“小提灯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こぢょうちん65.0%
こぢやうちん15.0%
こじょうちん5.0%
こちやうちん5.0%
こぢゃうちん5.0%
こぢようちん5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
濡れた笠と合羽を脱ぎ捨てて、また革袋から小提灯こぢょうちんを取り出し、床に立てた蝋燭をそれにうつして一通り社殿の中を見廻しました。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
墨汁一滴ぼくじふいつてき」や「病牀びやうしやう六尺」中に好箇の小品少からざるは既に人の知る所なるべし。就中なかんづく「病牀六尺」中の小提灯こぢやうちんの小品の如きは何度読み返してもかざる心ちす。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
という、ななめに見える市場の裏羽目に添って、紅蓼べにたでと、露草の枯れがれに咲いて残ったのが、どちらがその狐火きつねび小提灯こじょうちんだか、濡々ぬれぬれともれて、尾花にそよいで……それ動いて行く。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
きはめ其夜兩國橋へ行きすでに身をなげんとたりしとき小提灯こちやうちんを持ちたる男馳寄かけよつてヤレまたれよと吉之助をいだとゞめるに否々いな/\是非死なねばならぬ事あり此所ここはなしてと云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
虫鳴くや河内通ひの小提灯こぢゃうちん
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
しばらくして小提灯こぢようちん火影ほかげあかきが坂下より急ぎのぼりて彼方かなたに走るを見つ。ほどなく引返ひつかえしてわがひそみたるやしろの前に近づきし時は、一人ならず二人三人ふたりみたり連立つれだちてきたりし感あり。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)