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一寸
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いつすん
ふりがな文庫
“
一寸
(
いつすん
)” の例文
風葉
(
ふうえふ
)
は「身長今
一寸
(
いつすん
)
」を希望とし、
春葉
(
しゆんえふ
)
は「四十迄生きん事」を希望とし、紅葉は「欧洲大陸にマアブルの句碑を立つ」を希望とす。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
同時に
長吉
(
ちやうきち
)
が
芝居道
(
しばゐだう
)
へ
這入
(
はい
)
らうといふ
希望
(
のぞみ
)
もまたわるいとは思はれない。
一寸
(
いつすん
)
の虫にも
五分
(
ごぶ
)
の
魂
(
たましひ
)
で、人にはそれ/″\の
気質
(
きしつ
)
がある。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
鑿
(
のみ
)
のような
刃
(
やいば
)
のついてゐる
一寸
(
いつすん
)
ぐらゐの
小
(
ちひ
)
さい
石斧
(
せきふ
)
もありますが、これは
石斧
(
せきふ
)
といふよりも、
石鑿
(
いしのみ
)
といつた
方
(
ほう
)
が
適
(
てき
)
してゐるように
思
(
おも
)
はれます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
砂
(
すな
)
すべりの
谷
(
たに
)
は
實
(
じつ
)
に
死
(
し
)
の
谷
(
たに
)
と
呼
(
よ
)
ばるゝ
如
(
ごと
)
く、
吾等
(
われら
)
は
最早
(
もはや
)
一寸
(
いつすん
)
も
動
(
うご
)
く
事
(
こと
)
能
(
あた
)
はず、
加
(
くわ
)
ふるに、
猛獸
(
まうじう
)
の
襲撃
(
しふげき
)
は
益々
(
ます/\
)
甚
(
はなはだ
)
しく、
此
(
この
)
鐵檻車
(
てつおりのくるま
)
をも
危
(
あやう
)
くせんとす。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
前刻
(
さつき
)
から、
通口
(
かよひぐち
)
へ
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
して、
髯旦
(
ひげだん
)
のうめ
方
(
かた
)
が、まツ
其
(
そ
)
の
通
(
とほ
)
り、
小兒
(
こども
)
の
一寸
(
いつすん
)
に
水
(
みづ
)
一升
(
いつしよう
)
の
割
(
わり
)
を
覗
(
のぞ
)
いて、
一驚
(
いつきやう
)
を
吃
(
きつ
)
した
三助
(
さんすけ
)
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
「
又
(
また
)
靴
(
くつ
)
の
中
(
なか
)
が
濡
(
ぬ
)
れる。
何
(
ど
)
うしても
二足
(
にそく
)
持
(
も
)
つてゐないと
困
(
こま
)
る」と
云
(
い
)
つて、
底
(
そこ
)
に
小
(
ちひ
)
さい
穴
(
あな
)
のあるのを
仕方
(
しかた
)
なしに
穿
(
は
)
いて、
洋袴
(
ずぼん
)
の
裾
(
すそ
)
を
一寸
(
いつすん
)
許
(
ばかり
)
まくり
上
(
あ
)
げた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼等
(
かれら
)
は
勞働
(
らうどう
)
から
來
(
く
)
る
空腹
(
くうふく
)
を
意識
(
いしき
)
する
時
(
とき
)
は
一寸
(
いつすん
)
も
動
(
うご
)
くことの
出來
(
でき
)
ない
程
(
ほど
)
俄
(
にはか
)
に
疲勞
(
ひらう
)
を
感
(
かん
)
ずることさへある。
什麽
(
どんな
)
麁末
(
そまつ
)
な
物
(
もの
)
でも
彼等
(
かれら
)
の
口
(
くち
)
には
問題
(
もんだい
)
ではない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
が、発動機の壊れてゐる上に、前方の車軸までが曲つてゐるらしい自動車は、
一寸
(
いつすん
)
だつて動かなかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
〔評〕南洲
嘗
(
かつ
)
て東湖に從うて學ぶ。
當時
(
たうじ
)
書する所、今猶民間に
存
(
そん
)
す。曰ふ、「
一寸
(
いつすん
)
の
英心
(
えいしん
)
萬夫
(
ばんぷ
)
に
敵
(
てき
)
す」と。
蓋
(
けだ
)
し
復古
(
ふくこ
)
の
業
(
げふ
)
を以て
擔當
(
たんたう
)
することを爲す。
維新
(
いしん
)
征東の
功
(
こう
)
實に此に
讖
(
しん
)
す。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
彼の進退はここに
谷
(
きはま
)
るとともに貫一もこの場は
一寸
(
いつすん
)
も去らじと構へたれば、遊佐は
羂
(
わな
)
に係れる獲物の如く一分時毎に窮する外は無くて、今は唯身に受くべき
謂無
(
いはれな
)
き責苦を受けて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
立
(
た
)
て
一寸
(
いつすん
)
の
猶豫
(
ゆうよ
)
もならぬとそれは/\
畫
(
ゑ
)
にもかゝれぬ
談
(
だん
)
じやうお
前
(
まへ
)
にも
料簡
(
れうけん
)
あることゝやうやうに
言延
(
いひの
)
べて
歸
(
かへ
)
ります
迄
(
まで
)
と
頼
(
たの
)
んでは
置
(
お
)
いたれどマアどうしたら
宜
(
よ
)
からうか
思案
(
しあん
)
して
見
(
み
)
てくだされと
小聲
(
こごゑ
)
ながらもおろ/\
涙
(
なみだ
)
お
案
(
あん
)
じなされますな
何
(
ど
)
うにかなります
今夜
(
こんや
)
は
大分
(
だいぶ
)
更
(
ふ
)
けましたから
明日
(
あした
)
早々
(
さう/\
)
出向
(
でむ
)
きまして
談合
(
はなしあ
)
ひを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
田舍
(
ゐなか
)
づくりの
籠花活
(
かごはないけ
)
に、
一寸
(
いつすん
)
(たつた)も
見
(
み
)
える。
内々
(
ない/\
)
一聲
(
ひとこゑ
)
ほとゝぎすでも
聞
(
き
)
けようと
思
(
おも
)
ふと、
何
(
ど
)
うして……いとが
鳴
(
な
)
ると
立所
(
たちどころ
)
に
銀座
(
ぎんざ
)
の
柳
(
やなぎ
)
である。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大
(
おほ
)
きなものになりますと、
長
(
なが
)
さが
三寸
(
さんずん
)
にも
達
(
たつ
)
するものもありますが、
普通
(
ふつう
)
は
一寸
(
いつすん
)
から
一寸五分前後
(
いつすんごぶぜんご
)
のものであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
漸
(
やうや
)
く
下女
(
げぢよ
)
が
退
(
さ
)
がりきりに
退
(
さ
)
がると、
今度
(
こんど
)
は
誰
(
だれ
)
だか
唐紙
(
からかみ
)
を
一寸
(
いつすん
)
程
(
ほど
)
細目
(
ほそめ
)
に
開
(
あ
)
けて、
黒
(
くろ
)
い
光
(
ひか
)
る
眼丈
(
めだけ
)
を
其間
(
そのあひだ
)
から
出
(
だ
)
した。
宗助
(
そうすけ
)
も
面白
(
おもしろ
)
くなつて、
默
(
だま
)
つて
手招
(
てまね
)
ぎをして
見
(
み
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
砂
(
すな
)
に
喰止
(
くひと
)
まる
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
ぬ
齒輪車
(
はぐるま
)
は、
一尺
(
いつしやく
)
進
(
すゝ
)
んではズル/″\、二三
尺
(
じやく
)
掻上
(
かきあが
)
つてはズル/″\。
其内
(
そのうち
)
に
車輪
(
しやりん
)
も
次第
(
しだい
)
々々に
砂
(
すな
)
に
埋
(
う
)
もれて、
最早
(
もはや
)
一寸
(
いつすん
)
も
動
(
うご
)
かなくなつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
何
(
なに
)
はしかれ
車
(
くるま
)
の
齒
(
は
)
の
埋
(
うづ
)
まりますまで、
遣
(
や
)
るとしませう。
其上
(
そのうへ
)
は、三
人
(
にん
)
がかり五
人
(
にん
)
がかり、
三井寺
(
みゐでら
)
の
鐘
(
かね
)
をかつぐ
力
(
ちから
)
づくでは、とても
一寸
(
いつすん
)
も
動
(
うご
)
きはしませぬ。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
中
(
なか
)
には
長
(
なが
)
さが
一寸
(
いつすん
)
ぐらゐもない、
小
(
ちひ
)
さい
美
(
うつく
)
しい
石
(
いし
)
で
造
(
つく
)
つた
斧
(
をの
)
がありますが、それは
實際
(
じつさい
)
の
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
つものとは
思
(
おも
)
はれません。
多分
(
たぶん
)
大切
(
たいせつ
)
な
寶物
(
ほうもつ
)
の
類
(
るい
)
であつたのでせう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
然
(
しか
)
し、
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
が
多
(
おほ
)
いので
服裝
(
ふくさう
)
に
物
(
もの
)
が
要
(
い
)
るとか、
二週間
(
にしうかん
)
も
旅行
(
りよかう
)
して
歸
(
かへ
)
つてくると、
急
(
きふ
)
にみんなの
脊
(
せい
)
が
一寸
(
いつすん
)
づゝも
伸
(
の
)
びてゐるので、
何
(
なん
)
だか
後
(
うしろ
)
から
追
(
お
)
ひ
付
(
つ
)
かれる
樣
(
やう
)
な
心持
(
こゝろもち
)
がするとか、もう
少
(
すこ
)
しすると
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さあ、
身代
(
みがは
)
りは
出来
(
でき
)
たぞ!
一目
(
ひとめ
)
彼
(
あ
)
の
女
(
をんな
)
を
見
(
み
)
され、
即座
(
そくざ
)
に
法衣
(
ころも
)
を
着
(
き
)
た
巌
(
いは
)
と
成
(
な
)
つて、
一寸
(
いつすん
)
も
動
(
うご
)
けまい、と
暗
(
やみ
)
の
夜道
(
よみち
)
を
馴
(
な
)
れた
道
(
みち
)
ぢや、すた/\と
小家
(
こや
)
へ
帰
(
かへ
)
つてのけた……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
時
(
とき
)
、
横町
(
よこちやう
)
を
縱
(
たて
)
に
見通
(
みとほ
)
しの
眞空
(
まぞら
)
へ
更
(
さら
)
に
黒煙
(
こくえん
)
が
舞起
(
まひおこ
)
つて、
北東
(
ほくとう
)
の
一天
(
いつてん
)
が
一寸
(
いつすん
)
を
餘
(
あま
)
さず
眞暗
(
まつくら
)
に
代
(
かは
)
ると、
忽
(
たちま
)
ち、どゞどゞどゞどゞどゞと
言
(
い
)
ふ、
陰々
(
いん/\
)
たる
律
(
りつ
)
を
帶
(
お
)
びた
重
(
おも
)
く
凄
(
すご
)
い
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大
(
おほ
)
きさは
一寸
(
いつすん
)
二三分
(
にさんぶ
)
、
小
(
ちひ
)
さな
蝉
(
せみ
)
ぐらゐあつた、と
言
(
い
)
ふ。……しかし
其
(
その
)
綺麗
(
きれい
)
さは、
何
(
ど
)
うも
思
(
おも
)
ふやうに
言
(
いひ
)
あらはせないらしく、じれつたさうに、
家内
(
かない
)
は
些
(
ち
)
と
逆上
(
のぼ
)
せて
居
(
ゐ
)
た。
但
(
たゞ
)
し
蒼
(
あを
)
く
成
(
な
)
つたのでは
厄介
(
やつかい
)
だ。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“一寸”の意味
《形容動詞》
一寸(ちょっと 別表記:鳥渡)
数量や程度がわずかであること。
《名詞》
一寸(いっすん)
一尺の十分の一。約3㎝。
ほんのわずかな物の例え。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
寸
常用漢字
小6
部首:⼨
3画
“一寸”で始まる語句
一寸法師
一寸々々
一寸見
一寸角
一寸試
一寸前後
一寸位
一寸遁
一寸刻
一寸前