“凄愴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せいそう92.2%
ものすご3.9%
せいさう3.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
数日、陽の目を見ず、ここに坐ったきりなので、色はよけいに白く見え、心もち憔忰しょうすいして、日頃の美貌が、よけい凄愴せいそうえて見えた。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何か見付みつかりましたか。」と、お杉は重ねて問うた。その声が四方の低い石壁に響いて、何となく凄愴ものすごいように聞えた。市郎は黙って立っていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
結末、死刑場のあたりは流石に凄愴せいさうたるものがあつたが、これとても作者の心持見方から来た凄愴ではない。事件から生れ、事件に附帯した凄愴たるに過ぎない。
文壇一夕話 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)