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凄愴
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ものすご
ふりがな文庫
“
凄愴
(
ものすご
)” の例文
「何か
見付
(
みつか
)
りましたか。」と、お杉は重ねて問うた。
其
(
その
)
声が四方の低い石壁に響いて、何となく
凄愴
(
ものすご
)
いように聞えた。市郎は黙って立っていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼女
(
かれ
)
が若かりし春の面影は、
恐
(
おそら
)
く花のようにも美しかったであろうと想像されるが、冬の
老樹
(
おいき
)
の枯れ朽ちたる今の姿は、
唯
(
ただ
)
凄愴
(
ものすご
)
いものに見られた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
気の弱いものにはむしろ
凄愴
(
ものすご
)
いようにも思われた。
白髪
(
しらが
)
の多い、頬骨の高いおまきは、伏目にそれをじっと眺めながら、ときどきそっと眼を拭いていた。
半七捕物帳:12 猫騒動
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
赭土色
(
あかつちいろ
)
の
膚
(
はだ
)
で、髪の長い、手足の長い、爪の長い、人か猿か判らぬような怪物である。彼は市郎の靴で額の
真向
(
まっこう
)
を蹴破られたと見えて、
濃黒
(
どすぐろ
)
いような
鮮血
(
なまち
)
が
其
(
その
)
凄愴
(
ものすご
)
い半面を浸していた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“凄愴”の意味
《名詞》
凄愴(せいそう)
非常に痛ましいこと。
(出典:Wiktionary)
凄
常用漢字
中学
部首:⼎
10画
愴
漢検1級
部首:⼼
13画
“凄”で始まる語句
凄
凄惨
凄味
凄艶
凄気
凄腕
凄然
凄婉
凄絶
凄文句