“凄”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
すご49.1%
すさま24.6%
すさ22.0%
すさまじ1.5%
さび0.7%
すげ0.4%
すざま0.3%
せい0.3%
こは0.1%
こわ0.1%
(他:5)0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“凄”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語15.0%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行4.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)2.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
丁度しわすのもの淋しい夜の事でしたが、ふきすさぶその晩の山おろしのうなるようなすごい音は、今に思出されます。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
持ち忘れたもののような半〓ハンケチが、宙に薄青く、白昼まひる燐火おにびのように見えて、寂しさの上にすごいのに
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ざあっと降り出した。雷が鳴る。一庭いっていの雨脚をすさまじく見せて、ピカリと雷が光る。ざあ、颯と烈しく降り出した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
大鮪おおまぐろか、さめふかでないと、ちょっとその巨大おおきさとすさまじさが、真に迫らない気がする。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どっちみち北条美作なる武士は、この当時一個の惑星として、諸人にすさまじく思われていたことは、争われない事実であった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
吹き掛け吹込ふっこむ一念の誠を注ぐ眼の光り、すさまじきまで凝り詰むれば、ここ仮相けそう花衣はなごろも
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ひややかすさまじ朝寒あささむ夜寒よさむ坐寒そぞろさむ漸寒ややさむ肌寒はださむしむ
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
宮はやうやう顔を振挙げしも、すさまじく色を変へたる貫一のおもてに向ふべくもあらでしをしぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
風流人の浦島にも、何だか見当のつかぬ可憐な、たよりない、けれども陸上では聞く事の出来ぬ気高いさびしさが、その底に流れてゐる。
お伽草紙 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
此の、ひきむしられるようなさびしさの在る限り、文学も不滅と思われますが、それも私の老書生らしい感傷で、お笑い草かも知れませぬ。
風の便り (新字新仮名) / 太宰治(著)
『あいつら、巴里パリーにゃあすげえところがあるってんで、嬉しがってけえりやがった。』
「こりゃすげえぞ」
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そしていきおすざまじく、井戸の中に落ちていった。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
どこから風が来るのか、点火器ライターの小さい焔がユラユラとゆらめくと、死人の顔には、真黒ないろいろの蔭ができて、悪鬼あくきのようにすざまじい別人のような形相ぎょうそうが、あとからあとへと構成され、畳の上から伸びあがって帆村探偵に襲いかかるかのように見えた。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
他の物象にあっては、老いということは衰を意味するけれども、月にあってのみは、老いが即ち粋となり、せいとなり、新となる。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その肩の辺にもつれかかった崩れた髪の乱らがましさ、顔を隠した袖を抜けてクッキリと白い富士額ふじびたい、腰細くたけ高く、えんせいとを備えた風情ふぜいには、人を悩ますものがある。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その場合は狐つきぢやないかと自分の顏を悲しいこはいやうに眺めて
鏡二題 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
「違いありませんよ、きっと、きっとそうに。――ですもの、きてるような白い饅頭が、それも、あとの一つの方は、口へ入れると、ひなひなと血が流れるように動いたんですの。……天狗のなすわざだわね。お父さんのその鏨で、どうしたらいでしょう、私こわいわ。何ですか、震えて来た。ぞくぞくして。」
ツイ口を滑らして、宮尾敬一郎は首を縮めました。美しい英子姫の瞳が、非難するともなく、自分の方をじっと見詰めて居るのです。
判官三郎の正体 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
畳の飛散った坐板の上をそろそろ歩いて行くと、向うからさまじい勢で妹がけつけて来た。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
これで熱海の梅林もすさましい。是非内のをお目に懸けたいでありますね、一日遊びに来て下さい。御馳走ごちそうを為ますよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
宮は見るより驚くいとまもあらず、諸共もろともに砂にまびれて掻抱かきいだけば、閉ぢたるまなこより乱落はふりおつる涙に浸れる灰色のほほを、月の光は悲しげに彷徨さまよひて、迫れる息はすさましく波打つ胸の響を伝ふ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すざまじい悲鳴が起って、背後で誰か、倒れた気配である。仕方がない、もう一発威嚇に、硝子ガラス窓越しにブッ放す。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ソレカヘツて、あるいてゐる道のホトリスゴさを照し出した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)