“墨汁一滴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼくじふいつてき50.0%
ぼくじゅういってき50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
墨汁一滴ぼくじふいつてき」や「病牀びやうしやう六尺」中に好箇の小品少からざるは既に人の知る所なるべし。就中なかんづく「病牀六尺」中の小提灯こぢやうちんの小品の如きは何度読み返してもかざる心ちす。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
三 「墨汁一滴ぼくじふいつてき」や「病牀びやうしやう六尺」に「脳病なうびやうを病み」云々うんぬんとあるは神経衰弱のことなるべし。僕は少時正岡子規まさをかしきは脳病などにかかりながら、なぜ俳句が作れたかと不思議に思ひし覚えあり。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
はた如何いかにして病のとこのつれづれを慰めてんや。思ひくし居るほどにふと考へ得たるところありてつい墨汁一滴ぼくじゅういってきといふものを書かましと思ひたちぬ。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
進んで三十四年に入ると、「病牀俳話」という短い問答体のものが一つあるだけで、俳句に関する意見も『墨汁一滴ぼくじゅういってき』の中で折々述べるというようになった。
「俳諧大要」解説 (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)