“一寸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょっと60.5%
ちよつと18.5%
いっすん7.0%
ちょいと3.1%
ちよいと2.5%
いつすん1.8%
ちょっ1.1%
ちよつ0.8%
ちよい0.7%
ちょい0.6%
ちよツと0.5%
ちょと0.5%
ちつと0.3%
ちょッと0.3%
ちっと0.3%
ちよと0.2%
ちょつと0.1%
すこし0.1%
ちい0.1%
ちと0.1%
ちゃと0.1%
ちょ0.1%
ちよ0.1%
ちよち0.1%
ちよつくら0.1%
イツスン0.1%
チヨツト0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「で犯行の手掛てがかりは? 被害者の身許みもとが分らないとすると、せめて、犯人の手口を示す、一寸ちょっとした証拠でも残ってはいなかったかしら」
かれこもつくこをかついでかへつてとき日向ひなたしもすこけてねばついてた。おしな勘次かんじ一寸ちよつとなくつたのでひどさびしかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一寸いっすんの虫にも五分ごぶの魂というが当節はその虫をばじっと殺していねばならぬ世の中。ならぬ堪忍するが堪忍とはまず此処ここらの事だわ。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「おや、此所ここにいらっしゃるの」と云ったが、「一寸ちょいと其所そこいらにわたくしくしが落ちていなくって」と聞いた。櫛は長椅子ソーファの足の所にあった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おや、此所こゝらつしやるの」と云つたが、「一寸ちよいと其所そこいらにわたくしくしが落ちてなくつて」と聞いた。くし長椅子ソーフアあしところにあつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
風葉ふうえふは「身長今一寸いつすん」を希望とし、春葉しゆんえふは「四十迄生きん事」を希望とし、紅葉は「欧洲大陸にマアブルの句碑を立つ」を希望とす。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
夫も詳しくは覚えぬと云いますけれどどうだか顔が面長くて別に是と云う癖も無く一寸ちょっと見覚えの出来にくい恰好だッたと申ます
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
もつと左樣さうするまへ老人らうじん小聲こゞゑ一寸ちよつ相談さうだんがあつたらしく、金貸かねかしらしい老人らうじんは『勿論もちろんのこと』とひたげな樣子やうすくびかたせてたのであつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あの婆やもよくないのよ。一寸ちよい/\青木さんに内証で奥さんに会ひに行くんださうだからね。だから青木さんは、一方から言へば、あの婆やが行つて了つたのを
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
一寸ちょいとお若を見ますると変な様子でげすから、伊之助もなんとなく白けて見え、手持無沙汰でおりますので、お若さんもようよう気がいて
御経おきやうふしをつけて外道踊げだうをどりをやつたであらう一寸ちよツと清心丹せいしんたんでも噛砕かみくだいて疵口きずぐちへつけたらうだと、大分だいぶなかことがついてたわ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その側面には複雑なひだのある毛織物で、巧みに錯覚を起させるようなカムフラージュが施され、一寸ちょと見たのでは少しも分らないように出来ていた。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
寂光院の若い尼を主人公にして、其若い尼と四條で見た舞子とを姉妹にして趣向を立てたのだが筆が澁つて一寸ちつとも運ばぬ。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
育つにれて、丸々とふとって可愛らしかったのが、身長せいに幅を取られて、ヒョロ長くなり、かおひどくトギスになって、一寸ちょッと狐のような犬になって了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
すると格二郎も、一寸ちっと子供になって、あばよ、しばよ、という様な訳で、弁当箱をガチャガチャ云わせて、手をふりながら挨拶するのだ。
木馬は廻る (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
無理圧して感応寺に行かるゝ心か、強過ぎる、仮令行つたとて働きはなるまじ、行かいでも誰が咎めう、行かで済まぬと思はるゝなら妾が一寸ちよと走り
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「でも」と云つた、三千代は少し挨拶に困つた色を、ひたひの所へあらはして、一寸ちょつとしたを見たが、やがてほゝげた。それが薄赤くまつて居た。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
お島に聞いたら、あれはおどかしだと言ったが、お父さんは大分怒ってるようだ。乃公見たいな者はっとして坐っていれば宜い。一寸すこし身体を動かして何かするとそれが直ぐ悪戯になる。厄介な生来うまれつきだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
あるいは兵制は甲州流がいと云て法螺ほらの貝をふいて藩中で調練をしたこともある。ソレも私はただ目前もくぜんに見て居るばかりで、いとも悪いとも一寸ちいとも云たことがない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
眞「旦那にお目に懸りたいのでげすが、うぞ一寸ちと和尚さんに逢わしてお呉んなさい」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一寸ちゃと、ござりまへんで。」
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其焼く手際が見ていて面白いほどの上手である。二人は一寸ちょたってみていた
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
斯ういふキビ/\した腕節うでつぷしの野郎に一寸ちよいと口を掛けて見たいのだ…………
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
巴里パリイの郊外※ロン・グブレエから英国のロンドンへ「雲を霞」とお手の物で飛んで仕舞しまつたのは人人を一寸ちよち痛快がらせた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「どうしたつちこともねえがなよ、らこつちのはうとほつたもんだから一寸ちよつくらがゝつてところさ」おつたはなに理由わけ有相ありさう口吻くちつきかるくいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
九郎兵衛は固より、一寸イツスン徳兵衛・釣舟三婦サブ・徳兵衛女房お辰に到るまで、皆江戸型として、一通りありさうな人物であり、又さうした解釈によつて演出せられて来た。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「アヒルチヤンヤ、一寸チヨツトコレヲキテゴラン、ヨク似合フヨ。マア、ナンテカワイイアヒルチヤンニナツタコト。」