“鮮血”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なまち39.5%
せんけつ31.6%
からくれない10.5%
あけ5.3%
からくれなゐ5.3%
のり5.3%
ちしお2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最所治部の龍の口城へ、ある日一人の若侍が、父だと云う老人を連れて、さも周章(あわただ)しく駈け込んで来た。手足から鮮血(なまち)を流している。
郷介法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
石垣(いしがき)のあたりには、敵味方の死者がころがった。鼻をつく鮮血(せんけつ)のにおい、いたでに苦しむもののうめきは夜空に風のようにひびいた。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
トもんどりを打って手足を一つに縮めた処は、滝を分けて、すとんと別の国へ出た趣(おもむき)がある、……そして、透通(すきとお)る胸の、暖かな、鮮血(からくれない)の美しさ。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
きゃっと消魂(たまぎ)る叫びとともに宙に飛んだ二つの首級(くび)がもんどり打って地面へころげ落ちると、さらさらという音がして、折れた麦穂を鮮血(あけ)に染めた。と、真紅(まっか)になった鎌が高く投(ほう)りだされた。
麦畑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
トもんどりを打(う)つて手足(てあし)を一(ひと)つに縮(ちゞ)めた處(ところ)は、瀧(たき)を分(わ)けて、すとんと別(べつ)の國(くに)へ出(で)た趣(おもむき)がある、……そして、透通(すきとほ)る胸(むね)の、暖(あたゝ)かな、鮮血(からくれなゐ)の美(うつく)しさ。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
懐中から小菊(こきく)を取出して鮮血(のり)を拭い、鞘に納め、折(おり)や提灯を投げて、エーイと鞍馬(くらま)の謡(うた)いをうたいながら悠々(ゆう/\)と割下水へ帰った。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
元より強弱敵しがたく、無残や肉裂け皮破れて、悲鳴の中(うち)に息絶(たえ)たる。その死骸(なきがら)を嘴(くち)に咬(くわ)へ、あと白雪を蹴立(けたて)つつ、虎は洞(ほら)へと帰り行く。あとには流るる鮮血(ちしお)のみ、雪に紅梅の花を散らせり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)