“凄”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
すご49.3%
すさま24.7%
すさ21.7%
すさまじ1.5%
さび0.7%
すげ0.4%
すざま0.3%
せい0.3%
こは0.1%
こわ0.1%
(他:5)0.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“凄”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語14.9%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行4.4%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)2.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
320x100
すごさに女がおびえてもいるように見えるのを、源氏はあの小さい家におおぜい住んでいた人なのだから道理であると思っておかしかった。
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ビレラフォンが聞いて来たことが本当なら、おそろしいカイミアラが住処すみかとしているのは、それらのすごいような谷の一つでした。
翌日の午後の公園は、炎天の下に雲よりは早く黒くなって人が湧いた。煉瓦れんが羽蟻はありで包んだようなすさまじい群集である。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
瑠璃子は、しとやかに椅子いすから、身を起したとき、彼女の眉宇びうの間には、すさまじい決心の色が、アリアリと浮んでいた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
すさまじき喰い違い方が生涯しょうがいに一度起るならば、われは幕引く舞台に立つ事なくしておのずからなる悲劇の主人公である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
縮毛の大男と、若い水夫とが、野獣のようなうめきを立てて、たちまち、肉弾にくだんあいすさまじい格闘をはじめた。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
再びすさまじじきいなびかりに、鐘楼に来り、すっくと立ち、鉄杖てつじょうちょうと振って、下より空さまに、鐘に手を掛く。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
不意に竹山の室の障子を開けて、恐ろしいものに襲はれた様に、すさまじい位眼を光らして、顔一体を波立つ程苛々いらいらさせ乍ら
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
此の、ひきむしられるようなさびしさの在る限り、文学も不滅と思われますが、それも私の老書生らしい感傷で、お笑い草かも知れませぬ。
風の便り (新字新仮名) / 太宰治(著)
風流人の浦島にも、何だか見当のつかぬ可憐な、たよりない、けれども陸上では聞く事の出来ぬ気高いさびしさが、その底に流れてゐる。
お伽草紙 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
『あいつら、巴里パリーにゃあすげえところがあるってんで、嬉しがってけえりやがった。』
「こりゃすげえぞ」
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そしていきおすざまじく、井戸の中に落ちていった。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
どこから風が来るのか、点火器ライターの小さい焔がユラユラとゆらめくと、死人の顔には、真黒ないろいろの蔭ができて、悪鬼あくきのようにすざまじい別人のような形相ぎょうそうが、あとからあとへと構成され、畳の上から伸びあがって帆村探偵に襲いかかるかのように見えた。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
他の物象にあっては、老いということは衰を意味するけれども、月にあってのみは、老いが即ち粋となり、せいとなり、新となる。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その肩の辺にもつれかかった崩れた髪の乱らがましさ、顔を隠した袖を抜けてクッキリと白い富士額ふじびたい、腰細くたけ高く、えんせいとを備えた風情ふぜいには、人を悩ますものがある。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その場合は狐つきぢやないかと自分の顏を悲しいこはいやうに眺めて
鏡二題 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
「違いありませんよ、きっと、きっとそうに。――ですもの、きてるような白い饅頭が、それも、あとの一つの方は、口へ入れると、ひなひなと血が流れるように動いたんですの。……天狗のなすわざだわね。お父さんのその鏨で、どうしたらいでしょう、私こわいわ。何ですか、震えて来た。ぞくぞくして。」
ツイ口を滑らして、宮尾敬一郎は首を縮めました。美しい英子姫の瞳が、非難するともなく、自分の方をじっと見詰めて居るのです。
判官三郎の正体 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
畳の飛散った坐板の上をそろそろ歩いて行くと、向うからさまじい勢で妹がけつけて来た。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
これで熱海の梅林もすさましい。是非内のをお目に懸けたいでありますね、一日遊びに来て下さい。御馳走ごちそうを為ますよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
宮は見るより驚くいとまもあらず、諸共もろともに砂にまびれて掻抱かきいだけば、閉ぢたるまなこより乱落はふりおつる涙に浸れる灰色のほほを、月の光は悲しげに彷徨さまよひて、迫れる息はすさましく波打つ胸の響を伝ふ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すざまじい悲鳴が起って、背後で誰か、倒れた気配である。仕方がない、もう一発威嚇に、硝子ガラス窓越しにブッ放す。
ソレカヘツて、あるいてゐる道のホトリスゴさを照し出した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)