と寝椅子から起き上った時でした。
足の裏 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
と私もやっとの思いで初めて口を利くと慌てて袂からハンカチを出して顔を拭いた。途端に頭の上の電燈が眩しく紫色にもった。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
とぼそ漏る赤きとぼしに照らされて
夜の讃歌 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)
――皆な二階に集つてゐたので、蔵前の雛段の前には人影がなく、徒らに雪洞のひかりが明るいだけだつた。
熱い風 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
暗いみアカシの光りの代りに、其頃は、もう東白みの明りが、部屋の内の物の形を、オボろげにアラハしはじめて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)