“凄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すご49.1%
すさま24.6%
すさ22.3%
すさまじ1.2%
さび0.6%
すげ0.5%
すざま0.2%
せい0.2%
すさまし0.1%
こは0.1%
こわ0.1%
さみし0.1%
じっ0.1%
0.1%
すざ0.1%
ぞつ0.1%
スゴ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不気味にい、魔の小路だというのに、が一人で、湯帰りの捷径んでは不可い。……実はこの小母さんだから通ったのである。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
岸を噛む怒濤が悪魔のぶように、深夜の空にじく轟いているほかは、ひっそりと寝鎮った建物の中に、何の物音もしていない。
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
まじい相好ですが、美しさは一入で、鉛色に変ったから胸へ、紫の斑点のあるのは、平次が幾度も見ている、「石見銀山鼠取り」
途端にものき響きあり。——地震だ。——山鳴だ。——夜叉ヶ池の上を見い。夜叉ヶ池の上を見い。夜叉ヶ池の上を見い。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風流人の浦島にも、何だか見当のつかぬ可憐な、たよりない、けれども陸上では聞く事の出来ぬ気高いしさが、その底に流れてゐる。
お伽草紙 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
ズラリと面を並べるえんだそうですが、来て見ると、見ると聞くとは大きな違い、ドコにそんな大親分がいらっしゃるか、ドコに天下分け目のトバが御開帳になっているか
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そしてじく、井戸の中に落ちていった。夫への最後の贈物だ。——ちょっと間を置いて、何とも名状できないような叫喚が、地の底から響いてきた。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
他の物象にあっては、老いということは衰を意味するけれども、月にあってのみは、老いが即ち粋となり、となり、新となる。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ち起上りし直行は彼の衿上掻掴みて、力まかせに外方突遣り、手早く雨戸を引かんとせしに、みて動かざるに又駈戻りて、狂女はそのき顔を戸口にはせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その場合は狐つきぢやないかと自分の顏を悲しいいやうに眺めて、嫌な氣持ちがしたものでした。
鏡二題 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
お父さんのその鏨で、どうしたらいでしょう、私いわ。何ですか、震えて来た。ぞくぞくして。
拾はんとは如何にも孝心感入たり殊に鈴ヶ森のき所へ夜中能も一人にて入給ひし者哉ながら死骸ふには非人小屋へ手を入れねば勿々しと申によりは親彦兵衞が人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
美しい英子姫の瞳が、非難するともなく、自分の方をと見詰めて居るのです。
判官三郎の正体 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
畳の飛散った坐板の上をそろそろ歩いて行くと、向うからさまじい勢で妹がけつけて来た。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
まじい悲鳴が起って、背後で誰か、倒れた気配である。仕方がない、もう一発威嚇に、硝子窓越しにブッ放す。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
たずるより逢せて遣ればの皮がはるゝにより娘に逢すとお安をむき人なき所へ連出し殺してろと長庵に頼まれたるが因果づく中反圃にて殺した始末思ひ出してもとする是等の話しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
片破れ月が、つて来た。て、あるいてゐる道のさを照し出した。其でも、星明りで辿つて居るよりは、よるべを覚えて、足が先へ/\と出た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)