“此所”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ここ58.5%
こゝ33.1%
このところ3.4%
これ0.8%
こちら0.8%
こつち0.8%
こなた0.8%
こゝい0.8%
ココ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おや、此所ここにいらっしゃるの」と云ったが、「一寸ちょいと其所そこいらにわたくしくしが落ちていなくって」と聞いた。櫛は長椅子ソーファの足の所にあった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おや、此所こゝらつしやるの」と云つたが、「一寸ちよいと其所そこいらにわたくしくしが落ちてなくつて」と聞いた。くし長椅子ソーフアあしところにあつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたくしは此所このところに瑞仙の書上かきあげを参照しなくてはならない。「時天明八戊午年人始て曼公の術あることを知る」と云ふ文である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
おゝそれからう、コレ伊丹いたみなにみな此所これい。伊「へい/\。登「かみこれだけのお道具だうぐ何日いつにかお集めになつたのだ。伊「へえー、これなんまうすもので。 ...
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
犯人はとても手際の巧い奴ですな。奥さん、此所こちらの門の際で若奥さんと貴女と無駄口を
目撃者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「臺所奉行」なぞと、お駒を呼ぶものがあつて、遂には彼所あつちからも此所こつちからも、「おい臺所奉行」と叫ぶ聲が聞えた。
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
附て道中をなされましとはなしながらに行所を此所こなた松陰まつかげより忽然ぬつと出たる畔倉重四郎ものをも云ずうまうへなる飛脚の片足かたあしをばつさりと切付きりつけたり飛脚はアツと馬よりころげ落るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此所こゝいらがいゝだらうと船頭は船をとめて、錨を卸した。幾尋いくひろあるかねと赤シヤツが聞くと、六尋位だと云ふ。六尋位ぢや鯛は六※かしいなと、赤シヤツは糸を海へなげ込んだ。
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ワタシノコトワ、本ヲヒロウタ人ニキイテ下サイ、サウシテワタシヲ此所ココカラダシテ下サイ、アナタワ、キレイデ、カシコイ人デスカラ、キツト助ケテ下サイマス。
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)