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土竈
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へっつい
ふりがな文庫
“
土竈
(
へっつい
)” の例文
それは同じ
土竈
(
へっつい
)
の土の割れ目に、奥深く押し込んであったのを、平次は少しばかりの土のこぼれているのからたぐり出したのです。
銭形平次捕物控:130 仏敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
正面はぴったりと大きな雨戸が
鎖
(
とざ
)
されていたから、台所口のような処が明いていたまま入ると、馬鹿にだだ濶い土間で、土間の向う隅には大きな
土竈
(
へっつい
)
が見え
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
荒削
(
あらけず
)
りの巨大な柱が
煤
(
すす
)
けた下に、大寺院の
庫裡
(
くり
)
で見るような大きな
土竈
(
へっつい
)
がある、三世紀以前の
竜吐水
(
りゅうどすい
)
がある、漬物の桶みたようなのがいくつも
転
(
ころ
)
がっている。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「——お珠さん、少し休んだがいい。わしが
土竈
(
へっつい
)
の火も見ていてやるし、薪も割っといてやるで」
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此方
(
こっち
)
へ参れば
倉富
(
くらとみ
)
へ出る、鎌倉道の曲り角に井桁屋米藏と云う饅頭屋があって
蒸籠
(
せいろう
)
を積み上げて店へ邪魔になる程置き並べて、亭主は
頻
(
しき
)
りに
土竈
(
へっつい
)
を
焚付
(
たきつ
)
けて居る、女房は
襷掛
(
たすきがけ
)
で
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
これを見るがいい、お勝手の
土竈
(
へっつい
)
の中に、半分が燃え残っていたぞ。読んでやろうか——お糸、丹次、——お柳、又六——
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
戸棚から
土竈
(
へっつい
)
から床板まで、貧しい調度ながら整然として輝いているのを見ると、八五郎は妙に涙ぐましくなるのを何うすることも出来ません。
銭形平次捕物控:227 怪盗系図
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「だから隠すなと言ってるじゃないか、——その時江戸へ持って来た大事な書き物があったはずだ。それをこの
土竈
(
へっつい
)
に隠してから、何年になるんだ」
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘気の失せない内気な
羞
(
はに
)
かみやで、たった六畳二た間に入口が二畳、それにお勝手という狭い家だが、ピカピカに磨かれて、
土竈
(
へっつい
)
から
陽炎
(
かげろう
)
が立ちそう。
随筆銭形平次:13 平次身の上話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それとも焼いてしまったかも知れない、
土竈
(
へっつい
)
と風呂場をもう一度捜すことだ、燃えさしぐらいはあるだろう
銭形平次捕物控:070 二本の脇差
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
天井
(
てんじょう
)
から
床下
(
ゆかした
)
から、押入も、戸棚も、
土竈
(
へっつい
)
の中も、羽目板の後ろも、絶対に見落さないはずですが、夜中までかかって、小刀一挺、いや、針一本見付からなかったのです。
銭形平次捕物控:072 買った遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次はいい加減に
諦
(
あきら
)
めて、一とわたりお勝手の方を覗いてみました。
土竈
(
へっつい
)
の蔭に恐れ入っているのは、三十を少し越したらしい女、ひどい
痘痕
(
あばた
)
で、眼も片方はどうかしている様子です。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
案内されたのはお勝手、かなり重い
土竈
(
へっつい
)
をどけて、揚げ板を
剥
(
は
)
ぐと、中は三尺四方ぐらいの穴になっております。
隙洩
(
すきも
)
る光線で一面の
埃
(
ほこり
)
は見えますが、瓶も何にもあるわけではありません。
銭形平次捕物控:058 身投げする女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鞍掛様を騙し討ちにして、絵図面と一緒に隠してあった、
土竈
(
へっつい
)
の金を盗み出したのは、その弁次郎に相違はないッ、——横網の二階にいて、一と晩独り言を言っていた、その相吉も敵の片割れ
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
やがてその隙間からスルスルと伸びて来た
鳶口
(
とびぐち
)
が一梃、ガラッ八が念入りに縛った引窓の綱の——
土竈
(
へっつい
)
の上の折れ釘のところの——結び目に引っ掛ると、なんの苦もなく解いてしまったのです。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
土竈
(
へっつい
)
の下を
焚
(
た
)
きつけていたお静が、
姐
(
あね
)
さん
冠
(
かぶ
)
りを取って顔を出します。
銭形平次捕物控:041 三千両異変
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
土竈
(
へっつい
)
から出た人相書を、砧右之助に渡してやるのでした。
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
土竈
(
へっつい
)
の中を覗くとこれがありましたよ」
銭形平次捕物控:130 仏敵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
竈
漢検準1級
部首:⽳
21画
“土竈”で始まる語句
土竈坂
土竈炭