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鮮血
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せんけつ
ふりがな文庫
“
鮮血
(
せんけつ
)” の例文
石垣
(
いしがき
)
のあたりには、敵味方の死者がころがった。鼻をつく
鮮血
(
せんけつ
)
のにおい、いたでに苦しむもののうめきは夜空に風のようにひびいた。
三両清兵衛と名馬朝月
(新字新仮名)
/
安藤盛
(著)
市民の
鮮血
(
せんけつ
)
に濡れた、アスファルト路面に、燃えあがる焔が、ギラギラと映った。
横丁
(
よこちょう
)
から、バタバタと駈け出した一隊があった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
生
(
い
)
ける
犬
(
いぬ
)
を
屠
(
ほふ
)
りて
鮮血
(
せんけつ
)
を
啜
(
すゝ
)
ること、
美
(
うつく
)
しく
咲
(
さ
)
ける
花
(
はな
)
を
蹂躙
(
じうりん
)
すること、
玲瓏
(
れいろう
)
たる
月
(
つき
)
に
向
(
むか
)
うて
馬糞
(
ばふん
)
を
擲
(
なげう
)
つことの
如
(
ごと
)
きは、
言
(
い
)
はずして
知
(
し
)
るベきのみ。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
とドノバンがシャツの
袖
(
そで
)
をちぎって、くるくるとゆわえた。見る見る
鮮血
(
せんけつ
)
は
仮
(
かり
)
ほうたいをまっかに染めた。ドノバンはじっとそれをみつめた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
七
尺
(
しやく
)
有餘
(
いうよ
)
の
猛狒
(
ゴリラ
)
は
苦鳴
(
くめい
)
をあげ、
鮮血
(
せんけつ
)
を
吐
(
は
)
いて
地上
(
ちじやう
)
に
斃
(
たを
)
れた。
私
(
わたくし
)
と
少年
(
せうねん
)
とは
夢
(
ゆめ
)
に
夢見
(
ゆめみ
)
る
心地
(
こゝち
)
。
韋駄天
(
いだてん
)
の
如
(
ごと
)
く
其
(
その
)
傍
(
かたはら
)
に
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
つた
時
(
とき
)
、
水兵
(
すいへい
)
は
猛獸
(
まうじう
)
に
跨
(
またが
)
つて
止
(
とゞ
)
めの
一刀
(
いつたう
)
、
海軍士官
(
かいぐんしくわん
)
は
悠然
(
いうぜん
)
として
此方
(
こなた
)
に
向
(
むか
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
「おや、これは不思議だ。絞殺されたのかしら」と一郎は目を
瞠
(
みは
)
った。「それにしても、胸許を染めている
鮮血
(
せんけつ
)
はどうしたというのだろう」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
目前数歩のところに
鮮血
(
せんけつ
)
がこんこんと流れ、下草をくれないにそめて、ラマの
巨体
(
きょたい
)
が横たわっている、鳥は足音におどろいて羽音高くまいあがった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
帝國軍人
(
ていこくぐんじん
)
の
鮮血
(
せんけつ
)
の
滾々
(
こん/\
)
と
迸
(
とばし
)
りかゝるのも
見
(
み
)
えた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
人々の前に、少女の美しい
死顔
(
しにがお
)
が始めてハッキリと現れたのだった。左胸部を中心に、衣服はベットリ
鮮血
(
せんけつ
)
に染っていた。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
とらのためにひっかかれたと見え、左かたの服はずたずたにさけて、
鮮血
(
せんけつ
)
がこんこんと流れだしている。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
帝都の辻々に貼り出される号外のビラは、次第に大きさを加え、
鮮血
(
せんけつ
)
で描いたような○○が、二百万の市民を、
悉
(
ことごと
)
く緊張の
天頂
(
てっぺん
)
へ、
攫
(
さら
)
いあげた。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「あっ、怪我をした!」チョコレート色の絹の靴下は、見るも
無慙
(
むざん
)
に斜に斬れ、その下からあらわに出た白い
脛
(
すね
)
から、すーっと
鮮血
(
せんけつ
)
が流れだした。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
柿丘秋郎には、普通の眼には見えない胸の
奥底
(
おくそこ
)
がハッキリ見えた。そのうちにも、あとからあとへと激しい
咳
(
せき
)
に襲われそのたびにドッドッと、
鮮血
(
せんけつ
)
を吐き散らした。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あわや第三の犠牲となって床の上を
鮮血
(
せんけつ
)
に
汚
(
よご
)
すかと思われたその刹那!
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あのとき、電灯が一度消えて、二度目についたときには、トラ十のすがたはなく、卓上は
鮮血
(
せんけつ
)
でそまっていた。それから間もなく、雷洋丸は爆沈し、彼はもう少しで、命を失うところだったのだ。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
川内警部の両手は、
鮮血
(
せんけつ
)
でまっ赤だった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“鮮血”の意味
《名詞》
鮮 血(せんけつ)
体から出たばかりの真っ赤な血。
(出典:Wiktionary)
鮮
常用漢字
中学
部首:⿂
17画
血
常用漢字
小3
部首:⾎
6画
“鮮血”で始まる語句
鮮血淋漓