“悉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ことごと62.7%
こと/″\18.8%
つく4.6%
くわ4.4%
ことごとく3.2%
コトゴト1.0%
0.9%
ごとごと0.6%
くはし0.5%
くは0.5%
あら0.4%
くわし0.4%
ことご0.4%
0.2%
スデ0.2%
すつか0.1%
そっ0.1%
ことごく0.1%
ことごろ0.1%
こどごと0.1%
しっ0.1%
すべ0.1%
つぶさ0.1%
みな0.1%
みん0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ましてその教義の中にあらわれる諸仏諸菩薩諸天の類は、人間の形態を仮りてこそ居れ、く或る抽象観念の具現に外ならなかった。
本邦肖像彫刻技法の推移 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
毛といふ毛はく蛇で、其の蛇は悉く首をげて舌を吐いて、るゝのも、ふのも、ぢあがるのも、にじり出るのも見らるゝ
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
勿論学んでしたりとは言はず。又先生に学ぶ所はまだ沢山あるやうなれば、何ごとも僕にめるだけは盗み置かん心がまへなり。
田端人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あのう、今しがたが夢にの、美しい女の人がござっての、回向を頼むと言わしった故にの、……しい事は明日話そう。南無妙法蓮華経
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「梅雨ばれ」と云ひ、「私雨」と云ひ、「雲ちぎれ」と云ひ、俗語ならぬはない。しかも一句の客情は無限の寂しみにれてゐる。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
板屋は吹きあげられさうに、りきしんだ。若人たちは、く郎女の廬に上つて、刀自を中に、心を一つにして、ひしと顔を寄せた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
本来この筆記は単に記憶に存したる事実を思い出ずるまゝに語りしものなれば、も一場の談話にして、より事の詳細をくしたるにず。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ガラッ八はくいい心持でした。七八枚の小判を畳の上へ並べたり、重ねたり、チャリンと叩いてみたりするのです。
が影を隠す時、僕にした手紙が有る、それでい様子を知つてをるです。その手紙を見た時には、僕もへて腹が立つた。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
両様ともしく姿さゞれども、一読、われらがには、東遊記したるとえてし。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼女もまた、ゆる習俗と云ふものに対して、その虚偽に対して、炎ゆるやうな反抗心をもつてゐた。
惑ひ (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
さて抽斎が弘前にいる間、江戸の便があるごとに、必ず長文の手紙が徳から来た。留守中の出来事を、ど日記のようにく書いたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
御常の肌身に着けているものはとく古びていた。幾度水をったか分らないその着物なり羽織なりは、どこかに絹の光が残っているようで、また変にごつごつしていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今では萬兩分限の一人として、江戸の長者番附の前頭何番目かに据ゑられる嘉兵衞ですが、慈悲善根の心がけがく、町内で評判の良いことは、平次もく知つて居ります。
仍、広物、鰭の狭物を追ひ聚めて、は、天つ神のみ子に仕へまつらむやと問ふ時に、諸の魚皆、仕へまつらむとす中に、海鼠白さず。
「今は私はある特別な譯があつて火事のことをり聽き度いのです。その狂人の、ロチスター夫人がそれに關係があると疑はれたのですか?」
庄「お美代おと己の紋が有る、似た紋も有るが不思議じゃアねえか、不思議じゃアねえかよ、えゝくり二人の紋が付いてるとは是りゃア不思議じゃアねえか」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
忠君なり廉恥心なり仁義道徳もただにの子弟の守るべきものでなく、いやしくも日本人に生れたもの、この世に生をけた人類はく守るべき道なりと教えるのは
平民道 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
と、みずからをも励ますように、眼にさわる者どもを、くたしなめた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くこれを保護しかつ後進を養成せんとする目的をも有せらるると聞くのは甚だ頼もしいことに思はれる。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
現今の物理学的気象学の立場より考えて、今日のいわゆる要素の数は大体において理論上主要の項をしたりと考えらる。
自然現象の予報 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
真つ直ぐに、自分を立て通したいばかりに、親達の困惑も怒りも歎きも、てを知りつくしてゐながら、強情にそれを押し退けて再度の家出をして後は、お互ひに一片の書信も交はさなかつた。
乞食の名誉 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
わたくしは怖ろしい精神的な苦しみをめたのでありますが、その限りない苦しみを体験するにつけ、彼女がわたくしに与えてくれた愛情がますます貴重なものに思われて来るのでした。
(新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
とかく世智にく、愚圖で融通の利かない彼は、忽ち同輩の侮蔑と嘲笑とを感じて肩身の狹いひけめを忍ばねばならぬことも所詮は致し方のないわがい身から出た錆であつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
... 涼炉で燃しているようなものサ。土竈だって堅炭だってな去年の倍と言っても可い位だからね」とお徳は嘆息まじりに「真実にやりきれや仕ない」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)