“悉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ことごと61.8%
こと/″\19.6%
つく4.7%
くわ4.6%
ことごとく3.4%
コトゴト1.0%
0.9%
ごとごと0.5%
くはし0.4%
あら0.4%
くは0.4%
くわし0.4%
ことご0.4%
0.3%
すつか0.1%
そっ0.1%
ことごく0.1%
ことごろ0.1%
こどごと0.1%
しっ0.1%
すべ0.1%
つぶさ0.1%
みな0.1%
スデ0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こうした趣味、傾向に人類を導くために、曾ての探偵小説は従来の芸術が金科玉条として死守して来た美学上の諸条件をことごとく放棄し、一蹴した。
探偵小説の真使命 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
世にはまた色紙しきし短冊たんざくのたぐいに揮毫きごうを求める好事家があるが、その人たちがことごとく書画を愛するものとは言われない。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼の脳髄が如何計いかばかり数学的なるやは彼の書きしものがこと/″\く条理整然として恰も幾何学の答式を見るが如くなるにりて知らる。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
我はや汝の前に置きたり、汝今より自らむべし、わが筆のさゝげられたる歌題はわが心をこと/″\くこれに傾けしむればなり 二五—二七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
一、この一巻を成したのは、単に編者の猟奇趣味ばかりでない。編者の微意は本文中の「開会の辞」につくされているから、ここに重ねて言わない。
中国怪奇小説集:01 凡例 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかしわたくしはほゞ抽齋の病状をつくしてゐて、その虎列拉コレラたることを斷じたが、米庵を同病だらうと云つたのは、推測に過ぎなかつた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
としるせりとぞ。この両様ともくわしくその姿を記さざれども、一読の際、われらが目には、東遊記に写したると同じさまに見えていと床し。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひとしくくちそろへて『御身おんみこのしま漂着へうちやく次第しだいくわしく物語ものがたたまへ。』といふので
よし又天下の女人にしてことごとく交合を恐れざること、入浴を恐れざるが如きに至るも、そは少しも娼婦型の女人の増加せる結果と云ふこと能はず。
娼婦美と冒険 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
飛行機、軍艦、自動車、タンク等、戦略、戦術の死命を制する器械はことごとく重油、軽油を動力とする時代となって来たのであります。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
特ニ、闘犬ノ鎌倉ニ集マルモノ数千匹。名犬ハ税トシテモタフトマレ、一匹ノ価、百貫ヲ呼ブモアリ、武門コトゴトク、犬ヲ繋ギ、犬ニ仕へ、日、暮ルレバ又、宴楽アルノミ。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しづかに しづかに雲はおりて来る。万法蔵院の香殿・講堂・塔婆・楼閣・山門・僧房・庫裡クリコトゴトく金に、朱に、青に、昼よりイチジルく見え、ミヅカら光りを発して居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……さて満月さんをお引取りになりましてからの大尽さまのお心づくしというものは、それはそれは心にも言葉にもくされる事では御座いませなんだ。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
本来この筆記は単に記憶に存したる事実を思い出ずるまゝに語りしものなれば、あたかも一場の談話にして、もとより事の詳細をくしたるにあらず。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ガラッ八の面白そうに動く手に従って引っ張り出されたのは、ごとごとくお奉行所のお触れ書に載った贓品ぞうひんばかり。
ガラッ八はごとごとくいい心持でした。七八枚の小判を畳の上へ並べたり、重ねたり、チャリンと叩いてみたりするのです。
はざまが影を隠す時、僕にのこした手紙が有る、それでくはしい様子を知つてをるです。その手紙を見た時には、僕もふるへて腹が立つた。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
——くはしことあづかるが、水上みなかみさんは、先月せんげつ三十一にちに、鎌倉かまくら稻瀬川いなせがは別莊べつさうあそんだのである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其処には、あらゆる権力の不正な圧迫が如何に彼女を殺さうとしたかゞ、また、理解を遮ぎられた彼女の仲間でさへもが如何に彼女の霊魂をかきむしつたかゞ明白に描かれてあつた。
乞食の名誉 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
あらゆる結婚の裏面には両性の一生の雰囲気がまつわつてゐる。
結婚と恋愛 (新字旧仮名) / エマ・ゴールドマン(著)
いよいよ身動きの出来ない所に来て、鳥羽は「面目ない次第だがかう云ふ事になつた」とくはしく話してくれたのであるが、話の理否条路は女の幾には聞いたところでよく解るわけでもなく、たゞ胸のつまる思がした。
鳥羽家の子供 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
両様りやうやうともくはしく姿すがたしるさゞれども、一読いちどくさい、われらがには、東遊記とういうきうつしたるとおなさまえてゆかし。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そうして貴下が、仏像の前で、その言行録をじゅする経文だといった、くわしい話を聞きましょう。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
留守中の出来事を、ほとんど日記のようにくわしく書いたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その皮膚ひふ筋肉きんにくことごとくしまつて、何所どこにもおこたりのないところが、銅像どうざうのもたらす印象いんしやうを、宗助そうすけむねけた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御常の肌身はだみに着けているものはことごとく古びていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三河在から、万才の太夫で江戸へ來たといふのは、世間の惡口にしても、兎も角も、此處へ根をおろしてざつと三十年、今では萬兩分限まんりやうぶげんの一人として、江戸の長者番附の前頭何番目かに据ゑられる嘉兵衞ですが、慈悲善根の心がけがあつく、町内で評判の良いことは、平次もく知つて居ります。
三河在から、万歳まんざい太夫たゆうで江戸へ来たというのは、世間の悪口にしても、ともかくも、ここへ根をおろしてざっと三十年、今では万両分限の一人として、江戸の長者番付の前頭まえがしら何番目かに据えられる嘉兵衛ですが、慈悲善根の心がけがあつく、町内で評判の良いことは、平次もく知っております。
「今は私はある特別な譯があつて火事のことをすつかり聽き度いのです。その狂人きちがひの、ロチスター夫人がそれに關係があると疑はれたのですか?」
彼と並んで家へ歸りながら、私は彼の鐵のやうな沈默の中に私に對する心持をすつかり讀みとつた。
庄「お美代おまえと己の紋が有る、似た紋も有るが不思議じゃアねえか、不思議じゃアねえかよ、えゝそっくり二人の紋が付いてるとは是りゃア不思議じゃアねえか」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これが突込つっこんだなりで有るんでがすが、そっくりお両方ふたかたの紋が比翼に付いて居るてえのは何うも妙で
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いなこの世に生をけた人類はことごくく守るべき道なりと教えるのは、取りも直さず平民を士族の格にのぼせると同然である
平民道 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
と、みずからをも励ますように、眼にさわる者どもを、ことごろくたしなめた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こどごとくこれを保護しかつ後進を養成せんとする目的をも有せらるると聞くのは甚だ頼もしいことに思はれる。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
現今の物理学的気象学の立場より考えて、今日のいわゆる要素の数は大体において理論上主要の項をしっしたりと考えらる。
自然現象の予報 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
真つ直ぐに、自分を立て通したいばかりに、親達の困惑も怒りも歎きも、すべてを知りつくしてゐながら、強情にそれを押し退けて再度の家出をして後は、お互ひに一片の書信も交はさなかつた。
乞食の名誉 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
わたくしは怖ろしい精神的な苦しみをつぶさめたのでありますが、その限りない苦しみを体験するにつけ、彼女がわたくしに与えてくれた愛情がますます貴重なものに思われて来るのでした。
(新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
しかしそれも束の間、場慣れぬせゐも手傳ふとは言へ、とかく世智にうとく、愚圖で融通の利かない彼は、忽ち同輩の侮蔑と嘲笑とを感じて肩身の狹いひけめを忍ばねばならぬことも所詮は致し方のないみなわがつたない身から出た錆であつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
さう思へば、古事記の「カレ高天原皆暗く、葦原中つ国スデに闇し。此に因りて常夜往く……」とあるとこよゆくもはなはだ固定した物言ひで、或は古事記筆録当時既に、一種の死語として神聖感を持たれた為に、語部の物語りどほりに書いたものであらう。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)