“悉”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ことごと61.1%
こと/″\20.2%
つく4.7%
くわ4.4%
ことごとく3.6%
コトゴト1.1%
1.0%
あら0.4%
くは0.4%
くはし0.4%
(他:19)2.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“悉”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語12.2%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行5.4%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆3.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
これらの事は他家と何のことなることもなかったが、女中がことごと綿服めんぷくであったのが、五百の目に留まった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
重太郎は刀、お辻は懐剣を抜いてことごとくそれを斬り払ってしまう。そうして二人は手に手を取って暗にまぎれて——幕。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
斯様な見苦しい処ではござるが、一度御尊来を願いたいと申して居ったので、当人もこと/″\今日こんにちは悦び居ります
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この二を造れる威能ちからは、凡そ人たる者の受くるをうるかぎりの光をこと/″\そゝぎ入れたるなりと 四三—四五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
多クノ「夫」ハ彼ノ妻ノ肉体ノ形状ニツイテ、恐ラクハ巨細ニわたッテ、足ノ裏ノしわノ数マデモ知リつくシテイルヿデアロウ。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
生ら熟観稔察じんさつして、深く貴大臣、各将官、仁厚愛物のこころつくし、平生の念またた触発す。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
——くわしくはなくても、向う前だから、様子は知ってる、行来ゆきき、出入りに、顔見知りだから、声を掛けて、
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、見ないんなら御覧なさい。ほかの二三の新聞にもいてあるですが。このA……が一番くわしい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかもその食器がことごとく、べた一面に青い蓮華れんげや金の鳳凰ほうわうを描き立てた、立派な皿小鉢ばかりであつた。
南京の基督 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
六の宮へ行つて見ると、昔あつた四足よつあしの門も、檜皮葺ひはだぶきの寝殿やたいも、ことごとく今はなくなつてゐた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
今、明詔ヲ奉ジテ呂布ヲ征ス、モシ大軍ヲ抗拒コウキョスル者アラバ満門コトゴト誅滅チュウメツセン
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若人たちは、コトゴトく郎女の廬に上つて、刀自を中に、心を一つにして、ひしと顔を寄せた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
器量、不器量、好き嫌い、粋無粋すいぶすいかずくして千差万別と云っても差支えないくらいである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
病気の治療も同様に、内科、外科、耳鼻科、皮膚科、眼科、歯科と数をくして研究を競わせているではないか。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼女もまた、あらゆる習俗と云ふものに対して、その虚偽に対して、炎ゆるやうな反抗心をもつてゐた。
惑ひ (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
其処には、あらゆる権力の不正な圧迫が如何に彼女を殺さうとしたかゞ、また、理解を遮ぎられた彼女の仲間でさへもが如何に彼女の霊魂をかきむしつたかゞ明白に描かれてあつた。
乞食の名誉 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
くはしくへばどろぽツくり。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いよいよ身動きの出来ない所に来て、鳥羽は「面目ない次第だがかう云ふ事になつた」とくはしく話してくれたのであるが、話の理否条路は女の幾には聞いたところでよく解るわけでもなく、たゞ胸のつまる思がした。
鳥羽家の子供 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
淺草あさくさはうくはしことは、久保田くぼたさん(まんちやん)にくがい。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はざまが影を隠す時、僕にのこした手紙が有る、それでくはしい様子を知つてをるです。その手紙を見た時には、僕もふるへて腹が立つた。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そうして貴下が、仏像の前で、その言行録をじゅする経文だといった、くわしい話を聞きましょう。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
留守中の出来事を、ほとんど日記のようにくわしく書いたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ガラッ八の面白そうに動く手に従って引っ張り出されたのは、ごとごとくお奉行所のお触れ書に載った贓品ぞうひんばかり。
伊三松は飛んで行きましたが、まもなく帰って来て、ガラッ八の鑑定がごとごとく当ったことを報告しました。
御常の肌身はだみに着けているものはことごとく古びていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
客と主人とはそこでことごとく顔を合わせた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いなこの世に生をけた人類はことごくく守るべき道なりと教えるのは、取りも直さず平民を士族の格にのぼせると同然である
平民道 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
と、みずからをも励ますように、眼にさわる者どもを、ことごろくたしなめた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こどごとくこれを保護しかつ後進を養成せんとする目的をも有せらるると聞くのは甚だ頼もしいことに思はれる。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
現今の物理学的気象学の立場より考えて、今日のいわゆる要素の数は大体において理論上主要の項をしっしたりと考えらる。
自然現象の予報 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
彼と並んで家へ歸りながら、私は彼の鐵のやうな沈默の中に私に對する心持をすつかり讀みとつた。
「今は私はある特別な譯があつて火事のことをすつかり聽き度いのです。その狂人きちがひの、ロチスター夫人がそれに關係があると疑はれたのですか?」
真つ直ぐに、自分を立て通したいばかりに、親達の困惑も怒りも歎きも、すべてを知りつくしてゐながら、強情にそれを押し退けて再度の家出をして後は、お互ひに一片の書信も交はさなかつた。
乞食の名誉 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
これが突込つっこんだなりで有るんでがすが、そっくりお両方ふたかたの紋が比翼に付いて居るてえのは何うも妙で
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
庄「お美代おまえと己の紋が有る、似た紋も有るが不思議じゃアねえか、不思議じゃアねえかよ、えゝそっくり二人の紋が付いてるとは是りゃア不思議じゃアねえか」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくしは怖ろしい精神的な苦しみをつぶさめたのでありますが、その限りない苦しみを体験するにつけ、彼女がわたくしに与えてくれた愛情がますます貴重なものに思われて来るのでした。
(新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
しかしそれも束の間、場慣れぬせゐも手傳ふとは言へ、とかく世智にうとく、愚圖で融通の利かない彼は、忽ち同輩の侮蔑と嘲笑とを感じて肩身の狹いひけめを忍ばねばならぬことも所詮は致し方のないみなわがつたない身から出た錆であつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
三河在から、万才の太夫で江戸へ來たといふのは、世間の惡口にしても、兎も角も、此處へ根をおろしてざつと三十年、今では萬兩分限まんりやうぶげんの一人として、江戸の長者番附の前頭何番目かに据ゑられる嘉兵衞ですが、慈悲善根の心がけがあつく、町内で評判の良いことは、平次もく知つて居ります。
さう思へば、古事記の「カレ高天原皆暗く、葦原中つ国スデに闇し。此に因りて常夜往く……」とあるとこよゆくもはなはだ固定した物言ひで、或は古事記筆録当時既に、一種の死語として神聖感を持たれた為に、語部の物語りどほりに書いたものであらう。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)