“土竈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へつゝひ30.4%
へっつい26.8%
どがま14.3%
どべっつい10.7%
へつつひ7.1%
かまど1.8%
どべつつひ1.8%
どぺッつい1.8%
へつゝい1.8%
へッつい1.8%
べっつい1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貧乏人へのほどこしにする約束で掘ると、土竈へつゝひの下、床板を剥いで、一尺五寸ほどの深さの地中から、古い小さい梅干瓶うめぼしがめが一つ出ましたよ。
それは同じ土竈へっついの土の割れ目に、奥深く押し込んであったのを、平次は少しばかりの土のこぼれているのからたぐり出したのです。
銭形平次捕物控:130 仏敵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
... 涼炉しちりんで燃しているようなものサ。土竈どがまだって堅炭かたずみだってみんな去年の倍と言っても可い位だからね」とお徳は嘆息ためいきまじりに「真実ほんとにやりきれや仕ない」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
土間の隅にはかの土竈どべっついがあって、そのそばには幾束の高粱が積み重ねてあることを知っているので、堀部君は探り足でその方角へ進んで行くと
雪女 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その後ろ姿を見送つて平次は、眼配せして八五郎を廊下に立たせ、恐れをのゝく、若い下女のお組と、土竈へつつひの側に相對しました。
運んだり、土竈かまどの下を焚きつけたり、掃除をしたり、買物をしたり、あんな働き者は無いと、お内儀のお留は、眼を細くして喜んでゐますよ
婆さんはもうとうに起きて、広い勝手元で、昔のまゝの土竈どべつつひで、かま火箸ひばしで朝飯をいてゐるのを見た。何を見ても、昔のことが思ひ出されないものはなかつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
袖無そでなしを着たアさまが塵埃除ほこりよけの為に頭へ手拭を巻き附け、土竈どぺッついの下をき附けて居りまする。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
土竈へつゝいの前、荒神柱くわうじんばしらの側に置いてある荒神箒を指すのでした。
と云いましたが、婆さんは耳が遠いと見えて見返りもせずに、しきりに土竈へッついの下の火をいて居りますから、また
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どうか臥んでいて下され、お湯ももうじき沸きましょうほどに含嗽手水うがいちょうずもそこで妾がさせてあげましょう、と破れ土竈べっついにかけたる羽虧はかがまの下きつけながら気をんで云えど
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)