“凄美”の読み方と例文
読み方割合
せいび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人々のすがたはみな、紅葉もみじびたように、点々の血汐ちしおめていた。勇壮といわんか凄美せいびといわんか、あらわすべきことばもない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
散りかねる夕ざくらの凄美せいびを増した櫛まきの姐御、ぽっと頬のあからんでいるのに気がつけば、ふたりのあいだにのみ干された茶碗酒がふたつ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
抱月氏の逝去せいきょされた翌日、須磨子は明治座の「緑の朝」の狂女になっていて、舞台で慟哭どうこくしたときの写真も凄美せいびだったが、死の幾時間かまえにこんなに落附いた静美をあらわしているのは
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)